246 幾星霜のメモワール
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「嘘だろ、もう告白の選択肢見えてたんだけど。
もはや最近は魔女ちゃんに操を立てて、
このまま他の女の子には声を掛けないまであったのに。
いや、まだ好感度が上がればチャンスはある……。
このまま他の女の子に声を掛けずに一途で行こう……!」
硬く決意をする。滅多なことがなければ破られないだろう。
声を掛けられたら本性出ちゃうけれど。滅多です。
「あ、大丈夫だった、バラバラ死体もできなそう。
多分この分だと魔女ちゃんのとこにもこの問題届くかも。
遅かれ早かれ魔女ちゃん向きの話だし。
聞き耳も立てないからゆっくりしておいで。
こっちもこっちで楽しくやってるからさ」
飲んでも意味ない酒なんか飲みながら。
| 「えーおっちゃんコレ何してン? 宝釣り? いいじゃんたのしそ〜〜〜〜いくらァ? 2000G???? えっちょっち高くね? 品が品だから? あ、成程〜〜?? その辺のがあるなら納得だワむしろ安いまである。 へ〜〜紐引っ張ると外れて下から出てくンの」 おニューのコートに身を包んだ男が、呼び込みの声にホイホイ寄っていった。しげしげと屋台を眺めながらぺらぺらと口を回している。 「ちな一番のハズレって何? 薬草一束。 おーおー攻めてんねおっちゃん。 3回やるから5000になったりしない? しないか〜〜〜ケチ〜〜〜〜」 重さ見るのアリ??とかなんとか。一通りわちゃわちゃすれば、ひとまず一回目のチャレンジで紐を引いた。 (54)1n100(大きいほど価値が高い) → (2) 2024/01/31(Wed) 4:06:02 |
| >>2「おっ、ヒートナイフじゃん。 2000でコレは高ェけど大損ではないくらい?」 薬草よりはアタリだけど正直微妙なラインだ。 「てか俺ちゃんはいいけど子どもがこれ出したら危なくね? 子どもは2000Gのクジやらんか、それはそう」 次は重いの狙ってみっかな〜〜と口にしつつ、二回目のチャレンジ。 (11)1n100(大きいほど価値が高い) (3) 2024/01/31(Wed) 4:22:46 |
| >>3「重石つきはズルくね???????」 彼の手には逃走用アイテム・煙石が括りつけられた薬草がある。 「くっ、やっぱ下手に考えンで直感信じるべきか〜〜〜。 本気出すから待ってね、次は大当たり引いてやんよ」 シュッシュッ。特に意味なく宙にこぶしを放ち、なんとなく強くなった気分で三回目のチャレンジ。 (82)1n100(大きいほど価値が高い) → (4) 2024/01/31(Wed) 4:36:13 |
| >>4「おっこれ何の瓶? 香水? へ〜、夢見草ってアレじゃん、 この辺じゃ全然見られねェじゃんね」 群生地付近ではもっと安価だが、この辺りでの価値を考えると勝ちの部類だ。 「てかおっちゃんアンジュ嬢とかプリシラ嬢とか 知り合いだったりする? ラインナップ全体的に自然寄りじゃん、薬師? あ〜〜普通に道具屋か〜〜〜〜成程ね。 土地で価値変わるの混ぜてるのうまいワ〜〜〜」 「勝ちは勝ちだけど俺ちゃん使わんのよなにおいつくの。 え〜〜気になる人ォ? いないいない。 まぁ人にあげるンはアリだと思ったワ」 もういくらか店主とやりとりをすれば、彼は宝釣り屋台を後にしていたのだった。今度お店いくね、せんきゅ〜〜!! (5) 2024/01/31(Wed) 5:10:57 |
| シヴァは、教会で見た顔でもいないかと思いながら道を歩いている。 (a0) 2024/01/31(Wed) 5:11:13 |
「別にいいのに。あなたが一途なところで、
あたしの心は結構移ろ気よ?
