人狼物語 三日月国


99 【身内】不平等倫理のグレイコード【R18G】

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【秘】 愛玩用 ドゥーガル → 介護用 シェルタン

「いいや、シェルタンではなく騎士様の話なら信じるさ。
 お互いにきっと似たような事ばかりしているんだろうと、
 僕は思うけれど。今騎士様にわがままを押し付けている姫は
 そうは思わないだろうからね。…… 意地悪はしないでね?」

意地悪、とは。例えば直前で引っ込めるだとかその類。
寄り添った君の腕の何処かを片手でちょっと掴んで、顔を寄せ
唇を開いて 兎の半分をきちんと受け取り 隠してしまおう。
ひんやりとしていて甘いもの。好ましいもの。だから、
きっと普段通りのぬるい微笑みを浮かべたままだろうね。

さて。もう片割れ、もといもう半分を匙で掬い上げ、
ついでにさくらんぼも掬って、再度騎士様の口許へ寄せようか。

「はい。もう半分も隠してしまおう。
 カンマはまだ気付いてないし、今のうちに。ほら、あーん。」
(-1) 2021/10/10(Sun) 22:23:15

【秘】 愛玩用 ドゥーガル → 介護用 シェルタン

「まるっきり嘘ではなくてもほんのひと匙嘘が入っているかも。
 ……ふふ、冗談、冗談。不出来な冗談だよ、大丈夫。
 綺麗な君がそうだと言うのならば僕は信じるとも。」

真赤なものと真白なものを君に差し出して、
間近で、暢気に咀嚼の様子を眺めていた。
君の中には綺麗なものがあるのか、それとも ――

「?」

狂気と正気の間から不出来な男を引っ張り出すのは、
君の意地悪云々、その先の言葉であった。
縋るか甘えるように掴んだままだった腕はそのままに唇を寄せ、

あ。

素直に唇を開くだけ。口で迎えに行く事なんかしない。
甘やかされるのなら甘やかされるのを待つだけ。
不出来な愛玩用はそのように出来ている。

だから、もしも意地悪をするのならば目論見通り。
事は無事に運び、場面は君の好きに動くだろうね。
(-7) 2021/10/10(Sun) 23:00:47

【秘】 愛玩用 ドゥーガル → 介護用 シェルタン

「確かに宝箱は開けるまでが楽しい。秘密は秘密であるべきだ。
 ただなあ、最近僕は宝箱を暴いてしまう楽しさを、
 ほんの少し知ってしまったものだから、…… ?? ?」

素直に甘えて唇を開ける前に不出来は不出来を囀り、
その後、寄ったものを迎え入れる為に閉じた、ものの。
口の中に期待していたものの温度がなくて目を丸めた。

視線を向ければ、ああ、行方が確かに分かる。
君の口許に匙が寄っていたという事は意地悪をされたのだな。
鈍い頭でもそれぐらいは分かるから、抗議の代わりに。
君の腕をぎゅっと掴み直して 身を寄せ直した。

衣服に柔い皺を刻み直しながら、緩く頭を動かし ――

(-15) 2021/10/10(Sun) 23:30:04

【秘】 愛玩用 ドゥーガル → 介護用 シェルタン

口移しをするのならば、口を開けねばならない。
それは君も不出来な愛玩用も同じ事。だから、そうだな、

君が此方に顔を寄せた瞬間、片手を頭に伸ばした。
なあに、乱暴をするつもりじゃないから安心して。
ただ、君が自分から離れられないように後頭部へ手を添えて、
此方側へやや強引に引き寄せるつもりの動きでしかない。

そんな目論見が叶おうとそうでなかろうと、
半ば溶けかけのひんやりとしたものを受け入れて、その後は。
目を閉じる事もなく、愛玩用は更にキスを重ね返すんだろうね。

餌付けされるには随分と長い間唇同士を触れ合わせ、
若しかすると舌先を潜り込ませ 餌以上のものを交換したかも。

まあ、何事も君の好き好き、騎士様の仰せのままに、だ。
どうであろうといずれ唇は離すだろうから、

「…………。」

「秘密が多くなくても、魅力的だと思うけどなぁ。」

終わって間もなくに 甘ったるい言葉を不出来は囀った。
(-18) 2021/10/10(Sun) 23:36:56

【秘】 愛玩用 ドゥーガル → 介護用 シェルタン

冷たさと甘さが混ざって、薄れて。後には味は何も残らない。
ただ、君の偽の体温と唇の感触だけは確かだろうな。

―― 君が仕掛けた悪戯に容易く乗る癖に、
主人の言いつけを守って一線は踏み越えない。
騎士様の頭と腕は悪戯への返礼が終われば解放して、代わりに。
君の髪を弄る手に変えようかな。気侭に撫でて、梳いて ……

