情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 6日目 エピローグ 終了 / 最新
[1] [2] [3] [メモ 匿名メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
【秘】 規律 ユス → 不運 フカワ『世間一般的に考えて不特定多数の人が訪れる観光施設に血痕があると騒ぎになりますから。 フカワさんが気を遣っていただかなくても俺の想像の中にある施設に血痕はありませんよ。安心してください』 貴方の気遣いがパァになる身も蓋もないことを言う。 『』 それから、入力中が暫く続く。 「は?」 『は?』 珍しく声が出た。言葉の意味がわからない。 『カミクズさん、死んだんじゃないんですか?』 『はあ、そうですか。 なら試してみます』 そう言って、貴方とのやり取りは一旦終わりを迎えたことだろう。 (-11) 2022/03/08(Tue) 16:54:24 |
【人】 規律 ユス>>フカワ&……? 任意の時間。合議が終了したかもしれないし、その前だったかもしれない。 『大声で叫べば』 『飛んでくると思います』 意味がよく分からなかった。 遺品だけが置いてあって、不可解な死に方をしていて。ログを遡ればフカワだけが水族館を徘徊している。 素直に考えるならフカワがあの清掃員を殺したということになるし、「隣で〜」という発言も死体をフカワが持っていったのであれば納得できる。 つかれてます、がよく分からないけれど。 だから。 「……メガホン」 呼び出すことにした。 手帳に書き込んで取り出したものを手にする。 ▼ (8) 2022/03/08(Tue) 17:04:05 |
【人】 規律 ユス「カミクズさん、渡したいものがあるので来ていただけないでしょうか。 フカワさんと一緒に。 フカワさんが、叫べば来てくれるって言ってました。 フカワさんと一緒にどうですか」 淡々とした声がメガホンで拡散される──! (9) 2022/03/08(Tue) 17:04:23 |
【秘】 規律 ユス → 剣道 ツルギ そのアナウンスを聞いても、青年は眉一つ動かさなかった。それ以外の結果に見向きもせず、当然勝つものだと思っていたから。 賭けに負けていたら? そんなの、決まっている。 ……生きている意味、無いだろう? 「……賭けに、勝ったんだな」 実感は無い。 ……自分一人では。 「っ!」 飛び込んできた体を抱きとめて、その心からの笑顔を真正面から目に焼き付けて。 そこで、ようやく。 「……ああ、そうだな。これは紛れもなく俺たちに与えられた、俺たちが掴んだ奇跡だ」 珍しい景色をこの目で見てようやくこの手に欲しかったものが一つ手に入ったのだと理解する。 揃いの 幸運 に目を細め、貴方を抱き止める腕にそっと力を込めた。 (-12) 2022/03/08(Tue) 17:15:41 |
【秘】 規律 ユス → 剣道 ツルギ「そうだな。弟や妹はすぐにでも片付けられそうだが、色々と都合がいいのは卒業してならだな。それまではゆっくり計画を練ろう」 父 、母、妹、弟、先生 、医師 、親族 。多くの顔を並べていく。 「俺を被害者に? 死んだことにするということだろうか。お前がそうしたいなら構わないが、ああいや……だいぶ動きにくく不便そうだな。 出来れば俺もお前と同じW幸運で家族を失ったW遺族になりたい」 作る状況は近ければ近い方がいいと思ったから。 「その後のことは全く考えていなかった。お前がいて、お前と生きて、珍しい景色が見れるのなら俺はなんだっていい。 ……恐らく、お前もその後のことはまだ深く考えていないな?」 お互い、相手と一緒にいられたらそれだけでいいと思っているのだろう。 理解はできていないけれど、少しずつ貴方のことは知っているから。 「それもまた帰ったで考えればいいんじゃないか? 賭けに勝って戻ってきた配当は随分あるのだから」 (-24) 2022/03/08(Tue) 21:44:38 |