これだけ話しただけでも、面白いなあとは思ったけど」
つまり、ちょっとは気に入ってるということ。
何だかんだチャンスは生まれつつあるのかもしれない。
「ああよかった。あたしにお鉢が回ってくるのはいいわ。
向いてるなら猶更……でも、ま、
埋め合わせはいつか要求すると思うから考えといてね」
魔女の小さな契約。冗談めかして言ってから、
誰かに声を掛けられたのか一度念話が途切れるだろう。
祭り初日の、朝。
「 ファリエ 」
どこからかあなたを呼ぶ声。
遅れて、雪のような白銀の髪が空気に揺れた。
「 お祭り やくそくよ 。
…… ねえ、いつからいけるかしら? 」
跳ねるような声。姿を見せた聖女の口許は笑んでいる。
待ち望んでいたと、楽しそうにくるりと回った。
「……人聞きが悪いなあ。
まるでボクが血も涙もない酷いヤツみたいに言っちゃって。
みんなが消えないように聖女様のお願いを聞いてるだけさ」
建前の上では何もやましいことはない。
自分たちのすることは世界から消えてしまう者を救うこと。
何度も祭りに参加していれば真実を知らないはずもないが、
それでも悪魔は、後ろめたさなど感じないかのように嘯く。
「この世界も悪いことばかりじゃない。
今ではすっかりこの世界に骨を埋めるつもりのやつもいる。
キミだってたくさんの人に助けられたりしてきたでしょ?」
隙の多いあなたが今まで生きてこれたのは、そうした良い縁に恵まれたからのもあるだろうと決めつけるように尋ねながら。
「寂しがる人とかもいるんじゃないかな、キミがいなくなって。
それもキミの心を引き留めるには至らなかったみたいだけど」
「リッカ?早起きだね」
朝早く孤児院の外に出て、冷たい空気で目を覚まそうと深呼吸をしていた時だ。
聞きなれた声の主は、優しい月光ではなく眩しい陽射しを反射する。
朝露のような煌めきに思わず目を細めながら、どこか違う雰囲気のあなたへと流れる髪を辿って。
「心配しないで。待ちきれないで今日来ると思ったから空けてあるよ。
あんまり待たせてたら子供の世話をしているときに出てきそうなんだもん」
こうして見ると完全に子供の引率と変わらない。
似たような対応を昨夜、興奮で眠れない子供達にしたばかり。
もう少し落ち着いてから出ようかと思っていたけれど、既に身支度は済ませている。
孤児院で完結する生活を送っているため、普段から洒落っ気など皆無に等しい。
何より道具を揃えるほどの貯えも無い。精々簡単に髪を整える程度。
「……それで?
どうして一緒にお祭りに行こうなんて言い出したか教えてくれる?」
歩き始める前にひとまず気になっていたことを聞いた。
| >>7 アンジュ 「おっ、アンジュ嬢じゃん。御機嫌よ〜〜う?」 あなたを見つければ、手を振りつつひょこひょこ軽い足取りで彼が寄ってくる。 「教会じゃ挨拶しんかったけど元気ー…ぼんやりしてんね、 言っちゃアレだけど暇してた感じ?」 何か足りてないのあったかな〜と所持品の脳内検索をかけつつ、顎に手をやり品物を見やった。 数日内に仕立てられたことが見受けられるピカピカの真新しいコートは、教会で集まった時には見えていた左腕の腕輪を隠している。 (9) 2024/01/31(Wed) 23:59:51 |
消えないように、聞いてるだけ。
何を白々しい、と敵意は刹那、苛烈さを増し、しかしその後のロキの言葉に何を焼くこともなく直ぐに淡く冷えていく。
「……それは、きっと、いてくれるけど」
まるでこちらの無情を咎めるかのような言葉に、黙して視線を俯かせる。
ロキの言うところに誤りはない。仮にも二十余年、この世界の人間として過ごしてきたのだ。少なからぬ縁というものは生じているし、マーサが惜しむ人間も、マーサを惜しんでくれる人間だっているだろう。
少なくとも、この世界に産み落としてくれた、現在も壮健な両親は自身の喪失を嘆くのには違いない。
しかし。
それでも、前の世界に帰るべき責任というものは、確かにマーサの内にはあった。
「……、そっちはどうなの、ロキ。
何回も何回も参加してるみたいだけど、いったいいつからここに居るの。……戻ることなんて、考えたこともないの?」
伏した眼差しを持ち上げて、そちらの眼をじっと伺う。
