【秘】 征伐者 ヴィルヘルム → 終焉の獣 リヴァイ[達している最中の身体を内側から好き勝手嫐られれば、暴力的なオルガズムは倦怠感を引き起こす程度には続く。 蹂躙され尽くした胎内の蠕動が収まり、尾を抜き去られた後蕾は僅かに開いたままの花弁をしっとりと濡らして震えていた。 終わる頃に襲い来るのは緩やかな眠気だったが、募る熱を自覚して仕舞えばそのまま微睡むつもりにもなれず。 折り重なった四肢の下から這い出そうと考え、未だ色濃く残る革命と報復の傷痕を思い出す。それを実行する代わりに身体を起こして、抱き留めた身体をシーツの上へと引っくり返した。 肩に掛かっていたナイトガウンが滑り落ち、古傷だらけの前腕が明らかになる。] [血の匂いなど暫く懲り懲りだと思っていた筈なのに。 腐肉と汚泥を踏み締め駆け抜けた戦乱の記憶が 呼び起こされて、神経を逆立てる。 ────其れはどうしようもなく興奮を呼ぶから。] [身を捻れば、ゆるく巻き付いていた尾が脱げ落ちる様にして寝台に沈んだ。ともなれば見下ろす先にあるのは、未だ濡れそぼつ女の肢体。 既に愛撫など必要としない程の昂りに在りながら、手始めに触れたのは、未だ血の滲む脇腹の傷痕だった。] (-53) 2020/12/06(Sun) 18:38:24 |
【秘】 征伐者 ヴィルヘルム → 終焉の獣 リヴァイ[再会が叶った喜びよりも、傷だらけの姿が見るに堪えない想いの方が強いのは、呪いをかけてしまった後悔があるから。 寝台横の小さな卓上へ手を伸ばし、替えの包帯を手に取る。 従者は既に追い払ってしまったから、応急処置程度にしかならないが。傷薬を染み込ませた柔軟な布地を脇腹を覆うように巻き付け、腰で結ぼうと。] ……委ねていろ。 [奥底にあるもどかしさが苛立ちを呼ぶから、逃げようと身を捩れば引き戻す手が多少なりとも乱暴になったかも知れない。 買った女に抱く様な単純な情慾は其処にはなく。処置を済ませる間、名前の付けようがない奇妙な心持ちの正体を掴もうとしていた。 焦がれていたものが漸く眼前に現れたというのに、 彼女が自分に重ねているものは────…… 誰と抱き合っているつもりになりたかったのか 想像が付いてしまうのが、何故だか苦しくて。 (-54) 2020/12/06(Sun) 18:39:04 |
【秘】 征伐者 ヴィルヘルム → 終焉の獣 リヴァイ[押し付けられた小瓶の意味を考えない日はなかった。 交わした約束を忘れた瞬間だってなかった。 其れとこれとは関係ない話の筈なのに、その肌に触れたいと願う。この火照りを鎮めたくて仕方がない。 ────此奴がどうしようもなく欲しい。 ( 止め難いのは生存本能のせいだ。きっと。 )] [処置を終えてからも、暴れて抜け出すタイミングは何度かあっただろう。 誰かに教わった通りに体温を分け合うだけでは物足りなくて、知らない感情の原因を長旅の疲れだと結論付けた。 腰に纏わりついた儘の衣装を解き、放り出して。改めて胴体に触れていく手付きは余りにも儚げなものだった。 腹部に薄く入った縦のラインをゆっくりとなぞり、膝を立てて覆い被されば逃げ場は喪われていった。 壊さぬ様に、痛みを与えぬ様にと緩やかな動作でありながらその実、虎視眈々と光り輝く深紅は捕食者のそれである。 鯉、貂、牡鹿、梟、蟒蛇、狼、鷹。全ての獣を屠った唯一の獅子が其処にいた。] (-55) 2020/12/06(Sun) 18:40:03 |