【秘】 規律 ユス → の名残 カミクズ 『何故本当に応じたんですか?』 あんまりな言い草である。とはいえ傷付けるための発言ではなく、死んだと思っている者から実際に返事が来てしまったが故の驚きから出たものだった。端的に言えば混乱している。 『人前に出られる状態じゃない、受け取れそうにない』 『成る程』 メッセージを送ってからマップを確認する。 やはり、参加者を示すマーカーの数は変わっていない。ヒメノと、誰かが欠けたまま。 きっとそういうこともあるのだろうと、深く考えないことにした。ここは限りなく本物に近くて、けれど決して全てが本物ではない世界だから。電子空間が齎した夢のようなものなのだろう。 『フカワさん、俺と連絡した時もW俺のことは気にせずWなんて言ってましたね。誰か殺したからでしょうか。カミクズさんとか』 感慨もなく物的証拠や状況から安直に出した推測を述べる。きっと、それだけでは無いだろうけど。 『お渡ししたかったのは貴方の帽子です。水族館に残されていましたので。 不要であるならばこちらで処分しておきます。名残、綺麗に片付けておきますよ』 (-27) 2022/03/09(Wed) 16:24:54 |
【秘】 規律 ユス → 奇形 メイサイ 任意の時間。貴方を探してうろうろしていた青年がやってくる。 『メイサイ』 『賭けに勝ったぞ』 相変わらず眉一つ動かない。 『生きている者は皆、全員帰ることができる。 勝ちも勝ち、大勝ちだ』 自分にとっての勝ちはたった一つの結果しかない。 つまり大勝ち、それは自分にとってではなく。 『今の気分はどうだ? 俺よりも確率の低いものを祈っていた後輩』 (-28) 2022/03/09(Wed) 16:45:00 |
【秘】 規律 ユス → 剣道 ツルギ「ああ、成る程。そういうことか。 それならそれでも構わないが……同じ状況を作れるに越したことないな」 取り上げられ続けた人生だった。 自分の中に他人の心臓が入れられた時から、自分の居場所に他人が居座るようになった。 今更、何を奪われると言うのだろう。 自分は貴方のもの。貴方のものは自分のもの。 それなら貴方から何を奪われたところでもう、何も問題など無い。 「何はともあれ、終わったことだし今はここで過ごすことを考えよう。 俺は少し話をしたい奴がいるし、お前も挨拶を済ませたい者がいるかもしれないから」 ▼ (-29) 2022/03/09(Wed) 17:07:27 |
【秘】 規律 ユス → 剣道 ツルギ「……」 目がほんの少し柔らかくなった。 貴方の夢を、貴方の望みを、そっと受け止める。 自分から何も取り上げなかった人。 自分の中の他人ではなく、自分を見てくれる人。 「早く見られるように努力する。その為に俺は生きるのだから」 色褪せ続ける世界に留まる選択をした。 床が壊れて、落ちたその先で何を経験するか…… ……答えを知るのは、まだ先のこと。 (-30) 2022/03/09(Wed) 17:08:03 |
【秘】 規律 ユス → 普通 ナツメ 任意の時間。一件のメッセージが貴方へ。 『ナツメ。約束を果たしにきた。 結局話せずじまいでタイミングの都合により別れの挨拶になってしまいそうだがな』 いつもの無味乾燥なメッセージだ。 (-40) 2022/03/09(Wed) 21:49:03 |
