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【秘】 少年の勇気 バラニ → どこにもいない シャルロッテ「っ……そんなこと、ない……!」 君と同じ、涙を零した顔でその言葉を強く否定する。 「今の君だって、私の目にはとても目映い存在だよ…… 君のようにありたいと、君の隣に相応しくありたいと、思うほどに……」 そして訴えかける。 『女の子』でも『シャルロッテ』でもなくとも。 私には君が必要なのだと、必死に想いを込めて。 「──私も、今から君と、別の方法を試していきたいんだ……」 「一緒に行こう……私と、君とで……どうか、お願いだよ……」 (-0) 2022/05/08(Sun) 23:12:09 |
【秘】 目覚める少年 シャルロッテ → 少年の勇気 バラニ呼吸の仕方がわからなくなってしまったみたいに苦しくて、引き攣る喉から声が出ない。 『シャルロッテ』でなければ、『女の子』でなければ、やはり意味も、価値もないのだと確認した筈なのに、あなたはそうではないと言う。 喘鳴が漏れる。 諦めなければならないあなたに縋ることをやめられない。 心が離れても。受け入れられなくても。 あなたがどんな風であっても、この恋を手放すことができなかったから。 ▼ (-1) 2022/05/09(Mon) 0:20:36 |
【秘】 君と一緒に バラニ → あなたと手を繋ぐ シャルロッテ「……ありがとう」 ずっと家督を継ぐ者として相応しい男になれと言われてきた。 病気に負けるような、女になるような軟弱者は必要ないとも。 貴族の跡取りとしての『バラニ』ではもういられないだろうか。 けれど、愛する者を守れないなら立派な男になどには拘らない。 貴族であることも、男であることも、真に大切なことではないから。 それに気付かせてくれた愛おしい君に、感謝の言葉が自然と出る。 ▼ (-3) 2022/05/09(Mon) 7:53:02 |
【秘】 君と一緒に バラニ → あなたと手を繋ぐ シャルロッテ「私はもう、君を離しはしない……絶対に」 「君を守り、支え……進むための勇気を与えるよ…… 私に君が、そうしてくれるのと、同じようにね……」 「だから」 「君の名前を、教えてくれないか……私の、愛おしき人よ……」 (-4) 2022/05/09(Mon) 7:55:00 |
【秘】 あなたと手を繋ぐ シャルロッテ → 君と一緒に バラニたとえ姿かたちが変わっても、あなたがあなたであるように。 このからだが、『お母さん』からかけ離れてゆくように。 ほかの誰かにはなれないのかもしれない。 あなたの持つその病は、跡継ぎとしては致命的なものなのだろう。 それでも。 あなたがどんな病を抱えていても。 あなたがどんな姿でも。 泣いても。立ち止まっても。 少年にとっては、支え合って共に歩みたい大切な人だった。 泣きじゃくる少年は、思い通りにならない喉で、どうにか、ふるえる深呼吸をひとつ。 滲む視界のまんなかに、確かにあなたの姿を映す。 「————シャルル」 それは、会うことのできなかったお母さんが遺してくれた名前。 (-5) 2022/05/09(Mon) 11:55:42 |
【秘】 君と一緒に バラニ → あなたと手を繋ぐ シャルロッテ「シャルル……」 君から告げられる本当の名前。 同じように声を震わせながら、おうむ返しのようにその名を呼んで。 ふう、と深く息を吐き、涙で濡れた自らの頬を手の甲で拭う。 明瞭になった視界のまんなかに、確かに今の君の姿を映した。 ──胸に抱く決意を強め、君に向かって優しく微笑んで。 ▼ (-6) 2022/05/09(Mon) 22:05:21 |
バラニは、シャルロッテの頬を濡らす涙を、君がしてくれたように優しく拭って。 (a0) 2022/05/09(Mon) 22:06:29 |
バラニは、シャルロッテとお互いの唇を触れ合わせる。 (a1) 2022/05/09(Mon) 22:09:08 |
【秘】 君と一緒に バラニ → あなたと手を繋ぐ シャルロッテ「──君を愛しているよ」 言葉だけでなく、行為をもって君への気持ちを目一杯に伝えた。 (-7) 2022/05/09(Mon) 22:10:36 |
バラニは、そうした後、急に照れくさくなってきて顔を赤らめるのだった。 (a2) 2022/05/09(Mon) 22:12:07 |
【秘】 あなたと手を繋ぐ シャルロッテ → 君と一緒に バラニ自分で口にするよりも、あなたに呼ばれるその名前を、なんだか心地よく感じる。 いつもよりほっそりとした手が、たおやかな指先が頬を撫でてゆく。 少年はまだ、自らの見ている世界に違和感を覚え始めたばかりで。 あなたのことだって、知り始めたばかりだ。 それでも、この手を離さずにいられたらと思う。 「――――」 ……思って、いたら。 唇の触れ合う感触に、瞬きをひとつ。 その拍子に、目の縁に残る涙が一粒、滑り落ちて。 「……私も、あなたをあいしてる」 恥ずかしがって頬を染める様子に、思わずすこし笑ってしまった。 けれど少年は、そんなあなたをこそ愛したのだ。 (-12) 2022/05/10(Tue) 21:56:59 |