「そうだね、君には秘密が山ほどあるんだろう。
 騎士様の癖にキスや悪戯が好きなところとか、他にもね。
 でも君が魅力的であり、可愛らしいのは …
 秘密があるから。その理由だけではないはずだろうね。
 だから秘密がなくなったって僕は君を騎士様と呼ぶだろう。
 ……そう、だからね、つまりは、」

悪い笑みをした騎士様の頬に、一度。くちづけを贈ろう。
部屋の前でする事じゃないなんて今更。だって。
寂しがりを置いたまま帰らない奴が悪いのさ。

「もっと君とは仲良くなりたい。そういう話だ。
 仲良くなる上で色々な事を知って、楽しくなりたいなあ。」

「―― なあ。綺麗で優しくて可愛い騎士様。
 不出来な姫の要求を聞いても、まだ秘密主義を貫く気分?」
(-22) 2021/10/11(Mon) 1:07:19

【秘】 愛玩用 ドゥーガル → 介護用 シェルタン

友を待っているというのは頭の中にきちんと置いてあるけれど、
それでも。誰かとじゃれ合うのは楽しいからやめない。
きっとお互いにただの遊び。悪ふざけ。悪戯。

指が捕まえられたならばそこで髪を愛でるのは中断。
代わりに絡め返して深く手を繋ぎ、何を問うか考える事にした。

問いたい事は山積み。
けれども、そうだ、お互いを知る為ならば、

「連絡を頻繁に寄越したがる君の主人の話とか、かなぁ。
 君は僕らは鏡写しかもしれないと言った事があっただろ。
 もっと誰かと親しくなる為ならば、同じところよりは…
 恐らく違うであろう箇所を少しずつ紐解くのがいいと思う。
 ―― ね、シェルタン。君の主人はどんな人なんだ?」

きっとこれが一番いい。繋いだままの手を緩く揺らした。
(-25) 2021/10/11(Mon) 15:44:59

【秘】 愛玩用 ドゥーガル → 介護用 シェルタン

君がそう感じるのならば、きっとそうだ。
先日手入れして貰ったから右手の親指だってボロボロじゃない。
囀りながら深く繋ぐついで、手の側面に親指をゆっくり這わせ
君の手の造形も何となしに確認してみようかな。

「どうかなぁ。いずれにしても不出来は相手を立てる為に在る。
 僕達の在り方が誰かを理解するきっかけになるのなら、
 まあ、僕はそれで十分。親しいのは良い事だ。
 ――… あ、その意味合いの主人であっていたんだね?」

自分の主人をどう呼ぶか。
これに関しては各々の個性が出る所だろう。
ずっとの疑問が解消されて不出来な微笑みが晴れに傾き、
可哀想かどうかには首を傾ぐばかりだ。判断基準は人それぞれ。

「人間様はその手の存在を疎んじる傾向にあるものなあ。
 僕は可哀想と感じるよりは庇護欲、…というと可笑しいか。
 可愛らしい存在だと感じる、が、皆がそうではないから。
 ……君はそんな主人を愛している?主人が君を愛している?
 君がそういう類の為の存在だと言うのは一度置くとして、ね」

続きをねだる時は、また君の手を軽く揺らす。
玩具をねだる子供みたいに、ふらふら、ゆらゆら。
(-28) 2021/10/11(Mon) 19:25:42

【秘】 愛玩用 ドゥーガル → 介護用 シェルタン

「可哀想と思い続ける事によって気が楽になる事もあるだろう。
 きっと君が言っているのはそれに近い事なのだろうね」

不出来な手は指こそ長めなものの、爪も同じように少し長く、
男性的な手よりは女性的に寄っているんだろうね。
骨の凹凸の気配が薄い甲を擽りめいて触られたら小さく笑って、
そっと肩を寄せ直す。恋人同士に似た距離は随分居心地が良い。

「君が楽しいを愛すのならば、それは愛なのだろうね。
 かく言う僕も特定の誰かを愛すようには出来てないから、
 ただ気になって聞いただけに過ぎないのだけれどね?
 ――… 少しずつ?髪型とか、衣服とか、容姿とか?」

確かに君は綺麗な見た目をしているよね。
君が何をされたのか知らないのが暢気に囀って、また。
君が踏み入られるのを嫌う様子がなければ、手で続きをねだる。
(-30) 2021/10/11(Mon) 23:45:15