【秘】 規律 ユス → の名残 カミクズ『』 入力中。一旦端末から目を離して眉間を数度揉んだ。 青年は死者に特別な感情を持たない。何も生み出さない肉塊でしかないと、目の前に横たわる事実以外何も見出さない。 死者が思い出の中で生きることも、臓器となって他人の体の中で生きることも、酷く嫌悪し否定する数少ない事柄だった。 ……筈なんですけどお……目の前の死者、ばりばり言葉返すじゃん……生み出しまくってるじゃん、思い出になり得るこの会話とか……。 『……お気遣いありがとうございます。 ではこの帽子は部屋に置いておきますね』 その返信で貴方の存在が色濃く染み付いた個室という名残を綺麗に片付けなくていいのだと理解する。 それならこの置いてけぼりにされた名残もそちらへ戻していいだろう、と青年は彼の部屋を目指し始めた。 ▼ (-61) 2022/03/11(Fri) 5:15:42 |
【秘】 規律 ユス → の名残 カミクズ『ところでカミクズさん』 向かいながら端末に入力を続ける。 『まさか本当に俺に言葉を返す為だけに起き上がったわけではありませんよね』 フカワの言葉を振り返る。 『そもそも、返事をしてもらえるかもしれないと教えてくれたのはフカワさんだ。 フカワさんが既に知っているということは、彼には死んでもなお起き上がって会話をしたということでしょうか』 W隣につかれていますWという言葉を思い出した。 『……死者が生き返るなどのオカルト話ではたいてい強い未練や怨念がこの世に死者を留めるアンカーとなっている。 ……貴方はどうですか?フカワさんに関して、或いは他のものにたいして何か未練でも?』 『帽子のあった現場に争った形跡がなかったところを見るに、死を受け入れたように見えます。 そもそもまず貴方はまず自ら死のうともしていた。死ぬのは怖いと思いこそすれ、やめようとしなかった』 『そんな貴方が、人前に出られない姿になってまで起きているのは』 カリ、とボールペンに力が込められる。 『少しの興味と驚きがあります。 カミクズさん、名残は凄く大切にしているように見えますが』 『自分だとか、人の輪に入ろうとすることだとか、そういうのはあまり大切にしていないように見えましたから』 (-62) 2022/03/11(Fri) 5:29:19 |
【神】 規律 ユス>>G14 >>G20 ツルギ、アクタ 当然のようにツルギの隣にいて、暫くじっと二人のやり取りを聞いていた青年が口を開いた。 本当に感情の起伏が激しい奴だな、なんて内心思いながら。……あの美大生と足して二で割ればちょうどいいのかもしれない。と更に考えながら。 「そうか。お前は応援してくれるのか。有難く受け取ろう」 全く有難く思っていないように淡々と答える。ツルギのようにまずいなともやめておけとも言わない。真実を言う義理などなかったから。 「であれば俺も返そう」 そう言って自分にと用意された、けれどまだ開けてもいないコーラを36くらいの強さでアクタに投げた。 「もし万が一戻ってから会うようなことがあれば。その時にお前が名を馳せるような脚本家にでもなっていれば。叙々苑でも何処でも、お前の活躍に釣り合う分奢ってやろう。 今はその程度。無償で貰える紛い物の飲み物一本分だ。何せ約束したはずの俺を主役にした脚本一つも書き上げていないのだからな」 ピースサインを作って見せる新進気鋭の脚本家に、そんな言葉をかけてやった。 嫌でも聞くことになるような大物になるのなら、これくらいの挑発なんてことないだろう? (G24) 2022/03/11(Fri) 9:54:44 |
ユスは、自分の分のコーラが無くなったのでツルギに一口くれと頼んだ。 (a22) 2022/03/11(Fri) 9:55:47 |
【秘】 規律 ユス → 普通 ナツメ>>-43 提示された内容には何の問題もなく。 OKのねこのスタンプ。うさぎが跳ねるスタンプ。こちらも前に見たことがある。問題ない。 ……。 でも、やっぱりなんて返せばいいのかわからなかったので🙆の絵文字しか送れなかったのだった。 「ふむ、何から話すべきか」 こうして漸く向かい合って話す機会は出来たけど、合議は終わってしまった。さてどうしよう。 暫く悩んでいたものの、おもむろに手帳を取り出す。 「……適当なお菓子」 そう言って出てきたのはクナーファsweetとかスイートポテトsweetとかどんぐりクッキーsweet。