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【赤】 手探り ノルベリ兄は笑ってる。僕は……僕も一緒に笑う。 「ワルゴ……僕も賛成だよ。まだ小さいんだし。ね」 家族を助けたい。僕たちはきっと一緒だ。 どこか壊れてしまっているところも。 「リディ……リディ。わかった。そうだね。辛い思いは短く終わらせてあげないと…… 僕、チャンスがあったら頑張るね」 どこかで2人になれる、かもしれないし。 (*0) 2022/07/23(Sat) 23:18:46 |
【秘】 命灯癒光 リーディエ → 手探り ノルノルが合わせてくれるから、少しは楽に運べただろう。 それでも力仕事は得意ではないから、時間はかかるけど。 「………えぇ、」 埋めるんだ、の言葉には短い返事。 肉体を置いてはおけないし、眠らせてあげる方がいいから。 ポケットに入れた万年筆を、形見のように。 すんなりとスコップを取りに行ってくれるのであればお礼をひとつ。 「……フィルの頭に当たらないように、布の中に」 置き場所にはそう返して、それが行われるのをみればまた移動を再開する。 暫くすれば、クロを埋めた場所である屋敷裏に。 掘られた形跡が見えるところが、クロの体がある位置だ。 (-0) 2022/07/23(Sat) 23:57:09 |
【秘】 手探り ノル → 命灯癒光 リーディエ「ううん……こう?こう入れればいっか」 お礼には首を振って、スコップを仕舞った。 そこにたどり着くまでにかなり疲弊したものの…… 「……あそこ?あの隣に埋めるの」 クロは……大きいし、穴掘るの大変だったかな。 「フィーの穴……掘るの大変だね」 どうやって手伝えばいいんだろう、と考えるのと同時に、埋めてしまうのは嫌だなとも思った。 別に繋いだこともないフィラメントの手を触る。……死んでいても、見えるところにいてくれるほうが嬉しい。 (-1) 2022/07/24(Sun) 0:53:36 |
【秘】 命灯癒光 リーディエ → 手探り ノル「……そうです」 僅かに息を切らしながら額の汗を拭う。 次に、息を整えるように大きく深呼吸。 今からやることは凄く大変だから、少しでも体力を回復しないと。 自身の能力が反映されるなら、それを使っていたのだが。 「…えぇ、でも早くしなくちゃ」 ユンのように深く掘るのは難しそうだ。 それでも 既に痛みと疲労のある体で 出来る範囲で頑張ろうと意気込んで。貴方がフィラメントの手を握るから、自然と視線はそちらに向かった。 クローディオの時は自分がこうしていた事を思い出す。 でも直ぐに視線は外れ、スコップに手を伸ばす訳だが。 そうして、赤く濡れた手でそれをしっかり握りしめて。 不慣れながらもクロの近くに新しい穴を掘り始める。 (-2) 2022/07/24(Sun) 1:35:52 |
【秘】 手探り ノル → 命灯癒光 リーディエ「……ねぇ」 掘り始めて数分だろうか。掘る様を見て、手伝えることないな、と思ったのだけれども。 「僕がやるよ」 君が大変そうで、つい提案してしまう。 ろくに掘れないと思うけど、早くしなくちゃいけないなら余計なことなんだけど。 (-3) 2022/07/24(Sun) 2:18:36 |
【秘】 命灯癒光 リーディエ → 手探り ノルここまで、目を合わせることは無かったはずだ。 クロの事から、どうしても貴方のことが憎くて。 万年筆を見て思うことも、あったし。 ザクリ。動かしていた手を止める。 少し迷うように貴方を見つめ、ゆっくりと口を開いた。 「………汚れますよ」 リディは既に血に濡れ、土に汚れ。 人より少し白く綺麗だったはずの手は、ここ数日で擦り傷も多くて。 だから。今綺麗な貴方がわざわざそうなる必要も無いと、そう思う。 でももう一押し、貴方がそれでもいいと声を上げるなら。 「………………お願いします」 と、手にしていたスコップを渡しフィラメントの横に座り込むだろう。 クロにしたように、フィルの手も握る。 温もりのない手に、悲しみが溢れて 握る手に力が入った。 (-4) 2022/07/24(Sun) 2:45:18 |