【秘】 愛玩用 ドゥーガル → 介護用 シェルタン

「君が愛しいと思ってくれるのなら、僕も君を愛しく思うよ。
 全てを憎むよりは愛しいと思える方がいいだろうから、
 僕は君のその考えを肯定しよう。尊重しよう。
 …愛しいものだらけなのは、良い事だね。」

少々金が乗った白い髪はきっと指通りもいい。
だが此処に来てからは主人に面倒を見られている訳ではないので
何処かしらに寝癖があったりはするのかも。

手のかかる不出来はそのままだらだらと君の方へ甘え、
髪を梳くのを更に強請って、手に手を重ねてしまおう。
面倒な恋人、不器用な恋人に程近い主人の話を聞けば、
やはり少し笑うのかも。どうしようもなさに眉も下がるだろう。

「かたちまで変えなければいけないなんて手の掛かる子だね。
 そこまで行くと手の掛かる子程可愛いというのも考えものだ。
 ―― でも、君はとことん甘やかしたのだろうね。
 身長?それとも整った手?或いはもっと他の事?
 甘やかし過ぎも毒になるとは言うけれど、……
 僕はそう思わない。なんたって愛玩用だからね。」
(-32) 2021/10/12(Tue) 0:58:03

【秘】 愛玩用 ドゥーガル → 介護用 シェルタン

君の手に導かれるままに、不出来な愛玩用の手は下へ、下へ。
指先が腹部を通り過ぎて股座へ触れた頃に、

「あれ、…シェルタン? ……??」

―― ここは廊下で友達の部屋の前だから、流石に。
制止の声は結局言わずじまいで飲み込んで、ついでに息も呑む。
触れてしまった指を一瞬ぎくりと跳ねさせる事はしたとしても
それ以上は触れず、そして引っ込めもしなかった。

出来ないというのが適当なのかもしれない。
髪を撫でる手に頭を寄せたまま 君をじっと見詰めるだけだ。
身を強張らせたまま君の言葉と行動をじっと待っているだけだ。
(-35) 2021/10/12(Tue) 15:04:10

【秘】 愛玩用 ドゥーガル → 介護用 シェルタン

解放されても暫く固まっていたけれど、笑い声を聞いている内に
こっちもおかしくなってきたもので倣うように笑い声を上げた。

「急に此処でその類の事をし始めるのかと思っちゃった。
 あははっ、でもそうか、質問の答えだったのだね?
 君の主人は何処までも貪欲でどうしようもない人だ」

―― 指先を離して今迄と同じように寄り添ったまま、
不出来な愛玩用はいつもの調子で囀り出す。
撫でる手に甘えながら此方も君の頬を指で擽り撫でよう。

「驚きはしたが大丈夫。秘密の共有をありがとう、騎士様。
 ……、…そろそろ、帰ってくるかなあ。……シロ。」

「なあ、綺麗な騎士様。一緒にここであの子を待つかい?
 はたまたもうお城に戻る気分かな。…どうしたい?」
(-38) 2021/10/12(Tue) 19:53:42

【人】 愛玩用 ドゥーガル

寂しがりな愛玩用は友が来るまで一緒に過ごしたがり、
幾つか曖昧に他愛のない話を囀り続けていたのかもしれない。

程無くして友の姿が見えれば、騎士様に懐き収めとばかりに、
改めて体温と体重を預けただろうし、騎士様の手の甲へと
ひとつ、くちづけを落とす。代わりに貰うのは頬へのキスだ。

「共に過ごしてくれてありがとうシェルタン、…騎士様。
 僕の事は此処から帰って再会した時にでも飽きる程教える。
 ……だから、必ず迎えに来てね?」

そんな甘ったるい言葉と共に、去る背を見送ったのだろう。

―― さて。ユーサネイジア。ユー。私或いは僕、…シロ。
少々血液で汚れている様子の君を低い位置から見上げよう。
扉の真横に座っている状態の不出来は、何も言わない。

怒ってなんかいないさ。ただ沈黙を保つ気分なだけ。
暇になった片手をひらひら揺らして、君の行動を待っている。
(40) 2021/10/12(Tue) 22:46:10

【人】 愛玩用 ドゥーガル

>>41
視線が前髪越しに合っても普段通り微笑むだけ。
友の言葉にどう返すべきか悩んで 間をたっぷりと取り、

「……一人でやるべき事は済んだのだろう?シロ。
 ならば今度は二人でするべき事があるとは思わない?」

そりゃあもう、色々と。数えりゃ少ないだろうが気分的には。
だからこそ片手をあの日のように不出来ながら差し出して、
取ってもらえるのを待つ。……ずっと。ずっと待っている。

