【人】 宝石人 リリス−スノウとの後日談− 自分がマーリン寮でよかったと思える日が来るなんて最初は想像していませんでした。 ルームメイトも、いつか学院側であてがわれる生徒になるだろうと思っていたのです。 リリスの過去や環境の為に今までルームメイトはいませんでしたが、スノウと一緒にいたい旨を申請すると、同じ寮であるからと許可を出してもらえました。>>-108>>-112 なので、授業などで別行動する以外は基本的にスノウと一緒にいました。 誰かと約束していたり、何かやりたいことがある時はお互いに別行動をとる日もあったでしょう。>>68 そんな風に一緒の部屋で暮らし始めて、しばらく経った頃です。 その頃には、詳しい話はできませんでしたがリリスの両親は既に亡くなっている事を伝えていたでしょう。 目の前で殺されたなんてショッキングな事は言えませんでしたが、それでも "魔石を狙った人に、捕まって、それで"と 誰かの手で、と言うことは伝えました。 だから、今のリリスの保護者はパウゼ学長です。 学院にいる間は勿論のことですが、卒業してからも支援をしてもらえるとの約束がありました。 それだけ宝石人は数を減らしていたからです。 (86) 2023/06/28(Wed) 5:36:02 |
【人】 宝石人 リリス「私、色々勉強して、強くもなる。 でもね、逃げるが勝ちーって知ってるの。 だから逃げる手段、たくさん覚えるの。」 リリスは笑って伝えます。 こんなリリスだからこそ、マーリン寮だったのでしょう。 アーサー寮のみんなのように研鑽しても友のために力を振るう訳ではありません。 パーシヴァル寮のみんなのように自然と協和を重んじますが友より自分の身を守る事を優先します。 自分の力を高めながら、生き残る為に争いを避ける。そのための力を伸ばす。 リリスはその道を自然と選んでいたのです。 光で目を眩ませたり、陰に身を潜めたり。 猫猫チョーカーの一件で変身魔法にも興味を示しています。光と水の魔法を掛け合わせて、相手の目から見えなくなる魔法も考え始めました。 攻撃もできなくはないですが、あえて自分が生き残る為。逃げ切る為。 でも、今のリリスはその手の範囲を広げようとしています。 今は逃げるならスノウも一緒です。 そしていつか生まれるだろう二人の家族も。 (87) 2023/06/28(Wed) 5:36:42 |
【人】 宝石人 リリスそしてある晩、リリスは魘されていました。 お腹の奥底に自分のものだけではない魔力を感じていたリリスでしたが、それは日に日に魔力が強くなっていきました。 スノウとキスをしたり、肌を重ねたり、そんな日々の暮らしの中のことでスノウの魔力を自然と少しずつ取り入れていっていたのでしょう。 リリスの見た目こそ変わりませんが、その存在は確かにリリスの中で成長していたのです。 リリスの中にある事で、リリスの魔力もまた取り込みながら。 もしかしたら、その魔力の存在はスノウにも気づかれていたかも知れません。 それなら、リリスはちゃんと答えた事でしょう。 "スノウの魔力に染まってるよ"と。 (88) 2023/06/28(Wed) 5:37:34 |
【人】 宝石人 リリス「うう…、ん…。」 冷や汗をかきながら、まだリリスは目覚めません。 呼吸を荒くしながら、何かに耐えるように眉を顰めていました。** (89) 2023/06/28(Wed) 5:37:55 |
【人】 宝石人 リリス宝石人同士の交わりの場合、比較的魔力は混ざり易く浸透し易いそうです。 そして、その場合彼らは身籠る時期も出産の時期も選べるのだとか。 元々が少数の種族で、巡り合い自体が少ないからでしょう。 交われば魔力の珠を宿し、自身のタイミングでそれを産む。 直ぐに魔力で染めて生み出してしまうこともあれば、安全が確保されるまでその身に宿し続けることもあったそうです。 逆に、自分の命はもう保たないと、その身の魔力を全て魔力の珠へと宿し次世代に繋げることもありました。 それならば別の種族との場合はどうだったのでしょう。 (95) 2023/06/28(Wed) 15:08:40 |