【秘】 手探り ノル → 命灯癒光 リーディエ「いいよ、気にしないよ。あとで洗ったらいい」 いつも通り、の言葉だ。外で遊んで汚れたら後で洗おうとか、よく言ったよね。僕は。 今は『いつも』ではないから不自然になる、のに気付けない。 リディはあんまり外に行かないから知らないかな。 スコップを受け取って片手と片脚で掘り始める。 土にスコップを突き立て、脚で踏み込めば痛みが走り、ぐっ、と顔に力が入る。 左腿に怪我があるから。 でもそれは我慢ができるから、何回か繰り返す。刺して、倒すように土を掘り起こして、柔らかくなった部分を穴の外に何回かに分けて運ぶ。 足元はすぐ土まみれになった。 このまま続けてもきっと穴は掘り終わらない。 (-6) 2022/07/24(Sun) 14:21:48 |
【秘】 命灯癒光 リーディエ → 手探り ノル「……………そう、ですか」 私は、皆が遊んでいる様子を木陰から眺める事も好きだった。 優しい皆は私の力を知らないから、手を伸ばしてくれて。 でもその手に触れることが出来なくて、いつも苦しかった。 だから、いつからか木陰ではなく屋敷の中から見守ったりして。 本当は寂しかった。ずっと、悲しかった。 昔を思い出して、小さく吐息を零す。 戻りたい。戻せない。…… 痛い。 フィラメントの手を握り、休憩するように座り込んでからは──ぼんやりと、ノルの姿を眺めていた。 何処か、怪我をしているのだろうか。 暫くはそうして眺めていたけど、クローディオやユングフラウと違い不慣れな自分達ではやはり時間がかかってしまう。 「…フィル、ごめんなさい」 分かっていたことだけど、力がある人を呼べばよかった。 疲れた体に鞭を打つように、もう一度と奮い立たせ。 フィラメントの手を離した。 「………代わります」 そのままその手をノルに向かって伸ばし、スコップを渡すように視線をそちらへ。 どちらがやるのもあまり変わりは無いかもしれないが……朝になる前に何とか出来たらいいなって。 (-7) 2022/07/24(Sun) 14:45:17 |
【秘】 手探り ノル → 命灯癒光 リーディエ「……うん。疲れたら教えて。かわる」 やっぱり僕じゃあんまり掘れないなって、スコップをリディに返した。リディが休んでる間に掘ったらいないよりはマシ、かな。 でも誰か呼んでこようか、とは言えない。 ……片手がうまく使えなくても、ユーとかタンジーくらい大きかったらな。 少し離れて、裏の木を見る。どこかに記録した木があるはず。全然伸びなくなっちゃってつけるのをやめてたけど、最近また測ってみて、やっぱり伸びてなかった。 あの木を見つけたら多分嫌な気分になる。同い年のみんなからどんどん離されるの、嫌だったから。 でも離されるのが嫌なくらい、大したことじゃなかったね。 リディが掘ってるのを横目に、屋敷のほうに近づいて窓のそばとか、玄関の方面とか……人の姿を探す。 ……誰か近くにいるかな?いないかな。 僕から気づかなくても向こうからは気付ける、かも。 (-9) 2022/07/24(Sun) 19:31:06 |
【赤】 手探り ノル「みんな一緒にいよう、ね」 やさしく兄の耳を塞ぐように、必ずみんなのためになるよって念押し。 僕はみんなのためにもなるって本当に信じてるし。分かってもらえなくても。 「……駄目って言わないよ?」 ぎゅっと兄の手を引っ張る。両手で掴もうと失敗して、片手は袖を掴むだけになってしまうけど。 「ベリ兄はずっと頑張ってるよ。だから今日も明日も一緒だよ。一緒に寝たい……今日は久しぶりに歌、聴きたいな」 二人で、ってことは、僕だけにってことだから。すごい我儘だ。 (*2) 2022/07/24(Sun) 20:07:15 |