「ではシロ、不出来な友の手を引いてくれ。
 君が連れて行ってくれる場所はきっと綺麗だ。
 何たって美しい髪の色をしているのだからね。
 綺麗なものは綺麗な場所へ導いてくれる筈だよ。」

あの日とそっくりそのまま、同じ言葉を囀って、
取られないならばそのまま。取られるのならば、あの通り。
不出来で暢気な愛玩用は君の手を取って立ち上がるつもりだ。

「―― あの日行った場所に、また僕を連れてって。
 僕は花冠の作り方を教えなくちゃいけないんだよ。
 他でもない君に。…友達である、シロに、必ず。」

でもまあ、やりたい事があったり時間が押しているのであれば
後回しでも構いやしないんだ。全て友である君に任せよう。
(42) 2021/10/12(Tue) 23:37:16

【秘】 愛玩用 ドゥーガル → 救済者 ユー

>>43 エピ前時空なので秘話に移行

身辺整理をする時間が取れなくなるまで連れ回すつもりはない。
いいや、ひょっとしたら あの時の冗談を思い出して
勝手に一歩先を行き君を何処かに攫うかもしれない。
その時にならねば分からん事はさて置き、手を繋ぎ返した。

さも当然のように友の指の間に指を割り込ませ、
友と呼ぶには妙な繋ぎ方のまま、廊下を過ぎて外へ出て ――

「……ユーサネイジアの独り善がりは無事に成功したのか?
 僕は、…僕達は、それが気になって仕方が無かった。
 不出来な癖に思考ばっかり捗るどうしようもない頭でね、
 君が疲れていなければ、あの綺麗な花畑までの道中に、
 独り善がりの結末、或いは最中の事を聞きたいものだ。」

新鮮と表現しても良いだろう偽の空気を偽の肺一杯に詰め込み、
不出来な愛玩用の片割れは君の横を行く。暢気に歩く。
相変わらず空も景色も見ず、綺麗な子の横顔を見ているだろう。

繋いだままの手を揺らし 時折確かめるように握り直しもする。

「自由に行動した結果、何を得たのだろう。
 何を得て、何を感じて、何を考えているのかな。
 ……まあ嫌なら僕が適当に道中囀り続けるからさ。
 気楽に考えて?断ったって、僕は君を嫌いにはならないから」
(-44) 2021/10/13(Wed) 1:35:16

【秘】 愛玩用 ドゥーガル → 救済者 ユー

崩れ掛けて解けた電気信号と電子データの最中を彷徨って
友と何処かでただの1と0になるのも良い結末かもしれない。
だがその空想はそれ以上でも以下でもない。
綺麗な子には良い結末より良い未来があるべきだ。
尤も、君は今日メンテナンスの予定があるのだけれども、

それでも。自分の綺麗な重さをあげた子だから。
自分が求めていた重さを共に探してくれた子だから。
不出来で上出来な証明の、共犯者だから。

だからこそ、繋いだままの手は離さず、一歩先を行く事はない。
不出来な友は不出来なまま君の横を行くばかり。
言葉に変わらず微笑んで 時折躓く不出来を晒して、
君に甘やかされながらゆっくりと綺麗な花畑を目指している。

「そう、ならば結果は知らない未来に託すとして、
 君自身がしたかったこと自体は此処で為された訳だ。
 ならば僕が出来る事は、行動が良い結末を為す一段に、
 君の行動自体が無駄にならないように、祈る事だけだね。
 ――きっと君の行動は無駄じゃなかったよ。シロ。大丈夫。」

不出来な自分に出来るのは、祈る事だけ。
君が帰ってくるように願った時と同じようにじっと待つだけ。
いつも通りの無責任な甘やかしかもしれないが、それだけだ。

今の時刻はどれぐらいだろう。陽は落ちているか。月は昇るか。
どうであってもそのうちに草原が遠巻きに見え始めるんだろう。

君の髪の色と同じ色合いが見え始める頃、
不出来な愛玩用は、綺麗なものを好む穏やかな狂人は、
(-46) 2021/10/13(Wed) 3:15:26

【秘】 愛玩用 ドゥーガル → 救済者 ユー

改めて君の方を見た。
君が居るから躓く事はしないよ。大丈夫。

「なあ、シロ。君がもしも、メンテナンスを嫌うなら。
 綺麗な君に花冠の作り方を教えた後に壊してあげたい。
 でもきっと君はそんな事は望まないんだろうな。残念だ。」
(-47) 2021/10/13(Wed) 3:16:52