【人】 宝石人 リリス−後日談− リリスの手はひんやりしており、脈拍は速くなっていました。>>92 スノウの呼びかけにピクリと瞼が震えます。 「ん……、すの、ぅ、……ぃ、る……?」 頭を左右に振りながら、薄らと瞼を上げてスノウの姿を探します。 目が覚めたからでしょう、弱々しいですがいつもの光がふんわりと戻ってきました。 視線の先にスノウの姿を見つけると、嬉しそうに笑顔も浮かびます。ただ、まだ少し辛そうです。 よく見ればその状態は魔力枯渇の症状の一つに似ているのでは無いでしょうか。 全体的に体温は低くなっていますが、下腹部に触るとそこだけ熱が高まっているのがわかるでしょう。 そこだけ、魔力が高くなっているのです。 (96) 2023/06/28(Wed) 15:09:08 |
【人】 宝石人 リリス「スノウ、ごめん、少しだけ、魔力…貸して…?」 そう懇願すると、リリスはスノウにキスを求めました。 キスか、若しくは指先などの触れた先からか。 スノウから少なく無い魔力を吸い取ってしまうと、カッ!とリリスの体が、詳細に言えば熱を帯びていた下腹部が光ります。 部屋の中に光が散りました。 けれど散った光は直ぐに収束し、50センチほどの淡い光を保つ珠がになります。 その淡い光がだんだんと治ってくると光が硬質の殻らしきものになり、二人の近くにころりと転がりました。 はあ…と、リリスは息を吐き出します。 リリスも、もしかしたらスノウも魔力が足りなくなっていると言うのに、その珠はよく見れば大量の魔力を蓄えています。 「…スノウ、これ、…この子? 出てきちゃった…ね?」 ふわっと、ではありませんでしたが。 たくさんの魔力を得ながら、確かに魔力の珠が出てきたようでした。 まるで淡く光る卵のような、魔石のような。 それではリリスの聞いた話によるならば、これから更に魔力を上げる事になるのでしょう。 魔力の珠をそっと抱き寄せて、スノウを見上げます。 (97) 2023/06/28(Wed) 15:09:43 |
【人】 宝石人 リリス「…育てちゃって、良い?」 もし可能ならば、の話でしたが、リリスはもう少し先になってからどうにかするつもりでした。 子供は欲しいけれど、子育ての環境には無いと思えていたからです。 けれど、宝石人同士なら簡単だった魔力のコントロールが上手くいかず、今回のような事になったのかもしれません。 でも、それならそれで良いよね、と。 生来呑気なリリスは、それでもおずおずとスノウに尋ねたのでした。* (98) 2023/06/28(Wed) 15:10:10 |
【人】 宝石人 リリス「うん、多分、早かったの。 早かったから、私も急に魔力を持ってかれて…。 きっと早く、出てきたかったんだと思うの。 でも、まだこの子はこれからまた魔力に染めて その魔力で、外の世界で生きられるようになる…。 ちゃんと、ヒトになってくるの。」 緩やかな手つきで珠を撫でます。それに呼応するように珠の光がほんのり強くなりました。 リリスは愛おしそうに微笑みます。 まだ、ヒトとしては生まれていない魔力の珠。 万が一の時のため、生まれ落ちても誰かからの魔力の供給が途切れてしまった時のため、多くの魔力を貯めて出てくるのでしょう。 (103) 2023/06/28(Wed) 17:19:34 |
