263 【ペアソロRP】配信のその先に【R18/R18G】
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視点:人 狼 墓 恋 少 霊 九 全 管
| ……。 (0) 2024/05/19(Sun) 0:00:00 |
[夢見るような心地だった。
他人の旋律をなぞるのと違って
想いを込めて弾くピアノは
こんなに気分が良いものなのだ。
……そうして興奮冷めやらぬまま
彼女のアカウントにDMを送信したのだが
気分は一転、頭から冷水を掛けられたようだった。]
返事が無い……既読にもならない
何か設定を間違えてる……?
[ソワソワと落ち着かない様子で
スマートフォンとノートPCを操作した。
新たに捨て垢を作成してそこにDMを送る。
……届いた。間違っていない。
彼女の身に何かあったのだろうか?]
[ホーム画面での投稿もリプライも無い。
暁ソウマアカウントの投稿にいいねもつかない。
いつもならまだ少し起きている筈なのに。
そう言えば……、毎週生配信の時は
投げ銭つきも通常コメントももっとくれるのに
昨日もらったのは最初のひとつだけだった。]
普段と変わらない時間に帰ってきて……
うん、そう、配信に間に合うよう
帰ってきてくれて……
それから現在までも家を出た様子はない……
[密かに仕込んだ遠隔カメラの録画を確認しても
安心は得られなかった。
誰かが侵入した形跡もなかったけれど、
死角はあるし、
部屋の中の様子までは見られないのだ。]
明かりがついたまま……?
[何事もなければ良いのだけれど
彼女は一人暮らしだから……、
もしも倒れていたら?
誰かに襲われていたら?
胸が騒ぐ。]
……いかなきゃ、
[押し潰されそうな心を押して、自宅を飛び出した。
タクシーを手配して向かうよりは走った方が早い。
SNSに上げられる写真のほんの僅かな写り込みから
住処を特定できたのだが、そこそこな近所で良かった。
地球の裏側だって、自分はきっと向かったけれど。]
はっ、はぁっ、……生きてる……?
[息を切らして飛び込んだのは彼女が住む部屋の隣──、
カメラを仕込んでいるのもここの玄関とベランダだ。
土足のまま上がり込むと、
彼女の部屋側の壁に耳を当てた。
────どうか無事でいて。]
[学生向けの建物は壁も薄いし
生まれつき耳が人より良かった。
それらに感謝する。]
……、寝息……?
ただ寝てるだけなのかな……?
[壁越しに微かな息遣いが聴こえて。
……息を長く吐き出した。
彼女は生きている。
緊張が一気に解けて、
壁に手を当てたまま重力に従って座り込む。
規則正しい音を暫く聴いて。
そのまま寝てしまった……。]
……しまった、あのまま寝てしまっ……
!!!!
[ジーンズのポケットが震えて目が覚めて、
ぼーっとしたまま取り出したスマートフォン。
「ハツナさんからメッセージが届いてます。」
……の通知に驚いて、端末を落としてしまった。
立ち所に目が覚めて、そぉ……っと、
それ以上物音をたてないよう拾い上げる。]
[拾い上げるとすぐさまDMの返事に既読をつけた。]
(返事……嬉しい。凄く丁寧だ。
一応警戒されているけど……)
[思い遣りの感じられる文面に口許が緩む。
疑われるのは覚悟の上だった。
だけど本人だと感じ取ってくれたのだろうか?