【秘】 征伐者 ヴィルヘルム → 終焉の獣 リヴァイ[正面から見詰めた隻眼が普段通りの色に戻っている事に安堵する一方、欠けた側に増えた傷を見付けるのは早かった。 居た堪れなくなって、閉じた唇を十文字の上に寄せ、触れるだけの祝福と労りを贈る。 少なくとも娼婦の様に無碍に扱うことが有り得ないのは伝わるだろうか。 そっと身を退いて行くのと共に、膝を割り開いて張り詰めた熱を股座に直接押し付ける。伝わる質感と温もりにほんの少し切羽詰まった様な息を吐き出した。] ( 何故だろう、 ) リヴァイ。────欲しい ……此の儘では辛いだけだ、 ( ずっと“こうしたかった”と思うのは。 ) [我慢の限界だった。怒張は物欲しげに一筋の蜜を零し、欲求を言葉にしてしまえば尚更焦れったくなって、目を伏せる。 両手で大腿を一撫ですると押さえつける様に掌を置いて。心臓が喧しく、自分の脈が耳許に感じられるようだった。 かく、かくと腰が揺れれば透明な蜜を秘所へと塗り付ける。切先が入口に合わされば、その禍々しいまでの図体と硬度は嫌でも伝わるというもの。 半分閉じられた瞼に熱を帯びた深紅を宿して、視線は恐る恐る水音のする場所から彼女のかんばせへと移る。その瞳は助けを求める様でさえあった。]* (-56) 2020/12/06(Sun) 18:43:19 |
【秘】 征伐者 ヴィルヘルム → 終焉の獣 リヴァイ[揺らぐ瞳が、要領を得ない言の葉が、何を指し示しているかなど誰の目にも明らかだった。 この瞬間にも降り積もる熱に奪われていく思考は、夫婦の誓いを破る論理的な言い訳を導き出すことなど到底出来はしない。 狂おしい程に燃え上がる愛欲が、 身勝手に味わってしまえと唆す衝動が、 心を自覚出来ない儘にこの身を焦がす。 拒絶の言葉が強まれば胸が詰まるような痛みを覚えるから、少しばかり眉を下げて重い唇を開いたものだった。] おまえと約した幕引きの前に 夫婦の誓い如きが一体どんな意味を持つ? ・・ ……選ばされただけだ。あの冠と玉座に。 ( 人の心を縛らねば『王』は立てられぬ ) ( 愛そうと、歩み寄ろうと努力はした。然し…… 保身の為に投げて寄越された王族の娘に種を植え、 剰え其の心さえ此方に向かせようなどとは。 ……出来るはずがない。 それどころか食指が動かなかった。 あの 約束 が胸にあるからには。 )[ 何より、自らを化け物と称して腕に抱くこともしなかった 継母の冷たい視線と同類のものを感じてさえいたから。 ] (-65) 2020/12/07(Mon) 3:19:48 |
【秘】 征伐者 ヴィルヘルム → 終焉の獣 リヴァイ[────して、唇で触れたきめ細やかな肌の柔らかさは、尚のこと胸を締め付ける。 争い、生き抜き、吼え、滅びる運命を真に植え付けたのは 誰 ?愛しさと慈しみの証明に他ならない行為であるのに、誰かを心から愛す事さえ赦されずに縛られ続けた心には、すり替わった欲求ばかりが満ち溢れる。 愛 されたいなんて、願う事すら出来なかったのに。運命のもとに望まれて生まれた。それだけが存在価値で、立場や肩書きなどは勝手に付いて回るものだと割り切って来た。 ( だが、使命を果たして振り返ってみればどうだ。 おまえの手で終えるという未来がなければ、 人生など、運命など────全てクソ喰らえだ。 ) 一緒に生きたかった。 生まれた場所も、時代も、家柄も間違えたからには、奥底に眠る本当の願いが叶う瞬間などなく。 恐怖の最中にある心を無理矢理靡かせようとは思えない。未だ鋭い爪が残っていたとしても、縋り付く手は其の儘に。 痛みを与える事はしたくなかったが、どうあっても苦痛を伴う瞬間はある。例えば完全な純潔で迎える初夜。] (-66) 2020/12/07(Mon) 3:20:13 |