【秘】 命灯癒光 リーディエ → 手探り ノル貴方の言葉に頷いて、スコップを受け取る。 クロの為の穴を掘る時、クロの真似をしてたユン。 その真似をして頑張るけど、やっぱり上手くはいかない。 それでも諦める気はなくて、よろめきながらも必死で体を動かす。 目的が無くなったら、動けなくなりそうなくらい疲れがある。 だからノルの動きもあまり見えていなくて。 どこかを見てるってことくらいしか、分からない。 「……クロ、兄様。………フィル、兄様」 大切な2人。大好きな2人。……もう誰も、 頭の中で考えるのはフィラメントの言葉。 何かあっても、見失わないように。冷静に、自己を保って。 そうすれば、きっと何かが見えるはず。 「………………怪我、」 1度手を止め、ポケットの中。万年筆を布越しに撫でる。 小さな声での囁きは、穴を掘る音できっと掻き消された。 鼓動が早いのは一体どちらの意味で? 動揺は、しない。ここ数日での出来事を頭で思考するだけ。 止めた手をまた動かして、ゆっくりと息を吐き出す。 「…ねぇ、ノル。お水を……取りにいってくれませんか」 (-10) 2022/07/24(Sun) 20:20:58 |
【秘】 手探り ノル → 命灯癒光 リーディエ「水?」 振り向く。少し近づいて。 「そっか、疲れた、よね。……ここで、待ってて」 様子を見て疲労の色を感じ取ったから、お願いしてから取りに行く。できるだけ早く走って。 右足だけでなく、今日は左足も若干引きずるようにして。 普段通りにしようとしてるけど、注意深く見るなら…… 戻ってくる時間はノルの足で、キッチンとの往復分。 リディは埋めるまで、最後まできっとやるから、少し離れても大丈夫なはず。 (-11) 2022/07/24(Sun) 21:39:25 |
【人】 手探り ノル>>0 リディと兄 「持ってきたよ……」 ジュースもあったから、水と2つ持ってきた。 大きめのコップに入れ、腕と体で挟んで。 「……! ベリ兄!」 兄の姿を見つけると駆け寄りそうになって、でも零したら危ないから……こらえた。 「リディ、どっちがいい?」 ジュースと水。運び方でちょっとぬるくなっちゃったかもしれないけど、一応氷入れてきたからまだ冷たいはず。 リディが選ばなかった方を飲もうと思ってる。 飲み物を渡したらもう1個は地面に置いて、改めて兄に飛びついているだろう。 今まで、こんなに分かりやすく兄にべったりする様子は見せたことがなかった。 (1) 2022/07/25(Mon) 1:17:39 |
【赤】 手探り ノル大好き、って言ってくれる度に、幸せな気持ちでいっぱいになる。 「僕も大好き。好き」 あんまり言いすぎると嫌かな?とか、ちょっと恥ずかしいな、とか前はあったんだけど、今はどこにもない。 日常の延長じゃないから。 「たのしみ」 でも声はやっぱり日常通りに、遊びの約束をしたときと同じだった。 この先もずっと一緒だもんね。これが新しい"いつも通り"になるの。 沈み切って息が止まっても、離さないでいるね。 (*4) 2022/07/26(Tue) 0:44:33 |
【人】 手探り ノル「穴、運んで……」 やろう、とはいうものの、運び方は兄とリディに従うだろう。運び方と上手い寝かせ方、わかんない。 「……あのね」 そうして運ぶ作業、さして時間のかからない中。 「リディはもう僕のこと嫌いだろうけど、僕はリディのこと好きだよ」 君の態度で、多分そうなんだろうなって 勝手に 結論付けてそう言った。「本当に大好き」 もう嫌われてて、これより下がないなら何言ったっていいやって思って。 リディに目は合わせないで、運ばれている死体に目を向ける。 僕、フィーには言ったっけ。 「フィーも好き……」 これじゃついでみたいって言われるかな。言ってたらいいな。 (9) 2022/07/26(Tue) 0:56:06 |
