188 【身内P村】箱庭世界とリバースデイ【R18RP村】
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| (24) 2022/12/20(Tue) 1:48:24 |
| [ 手が震えた。 瞳が揺れた。 不思議と心は凪いでいた。 ただこんな時でも巡る思考が 飲み下してきた呪いの報いを突き付けて、 鉛を飲むような冷たく重い心地を催した。 違う。大丈夫だ。そんなものは関係ない。 私が今取るべき行動ははっきりしている。 あの子を、安心させてあげなきゃ。 ] (25) 2022/12/20(Tue) 1:49:10 |
|
―― 随分と身勝手な神様ですね。
[ それは、ほんの一日前のリフレイン。 ]
(26) 2022/12/20(Tue) 1:49:28 |
| ちょっと考えが合わない くらいで 「いらない」と仰りますか。 まったく、 そんなだから箱庭だって崩壊するんですよ。 そもそも魂だけ拾い上げて詰めたところで 私たちはもはや違う存在です。 あなたの「愛する子」とやらは、 箱庭とともにとっくの昔に失われていた。 カミサマがそんなこともわからないなんて、 ……いえ。そんな不完全なものが作ったから この世はそんな「醜い世界」なんでしょうね? [ そう、 人の悪い笑みを浮かべて 。 それが去り倒れ伏す抜け殻に罪はない(だろう)と 頭の片隅では思考するけれど止まらなくて 常ならぬ饒舌こそ異質であると浮き彫りにするのに そんなことにも、気付けなくて ] (27) 2022/12/20(Tue) 1:51:05 |
| [ ふっと、糸が切れた。 いつもの顔に戻って、彼女の近くに寄った。 あるいは元より近くにいたのかもしれないが ] シトラ、 … 私は、大丈夫だから。 … でも、少しだけ待ってて [ 返事を聞くより先にその髪を撫ぜた。 そうしてそのまま、すり抜けようとした **] (28) 2022/12/20(Tue) 1:51:56 |
| (a7) 2022/12/20(Tue) 1:55:27 |
[ 月には友がありました。
友とは互い大事に思い合い成り立つものに
ほかなりません。
世話を焼く、焼かれる間柄であったとしても
月もまた、友を大事に思っていました。
行動で示すことは得意ではありませんでしたが
その分、ことあるごとに言葉で、
また、不器用ながらに贈り物などをし、
己の気持ちを、伝えていたつもりでおりました。
友の持つ贈り物、ちからが、
いつしか友そのものを塗り替えてしまうと予見
していたとしても
月は教皇の、友であろうとしていたでしょう。
時折思い詰めた表情を見せることがあろうとも
苛烈な一面を見せることがあろうとも。 ]
煮えきりませんね
はっきりおっしゃいなさいな。
[ ある時、語り合いのなか決意に満ちた表情で
あなたは語ってくれようとしたのに、どこか
煮えきらないまま。取り出そうとした仕草を
見せるも、結局は出てくることはありませんでした。 ]
――違えてはいけないと誰が言ったのですか?
もういちど言うわ
はっきりおっしゃいなさいな。
貴方の願いなのでしょう
友たるわたくしが、無下にしないと
わかっていて、言うのであれば
覚悟を持って、おっしゃいなさい。
貴方とならば、刺し違える覚悟だって
わたくしには持ち合わせがありましてよ。
[ だって、貴方がそう育ててくれたのでしょう。
まるで、朝露に濡れる薔薇がきれいだったのよ、
とでも言うように、さらりとそう口にした。 ]
[ 花の世話をしたいの。
ああでも、わたくしときたら、
枯らすばかりで、ねえどうしたらいいかしら。
髪の毛が汚れてしまったの。
切ってしまおうとおもって。
え?切らずとも洗えばいいの?
じゃあ、お願いしてもいいかしら。
あなたと、わたくし。
あげればきりがないほど。
これまで話してきたじゃないの。
思い合ってきたじゃないの。
何を今更迷うことがあって?
月は呑気に微笑んでいました。 ]
[ 貴方の葛藤も、ささいな変化も、
教皇たる貴方をかたちづくるものなれば
受け入れ、たっとび、
貴方を愛した。
箱庭に住まう他の者同様
――いいえ、やはり貴方はいくらか特別に。 ]
[ ――だけど、ごめんなさいね。
わたくしは貴方を残し、死んでしまった。
死にゆく中で、貴方の言葉が
うかんでうかんで、
浮かばれなかった。 ]
ねぇ教皇、貴方はわたくしに何をねがい
なにを託したかったの
……私を、どうか
止めて欲しい?
ごめんなさいね、それはできそうにないわ
諌めて欲しい?
ごめんなさいね、それもできそうにないの
ころしてほしい?