【秘】 征伐者 ヴィルヘルム → 終焉の獣 リヴァイ[僅かな声音を拾った際の感想と言えば、“人を散々辱めておいてそんな筈あるか”が一番始めだった。 然し、言われてみれば男っ気のまるでなかった寮長の背景には相応しい気もしてくる。 僅か五秒の間に数度反転を繰り返した結論は、最終的に自己申告を信じる事にした。 誰彼の踏み入った過去のない領域。それを獲られる事を快いと感じたのも束の間────かあっと顔が熱くなる。 それは一抹の幸福に浸りかけてさえいた自分がひどく恥ずかしく思えたからだった。] …………善処は、する…… [一つどころか三つ程は過程をすっ飛ばした様な返事を寄越したのも、動揺の表れ。 同時に、嚆矢の痛みは一度限とは言えども、一人では耐え難いものだという教えが息づいている証だった。 優しくしてやるともわざわざ言えなくて。その代わり、開いた脚を畳むように押し上げて。縋った手が離れないように身体を前へと倒した。] (-67) 2020/12/07(Mon) 3:20:42 |
【秘】 征伐者 ヴィルヘルム → 終焉の獣 リヴァイ[小さく俯いて加減を確かめれば、濡れた蓋を開いてその先を目指す。すっかり身体が温まっているとは言え、萎縮し強張ったそこを広げるのは至難の業。 腰を進めながら、苦しげに息を詰まらせては眉を寄せる。] ぅぐ、 息を、吸って……ゆっくり吐け。 そうだ。辛かったら強く掴んでいろ。 [時折動きを止めれば、落ち着くまでじっとさせてやる。片手で尾の付け根をさすっては深呼吸をさせて。その腹甲の上を滑るように身体を密着させていけば、一番太い箇所が何とか曲がり角を通り抜けていく。 峠を超えた安心感からか、小さな身体に凭れかかりながら、荒れた細い指先に掌を重ねた。叶うなら、その手を肩から剥がしてシーツの上で指を絡めようと。 痛みがないように馴染ませてから腰を更に寄せれば、先端が自然と最奥に触れた。緩やかに押し込んで、自分の形に変えていく。内側を広げ、拓いていく精神的な充足感があった。] (-68) 2020/12/07(Mon) 3:21:07 |
【秘】 征伐者 ヴィルヘルム → 終焉の獣 リヴァイ[根元まで埋め込んだなら、動かさない様に下肢を引っ付けたまま首筋に唇を寄せる。 本来の箇所に愛情を贈るのを躊躇った様でもあった。 小さな音を何度か鳴らし、白い肌の上に薔薇の花弁を散らす。執着の証を其処に刻んで、馴染むまでの辛抱。] ん……、 大丈夫、か。 [指先をゆるゆると動かして返答を促す。何か言葉を紡ぐ度、熱の篭った吐息が弱いところを擽るのだろう。 暫くはお互いの存在を深くまで確かめ合いながら、心が満たされるのを味わっていたい。 鼓動を数えて息を潜めるのは、彼女が命の在り処を求めたのと似ている様で目的が異なる。 もうじき尽きる命と意思とでは、この身体を引き摺って何とか生き長らえているようなもの。それでいて、今こうして傍にある温もりには心地良さを覚える。 その理由が知りたくて。 終ぞ適切な言葉を見つける事が叶わなかった、先生の最後の授業を此処で終えようと。 そうして暫く、美しく■おしい生命を包み込んでいた。]* (-69) 2020/12/07(Mon) 3:22:21 |
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