自分がそうであって欲しいと願うから
そんな風に考えてしまうのかも知れないけれど。]
[フォローリクエストは
許可も拒否もせず宙ぶらりん。
だってとても見せられたものじゃない……。*]
[髪を梳かしながら部屋に戻り、
ソファ兼用のベッドに腰を下ろす。
──そういえば、
泣きながら寝落ちたから
昨日の配信、途中までしか観れてないな。
配信の最中に寝てしまうなんて失態、
ソウマくんを好きになってから初のことだった。
三日月Tubeのメンバーシップには
当然の如く加入しているし、
コメントだって、いつもなら
もっとたくさん送っている。投げ銭も。
配信が終わった後も大抵、すぐには寝付けずに
冷めやらぬ興奮をSNSで延々と書き連ねたり
公式アカウントにリプライを送ったりしてきた。
そのまま過去の動画を巡回し始めて
気付いたら夜が明けていた、
なんてことも数知れない。
毎週欠かさずにずっとあったものが
突然なくなったら、ソウマくんも
淋しい、って思ってくれたりするのかな。]
[……まあ
10万のうちの1人が居なくなったところで
普通気付きもしないわよね、きっと。
さっきのメッセージだって
ソウマくん本人からなわけがないんだから──]
[絶叫が耳に届くが早いか
背中を預けていた壁から衝撃が伝わる。
]
(びっっっっ、くりした……)
[それはもう驚いたが……、
寸での所で声を上げずに済んだ。
こんなに勢いよくぶつけて相当痛いだろう。
きみには怪我をしてほしくない。
ああだけど、そんな風に反応して貰えて
嬉しいとも感じてしまっている。
自分はなんてやつだろうか。]
(好きだって……)
[聞いたのは何もこれ
が初めてじゃない。
朝目覚めた時など
部屋内のどこか一点に向けて
語り掛けてくれているのを
息を潜めて何度盗み聴きしてきたことか。
それでも、何度聴いても胸は高鳴るのだった。
それが秋月壮真に向けられたものではなく
暁ソウマ宛のものだったとしても。
悔やまれるのは
彼女の反応でやっと自覚したことだが
昨日と全く同じ服を着ている点。
二日連続で着続ける不潔なやつだと思われたくない。
そこには気付かないでくれると良いのだけれど。]
[またスマートフォンが震えた。
先ほど自撮りに梃子摺っている時に
早いと指摘されていたから
少し置いてから確認しようとして……、
結局一分と保たずに開いた。
自分はこんなに堪え性のない男だったのか。]
[送ってからしまったな、と少し冷静になる。
つい一度隣駅、と打ってしまったのを消して
正式な駅名に打ち直したのはよかったものの、
昨日の今日は早すぎるだろうか。
今朝DMを開封した彼女にとっては今日の今日だ。
でも、壁を隔てずに早く逢いたいから……。
冷静になっても、今日が良いという結論になる。
勿論彼女が別日を望むなら従う次第。]
[店は、何度も利用している
一見さんお断りの高級料理店だ。
顔が利くから
彼女の好きなものを
特別に用意して貰うことができるし、
……それ以外のことも。*]
[汚れを気にするどころか
自分の身を案じてくれる彼女は
なんて優しいのだろう。
彼女が向けてくれる言動の一つ一つが
自分にとってどれほど嬉しいことか
言葉で表すことは難しい。]
(ああ、華音……)
[心の中で呼ぶ名はHNではなく本名の方。
郵便受けからはみ出していた手紙を
悪いことだとは思いつつ手に取って知った。
それ以降、彼女が同じ名の曲を
リクエストしてくれることを
可愛らしく感じている。]
[ご近所さん、と言い当てられれば
ドキッとして壁越しに肩を震わせた。
休学中だが一応学生の身分であるため
借りられたこの部屋も自宅もそう遠くない。
だからこそこの出逢いは運命なのだと
思わざるを得ないのだけれど。]
(また後で、華音……)
[向こう側に彼女がいるあたりの壁を
大きな手でそっと撫でてから……、
部屋を後にした。
早く貴方に触れたいよ。]
[しかし────]
……、人がそこそこいるな……
[普段のランニングより遅い時間なので仕方がない。
昨夜は慌てて飛び出したからキャップもなかった。
足元の地面を睨むような目つきで帰路を急いだ。
今夜も周りに人はいるだろうから、慣れる他ない。]
[溜息が出る。]
(今日もかわいいな……、
今日は特にかわいい気がする……)
[学校やバイトに行く時の服装も良いのだけれど
今日は特にお洒落を決め込んでくれたようだ。
……俺のために。
俺のための華音。
自動販売機の隙間からスマートフォンのカメラで
30枚ほど連写してから……、姿を表した。]
[カノンの演奏で始まった記念の生配信。
いつもの音色とは少し違って聴こえた
ショパンのピアノ協奏曲第2番第2楽章。
SNSのアカウント名、『@Johann_Christoph_S』。
最初に見たときにはバッハかな、なんて思ったけれど
よく考えればパッヘルベルもヨハン・クリストフだ。
もしも、ソウマくんがカノンを鍵として
ハツナに連絡を取ろうとしてくれたのなら──
待ち合わせ場所に、本当に
ソウマくんが現れてくれたなら……
どうして突然声を掛けてもらえたのかは
会って話してみないと、まだわからないけれど。
……少しくらいは
自惚れちゃっても良いのかな。]
[うわーーーーーーーーーーーーーーーっっっ
本物だ本物だ本物のソウマくんだ!!!!!
えっえっちょっと待って ま!!?!!!ま
やばいやばいやばい麗しすぎるんですけど
てかなになになにその恰好聞いてない!!!
生ソウマくんのカッコよさえっっぐ……!!
現実??? ホログラムじゃなくて????
なんかいいにおいする気もする〜〜〜!!!
きゃーーー映画でしか見たことないような
優雅な会釈をごく自然に!!?
実はどこかの国の王子様なのでは!!?!?
わーーん今まで見てきたどの写真より動画より
一億倍カッコイイよーーーーーー!!!!!
好き!!!!!!!!!]
[まろやかな甘さは異物の苦さを消してくれる。
好きだと言ったわりに自分が飲むのは最初だけ……。*]
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