……もっと早く、そう言ってくれれば
きっと叶えて差し上げられたのに
[ 薄れゆく意識、泥水に沈むように、
身動きが取れなくなっていく手足。
それでも最後まで、わたくしは貴方に
届かないと知って、手を伸ばしたわ。
すこしだけ、うらめしそうにね。 ]
[ 私を、どうか
ではなく、私と、どうか
と――そう言ってほしかったもの。
その未練が、うらめしさが、
月に色濃く残ってしまったのでしょうね。* ]
[『ボクたち』は結局のところ、みんなひとりでしかなかった]
[生まれたばかりの頃は、そんなこと思いもしなかったよ。
『ボクたち』は生まれた順番こそ違えど、
(そう、一番最後に生まれたのは『世界』だったね)
どこまでも幸せに暮らしていくものだと思ってた。
だけどそうじゃなかった。
神様が生み出した『ボクたち』は、一度争い始めたら、
ひとつにまとまることなく次々に死んでいく、
そういう存在でしかなかった]
[守りたい子がいた。
一緒に死んだ子たちに焦がれたこともあった。
歯車が狂っていく音を聞いた。
いつしか『審判』は狂った考えに取りつかれるようになった。
神様が望んでいるのは本当は、ひとりでも生きられる存在なんだと。
だから『月』を殺した。
もともとどこか気に食わないという感情を抱いていたうえに、
明らかにひとりでも生きられないように、『審判』の目には見えていたから。
『教皇』と一緒でない時を狙って、『月』を落っことしたのだ。
咎を追及する者達の前で、ちゃんと言ってやった。こうするのが『月』のためだったのだ、と]
[その後はというと、
人の良さをかなぐり捨てた『教皇』と色々あったような気もするし、
あとは……そう、神様が全部悪いのだと恨みをぶつけもした。
『審判』の考えていた神様の望みなんて、確証のない当て推量だったのにね。
結論から言えば『審判』はひとりぼっちで死んだ。
魂の奥底に眠る記憶は時折悪い夢となって悪さをする。
命尽きる間際に見えた記憶の中には以外にも色んな子がいたし、
みんなといるのは嫌いじゃなかったことを忘れかけて、
ひとりで死んだ記憶に囚われたままの魂は同じことを願い続けるだけだ]
“次はちゃんと、
ひとりでも大丈夫になる
んだよ” **
[── 穏やかな安寧の地、
ここに居たらきっと永遠にそう過ごせるんだろう。
別にそれも悪くはない。
『神様』の事も、『箱庭』の事も、
嫌いじゃなかったし、好きだった。
あの楽しい日々が、大好きだった。]
[愛すべき『恋人』がいて、
個性的なメンバーがいて、
気に入らないヤツもそりゃいたけれど。
『恋人』は愛しいし、
『愚者』も可愛いし、
『神様』も優しいし、
皆のやり取りも楽しいし。
だけど気付いてしまったんだ。
水面下にあるそれらの存在に。
別に誰が誰の事をどう思ってる、とか。
きちんと知っていたわけじゃない。
でも小さな衝突や残ったままの僅かな蟠り。
綺麗な景色の中にある見えない澱み。]
[どきどきした。わくわくした。
些細な悪戯を思いついた時のような、
塗りたての塗料に傷をつけるような、
新雪に最初に足跡を残すような、
未知へと踏み出す最初の一歩のような、
果物をつついて腐らせるような、
蛇の群れにねずみを投げ込むような、
リンゴを、そこに一つだけ置くような、
そんな気持ちで、
溢れだす好奇心、背徳の誘惑、
全然どうなるか解らなくって、
きっと楽しい事になると思って、
取り返しのつかない事をしたくって、
そんな時、一つの疑問も思い浮かんでしまって、
あの時、自分はそれに抗えなかった。]
「方法はいろいろ考えたんだよ。
俺もさあ、
一番効果的な方法をやりたいだろ?」
「誰がいいかなあとか、
どうするのがいいかなあ?とか?
本当にできるのかなあ?ともさ。
きちんと考えたんだよ、えらいと思わない?」
「だってこれで、
『箱庭』の『完璧』が終わったんだ、
もう22人揃う事はないからね。
これを知ったら皆どんな顔をするだろう。
これを見たら、『神様』はどう思うだろう?」
「なあ仕方がなかったんだよ。
だって楽しそうだったんだ。
見ろよ、もう『愚者』は動かない。
安らかな顔だよ、羨ましいな。
なあ、ほら、 すごいと思わないか?!
『俺たち』って、
死ねるんだ!
」
「『お前ら』も、
『誰か』を殺すことができるんだよ!」
[『神様』の事も、『箱庭』の事も、
嫌いじゃなかったし、好きだった。
あの楽しい日々が、大好きだった。
大好きだった、だけど、]
[大好きで、大好きで、大好きで、
…きっと、大嫌いだった。]
[俺の行動が切欠で、箱庭が壊れていく。
それが楽しくて仕方がなくて、
誰の死だって面白がった。
『恋人』の死に方は確かに
ちょっと残念だったけど、それだけ。
なあ神様!面白いだろう?
"俺の事を嫌いになった?"
何をしても揺らがないその様子が
何をしても愛しいというその瞳が
俺は、俺は、俺は……]
[それはきっと、自分がやった事を
親に褒めてほしい気持ちや、
親に叱ってほしい気持ちに似ていて、
俺が思う楽しい事への共感が欲しくて、
もし違うならばそれを教えてほしくて、
だったら"要らない"って言ってほしかった。
けれど神は制止する事はあったのに
崩壊していく様子を悲しんでいたのに
俺を咎める事はせず、戒めることもせず、
そのまま。]
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