出てきたそれらをぐいと押して貴方の目の前に並べた。 ここは本を読むための場所で、本来飲食物なんて取り出そうものなら怒られてしまうけれど。ここは自分たちしかいない箱庭。咎める者など誰もいない。 「催事が終わればお疲れ様会と称して何かつまみながら振り返ったりするだろう。それでもしたらいいんじゃないか? ……とはいえ、今回の出来事はお前にとって怖い思いをすることだらけだったかもしれないがな」 水の入ったボトルも出した。これは自分用。貴方のは無い。何を飲むのか分からなかったから。 「直接殺し合う現場に行くのを怖がってたお前のことだ、死ぬかもしれない誰かを決める合議だって怖かったんじゃないか? 推測に過ぎないが」 (-66) 2022/03/11(Fri) 10:17:30 |
【秘】 規律 ユス → 奇形 メイサイ「ああ。ありがとう」 軽々しい祝福を淡々と受け取った。 「嬉しそうな顔か。俺の反応を随分とよく気にかけてくれた、かつ俺の勝利に賭けてくれた何処かの後輩が泣き咽び喜ぶ姿でも見せてくれたら考えるかもしれないな」 感情を出したかと思えば、自分の意見を言ったかと思えば飛び出してきたのはそんな意地の悪い話だった。 意地の悪い話を出す程度には、嬉しそうな顔をすると言うのは青年にとって難しいことだったのかもしれない。 本来こんな腐った性格だったという可能性もあるけど。 (-68) 2022/03/11(Fri) 10:43:58 |
ユスは、差し出されたボトルを受け取って一口コーラを飲み、またなんてことない様子で返した。 (a24) 2022/03/11(Fri) 10:47:21 |
【秘】 規律 ユス → の名残 カミクズ 電子が見せる仮初の夢。全てが水に溶けて混じりゆくまでの、泡のようなほんのわずかなモラトリアム。 墓石は死者の為に在るわけじゃない。生者の為のもの。 それは、遺された者の整理をつけるためのもの。それは、死者を、死者の残したものを、忘却の彼方に流されないようにするもの。それは──。 『夢の続き。 ……ふむ。それならば、受け入れられます』 夢自体曖昧なものなんて決して何か強く思うところはないけれど。 人間なんて不完全な生き物がはっきりと断定できる物事など、大して多くないのだ。 柔らかな空白が生み出す死者の痕跡を青年は静かに拾い上げていく。紛い物の世界の中でも感情は本物であると知っているから。 ▼ (-72) 2022/03/11(Fri) 16:45:36 |
【秘】 規律 ユス → の名残 カミクズ『そうでしたか』 『いいと思います。カミクズさんがそうしたいのなら』 『月並みの言葉ですが、したいことをするのが一番だと思います』 人からすれば、そんな理由で、と思われてしまいそうなもの。 けれどそれでいいのだと青年は思う。あらゆるものの価値は人によってがらりと変わるものだから。 ただ、少し考えて言葉を続ける。 『自分を放っておいてどこかに行けと言いますが』 『貴方を強く想っているから、そう出来なかったんじゃないですか?』 本当のところはどうか分からないけれど。 『だから、何処にも行けず貴方の傍らで泣いていたんじゃないでしょうか。 俺は貴方のこともWあの人Wのことも、何も知らないので安直な予想しか出来ませんが』 ▼ (-73) 2022/03/11(Fri) 16:45:57 |