【人】 手探り ノル「……うん」 嫌いって、許さないって言われると、分かっててもすごく悲しかった。悲しかったのに、不思議とそれもそれで居心地が良くて。 この悲しさに浸り切ってしまいたくなる。 でも、続いたリディの言葉で、そうじゃなくなった。 「……そうなの?」 君は生きているから、返事がある。 一欠片でも、好きって思ってくれてたら、すごく嬉しかった。嬉しい。 「まだ……全部嫌いになってないの?喋るのも嫌じゃない?一番下じゃない?」 寝かせ終わったから、もう、穴掘りはおしまいだ。 土かけたりしなきゃいけないのかもしれないけど、それより。 やりたいこと、ぐるぐる頭の中で回っているような気がして、でも、僕に出せる答えはひとつだった。 ベリ兄がいくかな、って思ったんだけど。 「……リディ、あのね……リディともっと仲良くなりたかったな」 ふら、と立ち上がって、飛び込むように、リディに向かう。 手の中に小さい ナイフ を隠して。君が避けてたことだから、今までできなかったこと。どうして嫌なのか聞く勇気もなかったこと。 ぎゅっ、て思い切り触りたかった。これで好きが一欠片もなくなったとしても。 (12) 2022/07/26(Tue) 3:29:37 |
【人】 手探り ノル脚の傷が治って、痛みが引いていく。 この感覚と優しい光が君の秘密だったのかな。 君が話したくないわけじゃないって教えてくれたこと、君から触ってくれたこと、本当に嬉しくて、目を合わせた。 でも僕。きっと二人になってくれるってこと、利用したのかも。 「ありがとう」 君は苦しそうにも見える。痛みが何によってもたらされているかを理解しているわけではなく……ただ、終わりにしてあげたい。そう思うばかり。 手に握ったナイフを逆手にして、リディへ向ける。 何も苦しくないところで、みんなで、ずっと一緒にいたい。 ハグベリーにもよく見えただろう。 リディの背中へ、突き刺す。 (14) 2022/07/26(Tue) 13:55:10 |
ノルは、リーディエから体を離さない。 (a5) 2022/07/26(Tue) 20:33:25 |
【人】 手探り ノルぐ、と踏ん張って、リディを地面に転がさないように力を入れ、光を見て、目を細めた。 「ごめんね、痛いよね」 ベリ兄が強く叩いてるから、ナイフは刺したまま手を離して、代わりに背中をさすった。 「でも、でもこれが終わったら何も痛いことなくなるから」 今ここで起きていることが嘘みたいに、穏やかに話し、撫でる。 この先の平穏だけを望んでる。 それ以外は諦めて、心のどこも痛くないようにしてる。 「僕も同じくらい痛くして死ぬからね」 全然痛くないようにできなかったから、それくらいしっぺ返しがないと駄目かな、って思う。 みんなの分、って考えたら、それってどうすればいいのか分からないけど。 「それでね、ずっと一緒……本、全部読んだから。感想話すね」 死んだ後。会えるって思ってるから。 会えたらいいな。 もういない3人にも、リディにも、これから殺す家族にも…… (18) 2022/07/26(Tue) 23:30:16 |
【人】 手探り ノル「……?」 おもちゃ、という意味がわからなくて、唖然とした顔でそれを聞く。 リディが殴られる間、入れていた力が抜ける。 「あ……っ…………?」 リディが地面に倒れないように、とばかり考えていたから、突き飛ばされることなんか考えてなくて。 僕も地面に尻餅をついて、座り込む。 「それ、それって……?」 押し付けないでって。押し付けないでって言った。 もう痛くならないよって、ずっと一緒にいられるって言ったのに。 「……リディは、ひとりでも生きていけるの?」 ばらばらになっても大丈夫な家族がいるとは考えつかなかった。 「いたくてもだいじょうぶなの?」 どうしよう。大丈夫なんだったら。 「おとうさんに……すきじゃないっていわれても?」 小さな声で、昇る光も傷も視界に入れて。 この箱庭の神様に愛されてないって知って、それで耐えられるわけないよ。ね? (28) 2022/07/27(Wed) 2:15:17 |