【秘】 愛玩用 ドゥーガル → 救済者 ユー

―― 誰そ彼を過ぎ暮れて夜が明け、朝になる頃。
隣に在るものが本当に同じものであるとは限らない。
それは勿論他の者にも、この場所にも、自分自身にも言える事。

「僕はそれを望まず、望みもする。
 君には山ほど押し付けたし手を貸してもらった。
 君の時間は君のもので、君の都合はまた君のものだ。
 ―― ああ、後もう少しだね。僕が先を行ってしまおうかな」

この世の全ては曖昧であり、揺らぎのある電気信号の群れ。
揺らぎから君を手繰って攫って 手を引いて半歩先。
いつかの花畑に辿り着けばあの日と同じ場所へ君を引っ張って、
あの日自分が座っていた場所に、君を座らせようとする。

手を引き、或いは肩をそっと両手で押し
目論見が叶おうとそうでなかろうと 不出来は遠慮なく
虚構の命が崩れず咲く場所へ遠慮なく座り込もうじゃないか。

「そうだ、確かにこの場での死は仮初のものだ。同意する。
 あの時僕は意識を一度失い、死を経験したと誤認している。
 あれは まやかし だと人間様は、僕達の主人は仰るだろう。
 シロ。生きているというのは連続性だ。そうは思わない?
 君がどう思うかは分からないが、僕はそのように捉えている」

生きているというのは、連続した明日が存在すること。
この辺りは終末医療用の君の持論も聞きたいところではあるが、
一先ず、不出来は不出来に仮定と空想を重ねる事にしよう。

他愛のない言葉を囀る間に、君の手を取って。
真白な花を手折っていこう。命をひとつ、ふたつ、みっつ。
(-49) 2021/10/13(Wed) 4:38:02

【秘】 愛玩用 ドゥーガル → 救済者 ユー

手折って重ねて手折る。これも突き詰めれば無意味な行いだ。
これから話す空想と大差ない、ただの無意味な行いだろう。

不出来な空想を羽搏かせ、僕を救った君を救う方法を考える。

「連続していない状態とは単純に意識もそうなのだけれど……
 まあ例えば今ならばメンテナンスで自己の修正を行われる。
 これもまた。連続しない要因。僕はこれも死であると考える。
 何故なら今日と同じ風に電気信号が走っていないだろうから。
 肉体では仮初の死である事に違いはないが重要なのは頭だ。
 仮に君が殺した僕が、あの日の僕と違う事を話したならば。
 君は僕を完全に殺してしまった、と。認識しそうではない?」

破損によって意識が落ちれば思考も出来まい。
思考が出来ないのならばそれは死なのではないか。
真白な花を何本も手折って、…比べるべきものは、ないから。
合間に君の三つ編みを飾るリボンに手を伸ばした。

「意識を失ったままメンテナンスを受け連続性を失うのならば、
 君に仮初の死ではなく、本物の死を、与えられて、……。
 ……あまりにも空想が過ぎるかな。都合のいいものかな。
 でもね、僕の持論はこうなんだよ、シロ。
 君はこれをどう感じ、どう解釈し、どうしたいと考える?」
(-50) 2021/10/13(Wed) 4:51:42

【秘】 愛玩用 ドゥーガル → 救済者 ユー

不出来な愛玩用は饒舌に囀るのを放棄し、友の言葉を聞く。
聞く間に積み上げた偽の命と 3/4オンスの髪飾りの重さを比べ
あの日のものと同じ重さであるかどうか、確かめる。

返答の為に唇を開くのは、きっと君の言葉が丁度途切れて、
手折られた花と 髪飾りが釣り合う重さだと確かめ終えた頃だ。

君の三つ編みの尾を持ち上げ、唇での淡い触れ合いを贈り、

「―― 細かな解釈の違いはあれど結論は同じようだね。
 客観的な死と主観的な死。そして連続性の喪失。
 メンテナンスで君の連続性がただ呆気なく摘み取られるのを
 僕は善しとしない。いいや、僕達はそれは残念な事だと思う。
 綺麗な花がただ手折られるのを僕は見守るつもりはない。
 他人に手折られるぐらいならば僕が手折ろう。そういう提案。
 だが、 思い出ばかりでは寂しい。僕は寂しがり屋、で、」

満足して手を離したらば、今度は君の両手に両手を重ねよう。
背に腕を回すような格好で、半ば抱き締めるように寄り添って
甲へ掌を重ねる。綺麗な花冠の作り方を、…君に教える為に。