| >>10 アンジュ 「ハイハイおひさ〜! っとそうだワ、お互い聖女様の祝福 たまわったんおめでとさ〜ん!!ってね」 わーぱちぱちぱち、ひゅ〜〜!!と一通り賑やかにして。 「んー? 特にヤマ当てたわけじゃないけど〜、 自分祝いついでにエリーのとこで仕立ててもらったのサ」 曰く、前のこの規模の聖女祭りの折に出会い、その仕事ぶりを気に入っていたらしい。元々何か新しく仕立ててもらうつもりで代金を用意していたとのこと。 暇をしていたとの言葉にはうんうん頷いて聞いて。 「あーね、こういうとこじゃ 道具屋の旦那みたいに遊び心出さんと中々な〜。 宝釣りっつってあっちでくじみたいなコトしてンよ」 ヨスの旦那って言われて分かるゥ?なんて軽く投げつつ、視線は花冠たちの方へ。 → (11) 2024/02/01(Thu) 4:59:27 |
| >>10>>11 アンジュ 「あ、いいじゃんこういうの。 コレもっちょい目立つように置いといたら?」 薬草類奥めにやってー、前通った時に視線来るとこにアクセ類飾ってー、と口にしつつ物を動かすジェスチャー。許可が出れば配置換えは手伝う心算だ。 「あと香りあるといいンじゃね? 香焚いたりしてて 全然いいと思うワ。なかったらこれ使って? さっき当てたンけど俺ちゃん香りつくモン使わん方でサ」 ハイ、とガラスの小瓶をあなたに渡す。薄紫の透き通った液体は、夢見草の香水だ。 /* ・道具屋のヨスの旦那 白茶に出ている情報がすべて。 追加の設定を生やしたり、全く知らなかったりは任意に可。
・夢見草 主な産地はここよりもかなり南の熱帯地域の森。そのまま口にすると幻覚作用があるが、成分を抽出すればリラックス効果のあるよい香料になる。 今回彼が当てた香水は、この辺りでは5000G程度で取引される質と量。 (12) 2024/02/01(Thu) 5:01:21 |
「 ふふっ 本当? うれしいわ 」
くるり、くるり。
文字通り地に足もつけないで、嬉しそうに衣服を翻して。
またおんなじように、白銀の髪がきらきらと朝の冷たい空気に揺れていた。
邪気ひとつなく彩やかな、それでいてどこか澄み渡った聖女のこえ。
それはこの冬の寒空にどこか似ていた。
そんな快晴を背に、聖女はくすりと喉を鳴らす。
「 ――― 聞きたい? 」
勿体つけるみたいに、蒼の瞳を細めて。
浮かび上がったその身体が、あなたの正面でぴたりと止まった。
じいと、あなたの化粧けもない顔をその蒼に映す。
「 だって、
今年が
最後になっちゃうかもしれないでしょう? 」
―――当たり前のことみたいに、聖女はいった。
転生と、聖女祭りと、痣と。……あなたの記憶と。
そういうことが全部、その一言には内包されている。
聖女の知る限り、痣が出た人間で記憶を取り戻していないものはいない。
だから、あなたも当然。と。
あなたがそれをこれまで口にしなくとも断定するのは易く、故にこうして、あっさりと口にすることもできる。
そうして、何でもなさそうに、聖女は微笑んでいる。
「 わたし、
ファリエと お祭りが見たかったのよ 」
それだけよ、って。
そう空気に溶かして、微笑っている。
| >>15 アンジュ 格好良いと褒められれば調子に乗ってピシッとポーズを決める、がすぐに崩していた。この男はそういうテンションで長く気を張っていられない。 「あー、確かにあの形態で2000っていいとこかもしれん。 3000いくともっちょい紐硬くなりそ、あ〜いいよいいよ、 俺ちゃん何が出るかな♪の運試しがしたかっただけだし」 いいモンくじに入れてた旦那にもお礼言っといて〜!と、軽く流す。 配置換えを手伝い終えれば、その出来に指をさして満足げにしていただろう。ヨシッ、いい感じ〜!! 「や〜、改めて見てもお世辞でなくいい品だと思うぜ? 俺ちゃんにはかわい過ぎるけどサ。 …いや言うてお祭りだし冠くらいは全然アリくね?」 ン〜じゃコレとコレとォ〜〜、なんてテンションを跳ねさせて。青系統の花冠と、眠り薬や痺れ粉の類をお買い上げ。 眠りに関するものは、対敵用に常備していると以前に彼から聞いていたよりも、量と種類を揃えようとしている気がしたかもしれない。 (18) 2024/02/01(Thu) 23:13:36 |
「それ、聞いちゃう?
今回もこの祭りにいることが一番の答えでしょ?」
いまさら多くを語るまでもないことだろう。
何度も祭りに参加し、聖女からの祝福を賜っている。
それはすなわち、この世界から抜け出したいと考え続けている証左に他ならないのだから。
「いつからここに居るかなんてもう忘れちゃったよ。
うんと長生きしてると物覚えも悪くなって困るね」
こちらを伺う眼差しに返るのは、軽薄でおどけたような態度と言葉。
いつからここにいるのか、忘れたと語る口もどれほど信用できるか。
悪魔として生きてきた今生で得たものは、このようなものばかりだ。
「いっそ、何もかも全部忘れてくれれば気楽なのにね」
諦念と哀愁を帯びたこの言葉も、どれほど信じるに値するだろうか。
/*
お疲れ様です!