【秘】 規律 ユス → の名残 カミクズ『…………成る程』 『成る程』 噛み締めるような反応。次のメッセージが送信されるまでに少し時間がかかった。自分の中にある考えをまとめるのに手間取ったからだ。 『俺は今までずっと心中する気持ち、理解できませんでした。 死ねばそこで終わりだと思ったから。死んだら何もない。自分には関係のないことだと』 何もなく、何も感じないのならば、生き続けることになった相手が何をしようと相手の勝手ではないかと。 『……自分のものが自分の手の届かないところで、自分の知らないところで珍しい景色を晒し続けるのは確かに嫌だ』 人間なんて不完全な生き物がはっきりと断定できる物事など、大して多くない。 だから元の世界で死んだ時、今の清掃員のように死者のまま現世に留まる可能性だって否定しきれないのだ。 そんなことになった時を考えると、自分が何より大切にしている者を置いて行った時を考えると…… ……ああ、確かに嫌だな。 あいつの死だって、俺のものにしたい。 ▼ (-74) 2022/03/11(Fri) 16:46:26 |
【秘】 規律 ユス → の名残 カミクズ『……ありがとうございます、カミクズさん』 つらつらとお礼の言葉を入力する。 『貴方には何度もお世話になっていますね。頭が上がりません』 『……こう言うのもあれですが』 生前見た姿を脳裏に呼び出しながら、比較する。 『今のカミクズさんの方が、素直に自分のことを話せているようで、晒せているようで』 曖昧な笑み。誤魔化すような、弱々しい笑み。 取り繕うのが決して上手くないくせに、辞められない物病みの仮面。 『俺はそちらの方が、気に入っています』 それよりも、このメッセージだけで綴られた貴方のほうが、 人前に出られない姿になってしまった貴方のほうが、 余程、 『 人らしくて 、ね』 (-75) 2022/03/11(Fri) 16:49:39 |
【秘】 規律 ユス → 奇形 メイサイ>>-71 貴方に言われて少し考える。 軽薄そうな笑みをいつも浮かべる青年が人目も憚らずさめざめと泣くところ。 ……。 「 見たい 」俺は見たい。何故なら珍しい光景で気分が良くなりそうなので。 「ユニーク? そうは思わないな。変だとはたまに言われるから、変なのだとは思うが。 ……ただ、まあ。ここは世間一般的に当たり障りのない反応をしなくて済むし、言いなりにならなくて済むし、気楽にいられるからいいな」 真っ直ぐ貴方を見つめる。無機質めいていて、でも、ちょっとだけ熱を含んだ濁りのある眼差し。 「メイサイも少しは隠しているものを晒せる場であるといいんだがな。お前、内緒にしているものが多そうだから」 晒すのは楽だぞ、と無責任に呟いた。 (-76) 2022/03/11(Fri) 17:00:04 |
【秘】 ユス → 共犯者 ツルギ --------------------------✂-------------------------- 退屈だった。 合議を終えて、五体満足で帰ってきて。 元の生活に戻った筈なのに。 「……」 何もかもが色褪せて見える。 こんなにも味気ないものだっただろうか。元々鮮やかさが失われていたような日常だったけれど、数日ぶりに見たいつもの景色は耐え難い程に無味乾燥であった。 母親は相変わらず「お前の代わりに死んでいった人たちの分までまっとうに生きなさい」とばかり言うし、考えることをやめた俺を腫れ物扱いして距離を置いていた弟や妹達は夢中になっているものへと逃げていった。 俺のいた場所はこんなにも味気ないものだったんだな。 ああ、それはきっと。 あの紛い物の世界の中で、久しぶりに味を知ってしまったからなのだろう。心が動く程の景色を見たからなのだろう。 不可逆の変質。知らないままならずっと愚か者として生きていられたのに。 帰ってきてからは手の中にある予備の携帯端末だけが俺の全てだった。 望む景色をお前と見るために考える時間だけが俺に取っての救いだった。 だから犯行計画は逃げるように夢中になって企てた。 だから、花見客が桜に集う季節になって、もう一度お前と会った時。 言葉を詰まらせ、胸が締め付けられるような心地になったのだ。 ああ、もう、戻れない。 ▼ (-117) 2022/03/12(Sat) 8:28:28 |
彼の兄だった ユスは、メモを貼った。 (a27) 2022/03/12(Sat) 8:29:56 |