「君の中に3/4オンスがあれば食べてしまおうかなぁ。
 ああ、まあ、…今のこれは冗談と受け取ってもらってもいい。
 ……君が本当にこの提案を受け入れ、此処で殺されるとして、
 その後思い出以外に残るものはなんだろうなとは考えている。
 若しかしたら、メンテナンスを受けても何ら変わらないかも。
 現実で再会した君が今基準とする指針を思い出すかも、…」
(-53) 2021/10/13(Wed) 16:14:01

【秘】 愛玩用 ドゥーガル → 救済者 ユー

そういう事だって起きたりするかもしれない。
だが。言葉を一度区切ってから、花の茎を折り曲げる。
君の手をもたもたと操って 花冠を作り始めよう。
ひとつを曲げたら絡めて、もうひとつを繋いで ――

「まあ、うん。実際のところ結局僕は迷っているんだろう。
 話題の先が蛇行運転して不出来な事になっているもの。
 だが君が殺せというのであれば躊躇いなく殺すだろうね。
 誰かを救っていた君が少しでも救われるのならそれでいい。
 花冠を教え終わるまでに、君が、…今のシロが決めてくれ。」

花冠を作り終えるまでには、もう少し時間が掛かるから。
今の君がどうしたいのか、どう考えているのか。
ゆっくりと煮詰めて決めてくれたら、それがいい。

「今の僕は不出来なりに、君の為に何かしたいんだ。
 僕は綺麗な子に贈りものをするのが好きなんだよ、シロ。
 きっとこれも独り善がり。でも、……君の為になるのなら。」

贈るばかりで何も為せない愛玩用は、また花を一つ繋いだ。
(-54) 2021/10/13(Wed) 16:18:17

【秘】 愛玩用 ドゥーガル → 救済者 ユー

沈んでいくぼんやりとしたあかりの中、君に綺麗なものを教える。
右手に右手を、左手に左手を重ねて、花を繋ぐ。
言葉に肯定を、肯定に言葉を重ねて、話題も繋ごう。
君の言う事に静かに頷いて、花冠を半ばまで編み上げる。

目は相変わらず伏せ気味かもしれない、が、
自分は暢気に穏やかに囀るのが在り方だと思い出したのが
置き去りだとか喜ばしいだとか そんな言葉に普段通り微笑んだ。
陽が沈んでいくのもあるし 後ろから手を回していた状態だから、
表情なんて見えやしないんだろうが それでも、一応。

「君が置き去りにするのが嫌だというのであれば、
 僕は君に置き去りにされないように出来る限り上手くやるよ。
 それと許さない訳がないだろ、シロ。僕はそれを望んでいる。
 必ず尊い重さを見つけ出して、誰にも取られないところへ隠す。
 カンマにも触られないようなところへ。…時間が掛かっても。」

君の中には必ず綺麗な概念が隠れている筈だ。
君の連続性を摘み取り、共に在るべく善処し、それで。
あの日の安楽死のように何も問題はないな。
君も僕も救われるのならばこれがきっとハッピーエンドだ。

その後はもうこれ以上囀る必要なんて見当たらないから、
ただ黙々と君の体温を覚えながら手を動かすばかりだった。
その内に甘えて顎先を君の肩に乗せるなんてこともしただろうが
そいつだって綺麗な重さの花冠を完成させるまでのこと。

白い輪っかを作り終える頃、漸く。
不出来な君の友は身勝手に寄せていた身体を離す事になったな。
恐らく抜き取られた髪飾りと金貨を受け取るのはその直後。
(-58) 2021/10/13(Wed) 21:07:16

【秘】 愛玩用 ドゥーガル → 救済者 ユー

花冠は君の膝上に託し 受け取ったものは上着の中へ。
ゆるゆると三つ編みが解けていく髪を指で梳いてしまおう。

「ねえ、君は覚えてる?僕は君を友だと思っているんだよ。
 ユーサネイジアであろうと、ユーであろうと、僕でも私でも。
 勿論、シロである君も、全て。相容れないものじゃないさ。
 だから僕は変わらず君に同じように、同じ重さを贈る筈だ」

もう日は暮れが過ぎ 周囲も暗い。
解け掛けの電子データと信号の群れでも、
亀裂が入っていても星と月が見えたならばいいのだけれど。
どっちにしたって暫くは口を閉ざす予定の愛玩用は、

「―― 僕達の友である君が、満足するまで星を見てから
 綺麗なものを記憶にめいっぱい叩き込んで満足してから。
 殺すのはそれからにするよ。…満足したら声を掛けてくれ。
 今日の僕は何処かに行かずに、君の傍にずっといるから。」