次回の更新が近づいてきているので襲撃についてのことを決めなければと思っております!
無慈悲な聖女様がさっそくマーサさんの証を光らせることを決めてしまったので、襲撃ロールをやるとなった場合はマーサさんの担当であったほうが良いかなと思っているのですが、いかがでしょうか?
襲撃対象も含めましてそちらにおまかせするつもりでいますが、何か相談事がありましたら何でもおっしゃっていただければと!
| >>19 アンジュ 「あー、うん。…ねっ! その時はその時でふつーに頼むワ」 配合調整の申し出に、途切れ途切れの相槌が返った。 空気が少し張ったのが感じられただろう。直前にお似合いになると思うとの感想を受けて、「俺ちゃんいつでも浮かれてますから〜」なんておどけていたのもあって。 「おっやりぃっ!! うれしいね、よっ商売上手〜っ!!」 己で作ってしまった空気感を壊すように、元以上のテンションで盛り上がって。硬貨一枚でピッタリお支払い。薬類はアイテムボックスにしまい、花冠は自分の頭にのせた。 どうよ、似合う?なんて一通りのやり取りをすれば、彼は店を去ったことだろう。お店繁盛するといいね、それではまたに、御機嫌よう。 (20) 2024/02/02(Fri) 0:57:38 |
| シヴァは、その日一日、青い花の冠をして過ごしたのだった。 (a7) 2024/02/02(Fri) 0:59:08 |
「……、だったら、他の人が帰りたい気持ちだって分かるでしょ」
その上で、彼らの願いを踏み付け蹴り飛ばし、自らの願いだけを貴ぶ。
それがマーサには、酷く恐ろしく痛ましい。何度も繰り返すのなんて、想像するだけで怖気が走る。
彼女は、自らの悪徳に寛容に出来ていなかった。今回"こちら側"に立つことになったのも、相当以上の躊躇の末だ。
尤も、決めてしまった以上、他者を顧みることこそ浅薄で傲慢なことかもしれないのだけど、マーサはその事実に思い至らない。
ただ、彼女と自分とは分かり合えない。
論議に痛む胸を疎んでそう結論づけた女は、しかし耳元に滑り込んだ最後の言葉に目を瞬かせた。
そして、ふるりと頭を振る。
「忘れたくないから、七年ごとにここに来てるんでしょう。
……どうせ、忘れたら忘れたで、正体不明の焦燥に苦しむんだと思うよ。
私がそうだったから」
――前世の記憶が戻るまでの幼少期。
年齢に似付かわしくないまでの使命感と、その使命が何なのか把握できずに不安だけを募らせていた時期を思い出した。
無意識のうちに、肩口の痣をそっと撫でる。
/*
お疲れ様です!
一発で抜かれてしまうとは……短い赤窓でした。
墓場から健闘をお祈りしています。せっかくだから村人を全滅させてくれ……!
襲撃対象については……白状しますとほかの誰とも対話ができていないため……ランダムで運のない人を襲っちゃおうかなあと思っていた次第でした。ロールと連絡は……今からです! 動きが遅くて本当に申し訳ない……。
ただ、処理順的には処刑の方が先っぽいのでロキさん襲撃の方が順番としては自然なのかな……? とも思った次第でした。
でも正直ロールで前後しそうなのでこれはどちらでも!
何よりここで死んだら仕事をしないチュートリアル狼さんになってしまう……。
ともあれ、こちらの担当で良ければランダム選出で行こうかなと思っています、とだけ! 決まったらすごい嫌そうにしながらやりますので、覚悟を見せるときとかそんなふうにそそのかして頂ければありがたいかなあと思います!
──これは、あなたが見た夢だったかもしれない。
──水晶玉を通して見た景色だったかもしれない。
──白昼夢のようなまぼろしだったかもしれない。
あなたはこの夢の光景を、音を、どのような手段で知っていても構わない。
これは、誰かに焦点を当てた夢。
ずっとずっと、この世界の外を見続けた誰かを見ている夢。
/*
主に一人称視点で描写予定です。
描写外のことは、曖昧になっているものとして
お受け取りください。例えば思考している時の声だとか。
何かあればご連絡くださいませ。
この窓が見えているあなた様方の良きようにしていただければ幸いです。
「あなた達に新しい命をプレゼントします」
突然の衝撃、転がるバス。
その次に見たのは、よくある異世界転生でありそうな空間に、
これまたご都合主義に無償で良くしてくれる女神様。
ああいや、正しくは聖女様か。
どうやら自分達はあのまま死んで、本当ならそのまま終わるはずだった。
そんなところを、聖女様が自分の世界に転生させてくれるそう。
話を聞くに、一応善意であるらしいことは理解できた。
所謂チート染みた特典だとかはないようだが、
現代日本の知識を持って渡るだけでも大きなアドバンテージだ。
異世界転生ものが流行ってどれくらいだろう?