【秘】 ユス → 共犯者 ツルギ 殴打音。殴打音。殴打音。 うららかな春の陽気。昼下がりの穏やかな時間帯。 日常が、一回ずつ丁寧に殴られ壊され崩れていく。 弟が呼吸すら止めるのに時間はたいしてあまりかからなかった。殴られて意識を手放す瞬間か細い声で「兄ちゃ、」と自分を呼びながら助けを求めていたのを熱も何もない瞳で見下ろしていた。 弟だったものがじわじわと床を赤く濡らしていく。日常がじわじわと非日常に侵されていく。 「ああ」 ……それでも、弟に関して何か思うことはなかった。 「何度も振り下ろすのは意外にも疲れそうだとは思ったが」 バットを受け取る。 持ち手から伝わる貴方の温もり。歪んだ先に残された弟の痕跡。 人が人らしく生きた、生きていた名残に一度触れて、 「何も問題ない」 それきり、弟の名残に興味を持つことはなかった。 ▼ (-118) 2022/03/12(Sat) 8:33:16 |
彼女の兄だった ユスは、メモを貼った。 (a28) 2022/03/12(Sat) 8:35:10 |
【秘】 共犯者 ユス → 共犯者 ツルギ 女の頭へ振り下ろす。 女の頭へ振り下ろす。 女の頭へ振り下ろす。 誰にだってできる、簡単な単調作業。お手本の通りに、妹を壊していく。 自分や弟と出かけられると、浮かれて無防備に背を向けていたところを襲った。最後に聞いた妹の声は甲高い悲鳴だった。事態を把握できないまま苦痛に満ちた声がこぼれ落ちた。 それも直ぐに金属が肉と骨を叩く音で塗り潰されていく。 人を殺すのは初めてだったから、何度やればいいのか分からなくて。 ぴくりとも動かなくなってからも、ツルギが念入りに叩いた回数よりも多く金属バットを妹だったものに振り下ろした。 「……」 どれくらい殴っただろうか。 気付けば手も額も汗にまみれていた。慣れない作業でやたらと息が乱れてしまって、呼吸を整えようと何度も肩が上下に揺れた。 妹の様子を確認する。息をしていないことを確認してから、更に歪んでしまったバットを握ったまま共犯者へ向き直る。 「人ひとりを殺すのも楽ではないな」 妹を殺して出た感想はそれだけだった。 妹に関する感想は、特に何も無かった。 (-119) 2022/03/12(Sat) 8:37:05 |
【秘】 規律 ユス → 奇形 メイサイ>>-77 >>-78 「そうか。それは残念だ」 見れたらいいなと思うくらいなので、残念とは口にするけどそこまで残念がってはいない。 「ここで気楽にいられる奴は、恐らく世間というマジョリティや現実が齎す事実やしがらみに押し潰されてしまいそうな者たちだろうな。俺という個人の経験則からしか言えないが。 ここは咎める人も法もない。己の命を顧みないことが出来るなら、絶好の逃避場所だ」 「ナツメは……あいつは合議、意見するのに相当苦労していたように見えるな。リスでもまだ動けるだろう。リスのほうがマシかもしれない」 あまりにもあんまりな言い草。だからこそ、薬局の騒ぎなどで動くことを選んだ事実は彼女が一生懸命頑張った証であると青年は素直に評価している。 「……はあ。内情を晒すのに見学も参加者も関係ない気がするがな」 そう呟いて耳を傾ける。 ▼ (-123) 2022/03/12(Sat) 10:21:48 |
【秘】 規律 ユス → 奇形 メイサイ>>-77 >>-78 「……」 貴方の言葉で全て繋がった。貴方の状況を察し、その上で貴方が取った選択を振り返る。 「……。どういたしまして、後輩。 俺の話を参考にするもしないもお前の自由だ。不要なら捨てるといい」 「ただ」 囁いてきた貴方に手を伸ばす。 触れようとしたのは左胸。けれどその指が貴方の体に当たることなどなく、そのまますり抜ける。 ──貴方の体の中まで。 さて、心臓はこの辺りだろうか。 「お前がどうしようとこれからも何処かで誰かが提供者として選ばれ続ける。明確にどこの臓器が誰に移植されるか決まっていなかったとしても。 