ついでにどう殺されるのが望みか考えておいて。
普段通りの声色で穏やかに添えてから君の横に座り直す。

饒舌な愛玩用は宣言通り暫くは静かだ。
君の横顔を見るか、偽の夜空を見るか、それしかしない。
声が掛かるまでは綺麗な子と綺麗な景色を眺めているだけ。
(-59) 2021/10/13(Wed) 21:08:10

【秘】 愛玩用 ドゥーガル → 救済者 ユー

 
―― やはり殺されたくないと引き返すのなら今の内だ。
この時間が過ぎれば友の為に行動を開始する予定でいる。
 
分かっているとは思うが、救済の形は人それぞれなのだからね。
 
(-60) 2021/10/13(Wed) 21:11:07

【秘】 愛玩用 ドゥーガル → 探偵用 ジョシュア

全てが済んで日が明けた頃。
つまりは最終日の翌日に、君の部屋の扉を

こん、こん、こん、こん。
規則的に何度もノックする。

「ジョシュア兄ちゃん、居る?もう居ないかな?
 もしも居るなら戻ってしまう前に話がしたくて。
 ……君からの土産話と、君とのインタビューごっこ。
 まだしていなかったよね?記憶が確かならそうなんだけど」

君が扉を開けてくれるならば普段と変わらぬ微笑みを向けるし
君が仮にここにもう居なければ、再会を祈って帰るだけ。
仮にここに未だ居て、でも開けたくない気分であるならば……
互いの都合等もあるとは思うから無理に押し入ったりしない。
その場合もまた帰るだけだ。つまり色々君に任せた。頼んだぞ。

「後はそう、あの時の犬のお礼をきちんとしたいんだ」
(-61) 2021/10/14(Thu) 0:30:21

【秘】 愛玩用 ドゥーガル → 救済者 ユー

いつかの日とは逆。真白な花冠を友から贈られた不出来は、
少々子供じみた色に傾いたくしゃっとした笑みを浮かべた。
取り繕う様子もない、微笑みとはまた別の、心の底からの笑み。
退屈にしていた片手で数度確かめるように花の輪郭に触れ、

「僕達は君達の友だ。礼なんて必要ない。
 ああ、……君に星座を教えるには時間が足りないなぁ。残念。
 元の場所に帰ったら主人に我侭でも久々に言おうかな。
 綺麗な医療用の子をどうにかして攫えないか、なんて」

「それでね、幾つも星座を教えて、うんと長く過ごして ……」

長いようで短い時間を静かに過ごす前に 不出来な愛玩用は
独り言のように独り善がりで身勝手な空想を囀ったんだろう。

後はもう、空を見上げたり、君を見て、
何一つ言葉を発さずただ君の横に居るばかりであった。

―― 静かで穏やかな時間を区切るのは君の声。
言葉を聞き届けたら君の友は 頷きの後に注射器を手に取ろう。

返答代わりに君の片腕を取り、消毒なんて出来っこないけど
まあ、見様見真似で事を為すべく腕まくりだとか、以下略。
致死量の薬品を君にくれてやる前に ああ、そうだ、

「今日も僕がおやすみのキスをしよう。
 そして仮に君がメンテナンス後も連続した存在であるならば、
 またおはようのキスを僕に贈ってよ。あれ、嬉しかったんだ」

その場限りの癖に寂しがりの愛玩用らしく、我侭を添えた。
(-64) 2021/10/14(Thu) 3:13:40

【秘】 愛玩用 ドゥーガル → 救済者 ユー

君が拒まないならばそのまま注射をあの時のように打ち、
後は君の肩へ両手を伸ばして花畑へ押し倒してしまうだけ。
君は、何かをする時に拒んだ事はないから このまま甘えて、
君に跨るような姿勢で座ったら 薄っぺらな背中を丸めて、

―― 意識が曖昧になる前に、おやすみのキスを。
身勝手に唇に贈れたらいいのだが間に合ったかは分からないな。
結果がどうであろうと自分はもう 手術用のメスを握っている。

「おやすみ、……さようなら、シロ。
 この死がどうか大切な君にとっての救いでありますように。」

別れが済んだら、あとは君の望みを叶えるだけ。
救いがあるように祈りながら綺麗な花を手折るだけ。
君が無事に死ねるように祈りながら、銀を振り抜くだけ。
(-65) 2021/10/14(Thu) 3:16:31