【人】 宝石人 リリス「だから、スノウ。 …無理しないけど、頑張るし、頑張ろうね。」 スノウにもだいぶ魔力を消費させてしまったような、甘えん坊の二人の珠。 これからは二人で魔力を注ぎながら、ゆっくりと育てて行きましょう。 その魔力で成長し、薄い殻が割れたならば、今度こそ外の世界でも生きられる二人の珠がヒトの赤ん坊の姿になっているはずです。* (104) 2023/06/28(Wed) 17:19:55 |
【人】 宝石人 リリス−後日談− 「名前…、うん!どんなのが良いかな? 男の子でも女の子でも同じ名前?」 スノウの提案はとても良いものでした。>>119 けれど、この状態では男の子か女の子か分かりませんから、どちらかに偏った名前にして良いのか分かりません。 人間の場合はどうしているのでしょう? 「私の名前は、古い言葉で"夜"なんだって。 スノウは…やっぱり雪? どんな言葉が良いのかな。 みんなどんなふうに…ふぁ、あ…。」 けれど、先ほどのことで魔力をだいぶ失ったからでしょう。 寝ている途中だった事もあり、リリスは眠そうに欠伸をしました。 だからその日はまず体を休める事にして、我が子とスノウと一緒に寝たのです。 (120) 2023/06/28(Wed) 20:23:13 |
【人】 宝石人 リリス次の日、授業はお休みしました。 その代わりに我が子を傷つけないように籠を買い、柔らかい布を敷き詰め、そこに寝かせてみました。 学長にもその旨お伝えしたところ驚かれましたが反対はされませんでした。 今年度はスノウとリリスとこの子の三人でいられますから。 そんなふうに三人での物語を始めた頃。 「…そう言えば、スノウの家族って?」 そう言えば聞いてなかった気がしたのです。 名前のことも考えたいですが、自分の両親が居ないからとあまり気づいていなかったリリスは、自分の家族が増えたその段階でようやく気がついたのでした。* (121) 2023/06/28(Wed) 20:23:31 |
【人】 宝石人 リリス−後日談− 男の子の名前。女の子の名前。>>124 家族が増えることを考えるのはとても楽しい事でした。 でもその日は眠気が優って、次の日はみんなでゆっくり過ごしました。 やっぱり魔力の欠乏は辛いですからね。 そうして、色々と準備をしながらスノウの家族の話を聞いたのです。>>125 アーサー寮同士のキャメロット卒業生同士。 そして人間同士の両親のようです。 ふんふんと頷きながら聞いていると、子供が生まれたら>>126と聞かれ、目をパチパチさせました。 「うん、いつでも行きたい。 スノウが居てくれるから私幸せって言いたい。 でも、生まれてからで良いの?」 少し気になったのは、それより前でなくて良いのだろうかという事です。 キャメロットの先生になって、両親の病院をやらないと言うなら尚更です。>>127 まあ、リリスには跡を継ぐという感覚はあまりよく分かりませんでしたが、生まれる前じゃダメなの?という方が近いかも知れません。 (130) 2023/06/28(Wed) 21:57:34 |
【人】 宝石人 リリス「スノウが先生になるんなら 私もキャメロットの先生になろうかな? きっと楽しいもんね、二人で先生! 魔法楽しいし、研究も楽しいし。 それに二人とも先生ならずっと一緒。」 だよね?と、リリスは微笑みます。 ぎゅっとスノウに抱きついて、その肩に頭を寄せました。 普段からもくっつきたがりですが、昨日の今日でいつもよりもさらにそのようです。 「離れたくないの、スノウ。 出来るだけそばにいて、一緒に幸せが良い。」 だから今はとても幸せです。 いろんなことがあるとは思いますが、今はとても。 そして男の子ならスノウが、女の子ならリリスが選んだ名前と言うことにしましたが、とりあえずのこの子の呼び名はどうしよう?と尋ねました。 (131) 2023/06/28(Wed) 21:57:55 |
