【人】 古寺 貴菜バカからの返信はなかったのでどうなったか気がかりではあるが、そんな事よりも早く帰って横になりたかった。 手早く駅弁を二つ平らげ、鞄の中身をいつもの鞄に移す作業をしているとき、あることに気が付く。 ペンがない。 式場を出るときクロークの引取りでサインをするときに使ってしまったところまでは覚えている。 その次に鞄を開けたのがカフェ、そして本屋、エキナカ……。 ……財布を取り出すときに落としてしまったのだろうか? カフェにペンの落し物がないか確認の電話をしようと思ったが、もうすでに閉店している。 しかたがない、幸いなことに明日は非番だ。 明日オープン時間以降に電話をかけることにし、今日はもう寝るか。 (72) 2022/10/18(Tue) 14:06:49 |
【人】 古寺 貴菜――翌日/カフェ―― ……というわけで電話で確認したところ、 ペンの忘れ物が二件あったのでどちらかがそうである可能性が高いので来てくれ といわれ、今まさに、ペンが来るのを待っているのであった。** (73) 2022/10/18(Tue) 14:09:10 |
【人】 古寺 貴菜しばらく待っていると、昨日の忘れ物の二本のペンを持った店員がやってきた。 どうも、と頭を下げ二本のペンを手に取る。 片や高そうな万年筆。 片や量産品のボールペン。 見間違えるはずもない、唯一恋人と呼べる相手からもらったもの。10年近く使っているのに未だにインクが切れない、異様に書き心地のいいボールペン。 「こっちですね」 万年筆を店員に返し、鞄の内ポケットにペンを入れる。 なお、ボールペンをくれた相手だが、結局大学進学で自然消滅し、友人に「イギリスに渡米する」と言っていたという話を聞いたっきり消息不明だ。 やつは一体アメリカに行ったのだろうか?それともイギリスに行ったのだろうか? まあなんだ……うん、バカだな。 (88) 2022/10/18(Tue) 21:57:31 |
【人】 古寺 貴菜さすがにこれだけで帰るのもアレだろう。 表のランチメニューを思い出し、そのまま注文する。 「Bセットを、ライスは2倍で……。ドリンクはウーロン茶を」 追加注文は……、後でも大丈夫だろう。** (89) 2022/10/18(Tue) 22:07:32 |
(a20) 2022/10/19(Wed) 9:09:25 |