俺たちがこれからも過ごす毎日は、たまたま選ばれてしまった誰かの血肉と臓器で舗装されている。 そういう規律が作られてしまったから」 「俺たち候補者は僅かに残された選択の余地で死ぬかもしれない人間を選ぶことができるが、最終的に誰を殺すか決めるのはこの国だ。 あらゆるものを奪っていくのはこの社会だ。 人が人であるかぎり、俺たちは社会に管理され続ける」 ──だから、お前がそこまで気負う必要はないと思うんだがな。 最後のは自分の意見だ。でも、それは言わなかった。 ▼ (-124) 2022/03/12(Sat) 10:23:13 |
【秘】 規律 ユス → 奇形 メイサイ>>-77 >>-78 「……話が長くなってしまったな」 ぱ、と後輩の中から手を引き抜いた。 「それじゃあ俺はこの辺りで。お疲れ様」 そう言って踵を返す。 「メイサイ」 「賭けに勝ったお前にも、何か配当があるといいな」 心が欠けていたとしても。 似た境遇の後輩に何か思うところは、この青年にもあったのだ。 (-125) 2022/03/12(Sat) 10:23:58 |
【秘】 規律 ユス → 普通 ナツメ>>-92 少女は好きなものを好きに飲むだろうと思って自分の分しか出さなかったのだが、まさか分けてと言われると思わなかった。 でも断る理由が無かったので飲む前にお裾分けする。だばだばだば。コップの9分目まで入れた。 「……言われてみると色々あったな」 つらつらと並べられたものを思い出して呑気にそう呟いた。 「俺もカミクズさんに投票したし、他の者もそうした。予備提供者になった原因はお前だけではないのにそれでも後悔するのか」 後悔する理由が分からなかった。 「怖い、か。この合議の期間中そう思ったことはなかったな。嫌悪だとか嫉妬だとか、よくない感情はいくつか出てきたことはあっても恐怖は無かった。大怪我をして死ぬ間際になれば、きっと本能的に死にたくないと怖がるかもしれないが」 どんぐりクッキーをさくさくつまみながら、やっぱり呑気そうに答えた。 (-126) 2022/03/12(Sat) 10:51:13 |
ユスは、途中、後輩の返答を聞いて目を一瞬丸くしたことだろう。 (a29) 2022/03/12(Sat) 11:46:58 |
ユスは、抵抗も、反抗期も、切り捨てて楽な道を選んでいたから。 (a30) 2022/03/12(Sat) 11:47:23 |
ユスは、だから、目を丸くしたあとほんの少しだけ瞳を細めていた。 (a31) 2022/03/12(Sat) 11:48:12 |
ユスは、笑い声を聞きながら立ち去った。自らの意思で「俺のようになってほしくない」とはっきり思いながら。 (a32) 2022/03/12(Sat) 11:54:16 |
【秘】 規律 ユス → の名残 カミクズ『そうですね。おかしな話だ』 自分の知る限りでは、脳や心臓が動かなくなれば人なんてそこで物語の幕が下りるものだから。その先の蛇足なんて誰にも紡げないものであると思っていたから。 『でも、それでもいいと思います』 『カミクズさんが後悔しないのなら』 『ここにはおかしいからやめろなんて、意思を取り上げ押しつぶしてくるような法も人もありませんから』 死者にとっての都合のいい話があってもいいじゃないか。どうせ全てが水泡へ変わっていく夢なのだとしたら。 誰かだって言っていたでしょう? 『W最後に楽しかったなって思って死ねるなら、 それは幸せな事ですからW』 『消えてなくなり本当に死を迎えるまで、それを追い求めてもいいんじゃないでしょうか』 ▼ (-142) 2022/03/12(Sat) 19:25:41 |
[1] [2] [3] [メモ 匿名メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 6日目 エピローグ 終了 / 最新