【人】 宝石人 リリス「冬生まれのスノウと、夜のリリスだから この状態のわたしたちの子は"ポロス"はどうかな? 北極星って意味。 …この子だけじゃなくてね。 二人の子供、増えるかも知れないでしょ?」 そしてヒトとして生まれたら、男の子と女の子の名前で選び直さないかと提案してみたのです。 賑やかな未来を想像して、ぽわぽわと桃色や橙色の光が灯っていました。* (132) 2023/06/28(Wed) 21:59:04 |
【人】 宝石人 リリス−後日談− 確かに、この子を動かして良いのかわかりません。>>136 もしお留守番させるにしても、一人にしておいて、まさかキャメロットではあり得ないと思いますが攫われてしまったらどうしましょう? 生徒たちは保護してくれる魔法も、まだ意志のあるかわからないこのこの状態では効いてくれないかもしれません。 それを思うと、連れて行くか会うのをまだにするかの二択に思えました。そして、念の為に盗難防止の魔道具も必要でしょう。早速手配しなくては。 ただ、もし両親を呼んでくれる、来てくれると言うのなら喜んで会いに行くでしょう。 だって、スノウを産み育ててくれた人たちです。 それなら、リリスにとっても大切な人たちですからね。 (140) 2023/06/28(Wed) 23:01:22 |
【人】 宝石人 リリス「そうだったんだ?ちょっと恥ずかしい…。 でも、それなら先生向いてると思うの。 私は研究者の方かなあ…あ、でもね。 ここにきた時、助かったと思ったけど、 最初はすごく心細かったの。 だから、前の私みたいな子がいたら 大丈夫だよって教えてあげたいな。」 先生になりたい理由。>>136 リリスにとってのきっかけはスノウがなるなら、スノウとの一緒に居たいからでしたが、考えてみるとそんな理由も出てきました。 過去の自分と似た境遇の子に手を差し伸べることもできますし、逃げる方法だって教えてあげられるでしょう。 逃げることは悪いことじゃないとも伝えたいのです。 ただ、それ以上のことはあまり考えていません。 まだまだ人としての常識や知識に疎いところがありますから、まずはその補強が必要でしょう。 それでもきっとなんとかなる、と楽観的に生きようとしていました。 それが、リリスの生きる力の一つでもありましたから。 (141) 2023/06/28(Wed) 23:01:43 |
【人】 宝石人 リリス−後日談・殻の割れた日− アレから、授業に出るのは控えめにしています。 なるべく二人と一緒に居たかったのもありますが、ポロスの親になったから、でもあります。 そのあたりの許可はとっていますし、講義を水晶玉を通して部屋に映し出して受けたり、図書館から本を借りてレポートを提出したりして勉強を進めています。 二人で出かける時には念入りに戸締りの魔道具を確認しましたし、時にはスリングに入れてお出かけすることもあったかもしれませんね。 学院で確認したところきちんと防護の魔法をかけてくれているそうですが>>-250それでも、と心配になってしまうのは親心というものだったのかもしれません。 そんなふうに穏やかに過ごしていた、ある寒い日のことです。 雪の降る頃、スノウの両親と出会った頃>>146でしたから、若しかしたらまだ近くに滞在していたかもしれませんね。 (175) 2023/06/29(Thu) 15:08:36 |
【人】 宝石人 リリス朝ごはんを作る為に、早めの時間にリリスは目を覚ましました。 あの日からお料理を勉強して、お互いに作るようになっていたからです。 リリスの好きな朝食はパンケーキやマフィン。それにあたたかいミルクやスープがあると嬉しいですね。 今日は簡単なスープを作ろうかと体を起こしました。 すると、ポロスがゆらゆら揺れています。 そんな事は何度かありました。ヒトなら胎動と言うのでしょう、中で動いてその動きが外に伝わって起きていたのです。 それを初めてみた時、ポロスの成長を感じてとても感動したのを覚えています。より一層ポロスが愛しくなって、キャアキャアとはしゃいでしまいました。 最近はその動きも少なく、けれど一度には大きく起こり、寄り添えばトクトクトクと小さく早い鼓動を感じるようになっていましたから、今日もそれかな?と、リリスは微笑ましく見つめてポロスをそっと撫でました。 けれど、その瞬間にぱきりと小さな音がしました。 ギョッとして手を離すと、ポロスにヒビが入っているではありませんか! (176) 2023/06/29(Thu) 15:09:09 |