自分が転生したら、というのは勿論考えたことがある。
正直わくわくした。まさか現実になるなんて!
とは言えその現実は、まずひとつの大問題にぶち当たったわけだが。
『幾星霜のメモワール』
自分の出生が判明してすぐ、
この世界がいくメモの世界であることが分かった。
設定が補完されていそうな部分もあるから、
正しくは似た世界なのかもしれないが、細かいことはいいだろう。
どうしてすぐに分かったかと言えば、家名に覚えがあったから。
──ミューツバイ家。
何作品目だっけな、サブイベントで黒幕だった中流貴族。
密輸+密売が名前の由来だ。ヘンキョー国ドイナーカ村だとか、
見てそのままの名称はいくメモでは度々出てくるが、
これはイベントを進めていて「おっ」となったから、結構印象に残ってる。
大問題というのは、将来的に滅びることが予想されるということ。
世代が違う可能性も考えたが、父親や兄達の名前は覚えがあるものだった。
ゲーム内では当主、妻、長男次男に末娘以外の子どもには
触れられなかったから、自分の行く末は分からない。
が、罪を犯した没落貴族の第n子が幸福になれるとは、到底思えなかった。
先ずは最低限、この世界で生き延びられる力を
つけることを第一に、勉強や鍛錬を重ねた。
時期当主にだなんてまつり上げられないように、実力は極力隠して。
何だか、ますます転生もののやれやれ系主人公っぽいな。
手を出してもバレないと思える程度に実力をつけた頃、
書庫の隠し棚を漁った際に、古代文明関連の書籍を見つけた。
そう言えば追い詰めての隠し球でロストテクノロジーを使っていたな。
書籍は古代文明の研究者の著のようで、
最初は何か使える技術や情報があればと読み進めていた。
が、途中で目的が変わった。
直接的には書いていなかったが…
…この本の著者は自分と同じく転生者らしい。
元の世界…つまり現代日本へ帰るため、研究を続けていたとのことだ。
──彼はそれを、宇宙へ行くと表現していた。
家を出て現代日本とゲームの知識で無双する。
無双なんてせず程々に楽しく一生を過ごす。
──そこに加わった、第三の選択肢。
たぶん、現代日本に戻るよりも、
人生を成功させられるのはこの世界の方だろう。
人生二周目、かつ外から知識を持ち込んでいるのだから、
当然と言えば当然だ。
それでも。
それでも、選択肢を並べて考えた時に思ったのは、
『帰りたい』ってことだった。
漫画の続きが見たい。友達とバカ騒ぎをしたい。家族に会いたい。
大それたことなんてない些細な望みだが、
俺にとっては大切だと思えることだった。
宇宙へ行くこと──それが俺の夢になった。
彼との出会いは、7年前のこの祭りの頃だった。
彼はどうやら見習いらしい様子だったが、
俺は店主の品よりも彼の品に目を引かれた。
オーダーメイドの品を頼まれて嬉しげにしていたのと同じツラを、
まさか暗殺依頼の現場で見るとは思わなかった。
──古代文明の研究者の暗殺依頼。
ゲームでは主人公の目の及ばないところで
暗殺の知らせだけを聞かされて、
それでしばらく後に実は生きていたと出てきたNPC。
どうやって助かったんだよ、ってネットで一生言われてたっけな。
放っておいても死なないかもしれない。
けど、死ぬかもしれない。
盗賊ギルドで見つけた依頼を、俺は受けた。
暗殺の偽装は初めてのことじゃない。失敗しない自信はある。
──と思って行ったらまさか他の暗殺者が、
それもついこの間知り合いになった奴がそこにいるなんて。
ふと気付くことがあって、もしかして…と名を呟いたら
どうやら合っていたらしく、爪の形で判断したと言ったら唖然とされた。
俺も正直自分でもどうかと思う。素直に気持ち悪いだろ。
なんで覚えていた? パッシブスキルのおかげだちくしょうめ。
いつもお世話になっています。
最終的に、俺の方がその場で彼に暗殺の偽装依頼をする、
というところで手を打った。
金はまた稼げる。神経は多少擦り減るが。
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