【人】 手探り ノル赤い。全部リディのだけど、僕も。 まだ温かい体が、このあと冷たくなっちゃうのを知っている。 もうどうにもできないことが一番近くでわかる。 「あたりまえに、いきて……」 (いけないんだよ。邪魔しに来る人がいるの。おとうさんが呼んだの……、ただ生きてくだけでも僕ら大変なのに) 口には出さない、心の声だけ。 伝える気がないわけじゃなくて、口に出せなかっただけ。 リディがこのまま死んじゃったあとのこと考えなきゃ、ベリ兄になにか言わなきゃいけない。 のに。 右手が勝手に、抜けてどこかに落ちているはずのナイフを探す。 (僕は生きていたくないよ) (一緒に行っちゃ駄目?) リディは生きているから、言ったら返事がきてしまうから、口に出せなかった。駄目って言わるのが怖い。 近づく誰かには聞かれてしまうかもしれないけど。 (41) 2022/07/28(Thu) 0:36:06 |
【人】 手探り ノル>>43 動こうとしたのを見て、なんだろう、と思って。 「リ、ディ……リディ……」 そんなこと言ってくれると思わなくて。 表情は崩さないまま、ぱたぱた涙が溢れる。 「うん」 僕もそう。僕もそうなんだけど、簡単にそうだよって言えない。聞こえてるよってわかるように頷くだけ。 こんなに振り絞った言葉と同じなんてさ。重くて、暖かくて、こんなときなのに嬉しく思ってしまうよ。 >>42>>46 大きな声にそちらを向いた。この聞こえ方は君しかいない。 だから、あ、見つかっちゃった。と頭の、どこか冷静なところが考えていた。 「ユー、もう遅いよ」 泣いたままなのに、きっとひどく冷たい声が出ただろう。 >>45 それからタンジーも来てしまっているのを見た。 もうバレてしまうだろう。だから君へは、笑いかけた。 僕が嘘ついて、騙したんだよって。タンジーは悪くないよね。 (49) 2022/07/28(Thu) 2:48:21 |
【独】 手探り ノル血に濡れたナイフは、ひとりでに動いている。 探していたノルの右手に近づいていく。 死者には見えるだろう。運んでいるのは子供の手首だ。 噛んだようなギザギザの爪がついた4本指が、探しものを届けようとしている。 (-18) 2022/07/28(Thu) 18:07:42 |
【人】 手探り ノルリディ……動かなくなったね。近くにいるから分かる、心臓が動かなくなっているから。 羨ましい。 >>53それで、側に来たタンジーを見た。……何もしないの? タンジーがまたひどいことしないで済んでよかったって、少し思うけど。残念でもあった。 >>54>>56 ユングフラウ そんなふうにあちこちに目を向けていたけど、知っちゃった、と聞こえて、ぱっとユーを見た。 「ユー、平気なの?」 この屋敷のみんなが一番心配だったけど、君は一番心配の中の一番心配なうちの一人だった。 なのに笑ってて、クロよりなんて、難しいこと言って。 でも駄目、って言われなくて、安心した。 「ぼくもだいすき……だいすきだよ、みんな一番好き……だから」 リディを抱えたまま、ユーに身を寄せる。君の手の中に行きたい。 「だから駄目なんだよ。連れて行かれちゃう。ここにいられなくなっちゃう。みんなばらばらになっちゃう。ばらばらになって、苦しいことしかなくなって……」 そんな恐ろしいことが、遠くない未来にある。 「そんなのみんな平気じゃない、はず、だよね?だから、……」 だからみんな殺すつもりだったの。 (57) 2022/07/28(Thu) 20:09:12 |
【人】 手探り ノル>>58 ユングフラウ やっぱり大丈夫じゃないんだ、って、君を慰めるみたいに頭を撫でる。リディは君の方に寄りかかるようにして、手を空けて。 「……ぼくも、なかよしがいい……でも、ぼくが悪いってわかったらみんなは仲直りできるから……」 それくらい、仲良しだって思ってるから。あとで仲直りできるって信じたから、良くない空気にも耐えられた。 「そんなの……できる?たくさんいるのに、ぼくたちは子供で、外の人たちは大人だよ……」 昔、アベルと出かけたとき、怖かった。みんなぼくたちとは違ってて、きっと受け入れられることはなくて、でもお屋敷よりたくさんいたから。 敵うと思えないから、そんなこと、やれるとも思わなかった。 (60) 2022/07/28(Thu) 21:03:16 |