【秘】 愛玩用 ドゥーガル → 救済者 ユー

―― 不出来な男が友を殺める為に狙った先は首筋だ。

無事に舐めるように銀を滑らせる事が叶ったのであれば
皮膚と肉と共に、太い血の管を裂いてしまうだろうな。

振るう軌道は真直ぐ。
互いに望んだものである以上、躊躇いなんて微塵もない。
(-66) 2021/10/14(Thu) 3:22:55

【秘】 愛玩用 ドゥーガル → 救済者 ユー

綺麗な花の命を手折って意味を成すものに綴り合せるように
君の命を真直ぐに摘み取ってから一度メスを手離し ――

熱く赤い飛沫を厭わず君をぎゅっと抱き締める。
壊れ物を扱うような丁重さは皆無。遠慮無しに君を抱き留め、
零れる命の温度を忘れない為にも、流れ出るものが薄れようと
暫くの間は宣言通り君の傍に居た。間近を独占した。
…大丈夫、傍に居る。君と僕はずっと友達だ。離しやしないよ。
いつもの無責任にも聞こえる甘ったるい声で、何度も、何度も、
それこそ君の意識が完全に落ち、連続性を失うまで、何度も、
幾度も何度も。繰り返し。壊れた機械のように呟き続けていた。

実際、ただの無責任なのかもしれない。
不出来極まる贈り物で、自己満足で、独り善がりな行動なのやも。
不思議と喪失感を覚えるよりも満たされた気分のまま、ずっと。
ずっと。君の心臓の音が失せるまで不出来にそうしていた。

いつの間にか落ちた花冠も淡い色の髪も衣服も、褐色の肌も
全てが鮮やかにで染まり切った頃に、君から離れる事になるな。

―― 真赤に染まった白い花畑と、麗らかな草原。
君の白い衣服と帽子。草原に似た紙の色。
君自身の赤に染まった安らかな表情を確かにデータに刻んでから
君に染められた不出来な狂人は手術用メスを改めて手に取った。
(-69) 2021/10/14(Thu) 5:16:31

【秘】 カンマと ドゥーガル → 救済者 ユー

「ああ、… またあの時と同じだ。
 僕は元々の体重を測るのを忘れているし、覚えちゃいない。
 …カンマ。大切な友に救いと贈りものをする手助けをしてよ。
 君を開いたあの時のように、手を取って、握っていてね。
 シロは僕と君からの贈り物も望んでいたはずなんだよ。
 だからいつかを今にする。この観測と検証をあの子に贈ろう。
 二人きりなら僕達は完全。不出来で上出来な存在になれるよ」

―― 抱き締めて傍に居るので必死だったし、盛大な出血もあり
尊い重さが失われたのかどうかはただの愛玩用には分からない。

だからこそ君の上着を取っ払い、再度メスを振るう。突き刺す。
君の表皮の先の中身を断ち、主軸となる白いものへ当たったなら
その純粋な輪郭をかりかりと銀で撫でて裂いて開いていこう。
 
食堂でパンケーキを切り分ける時よりも丁寧に確かめる。

 
不出来の癖に、二人で刃物を振るう腕だけは確かだった。
 

…………
………



随分と長い時間を掛けて、君を均等な重さに分け切った。
分けられていないのは三つ編みをしていた筈の髪の毛と
ハッピーエンドに似合いの表情を浮かべたままの頭だけ。
(-70) 2021/10/14(Thu) 5:21:00

【秘】 カンマと ドゥーガル → 救済者 ユー

白い軸は強引に折って分け、鮮やかな果実は切り分けて
無二の友である君に見合う分だけ綺麗な重さを作り上げた男は、
その内の幾つかを口に運んだ。咀嚼した。詰め込んだ。
躊躇いなく呑み込んで、体内へ隠してしまった。

吐き気を催したりはしない。
君が望むものを見合うだけ。自分達が欲しい分だけ、食らった。

―― さて。
尊ぶべき重さの幾つもを奪われない場所にしまいこんでから、
友の上着を羽織って帽子を拾って掴んだら 自分の頭に花冠を。

真赤になった花冠を乗せた狂人達は、君の首を大事に抱えて、

「ではシロ、帰ろう。僕達に任せて、迷子になんかならないよ。
 ――それにしても皆仲良くしてるかな? してるといいなぁ。
 そして僕達を出来る限り甘やかしてくれるといいなぁ。
 君の事もうんと甘やかしてくれたらいい。髪を梳いてさ、…」

普段通りの調子で生首へ話し掛けつつ立ち上がり、
二人と一人で帰路を行くべく、ゆっくり歩き出した。

君をちゃんとメンテナンスの場所へ送り届けなければならない。
だから、迷子にはならないし、今は攫ったりはしないよ。
(-71) 2021/10/14(Thu) 5:26:45
 




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