【人】 宝石人 リリス「すっ!?ススススノウ!? 起きてーーーーっ!!!」 早朝から出す声のボリュームではありません。 隣に寝ているスノウを揺さぶると、ポロスを見つめながらギュッとしがみつきました。 ピシ、パキ、とポロスにどんどんヒビが増えて行きます。 ぐるんぐるんと回転するようにしながら揺れた後、とうとうひび割れから勢いよく、にょきりと小さな おてて が出てきたではありませんか。ヒビはそこから大きく広がっていきます。殻全体に細かなヒビが入ったかと思うと、パリンッ、と殻全体が細かく砕けました。 光の魔力の粒子となった小さな殻は、殻の中から出てきた、小さなものに吸い込まれて行きます。 (177) 2023/06/29(Thu) 15:10:06 |
【人】 宝石人 リリスそれは、思っていたよりも小さな、可愛らしい赤ん坊でした。 ぱっちりとした目は黄緑色、髪の色は二人に共通する黒色ですがまだぱやぱやとした産毛です。 肌の色は褐色で、つやつやむちむちしていました。 そんな子がさっきまでポロスがいた所に寝転んでいたのです。 パチパチと驚いたように瞬きした後、顔をくしゃっと歪めて火がついたように泣き出しました。 それまでは「あ、赤ちゃん…!?」と、本当に生まれた事に驚き感動に打ち震えていたリリスでしたが、泣き声を聞いてハッと我に帰ります。 (178) 2023/06/29(Thu) 15:10:34 |
【人】 宝石人 リリス「あっ、あああっ、泣かないで…っ!?」 今まで包んでいたタオルで大事に包み込み、抱き上げます。 珠として見ていたら大きく見えていたのに、こうして生まれてくると赤ん坊とはなんて小さいのでしょう。 小柄なリリスが両腕に抱えても、まだ余裕のある大きさです。 火のついたように泣いていた赤ん坊は、リリスに抱っこされると少し落ち着いたようでした。 まだ、ふえふえと頼りなげに泣いてはいますが。 「…急に殻が割れて、驚いたのかな? さ、寒く無いかな?」 オロオロとしながらもリリスは何とか我が子のお世話をしようと考えを巡らせます。 けれどオロオロしながらもどうしても笑顔が滲むのは、無事にこの子が生まれてきてくれて心の底から嬉しかったからでしょう。 (179) 2023/06/29(Thu) 15:11:11 |
【人】 宝石人 リリス−後日談・胡散臭いバイト?− ケモ耳の執事喫茶が存在する。>>152 そんな噂話を聞いたことがありました。 そしてケモ耳のメイド喫茶のアルバイトのお話がリリスのところに来たのもほぼ同時期でした。>>154 アルバイト。やった事がありません。 でも子育てするのにお金が手に入るのなら良いかもしれないと考えましたので、話にしっかりと耳を傾けました。 そもそも執事もメイドも喫茶店もいまいちリリスには理解できなかったからです。 「獣耳を生やすお洋服を着ておきゅーじするの? おきゅーじって何するの?」 お給仕。お茶やお料理を運んだり、お片づけならリリスにもできそうです。 それなら良いかも、と少し心がやりたい方に傾きました。 でも、膝枕をしたり、あーんをしたり、耳元で囁いたり、写真撮影をしたりするそうです。 その辺りまで聞いて、リリスはあれ?と首を傾げます。 (195) 2023/06/29(Thu) 17:13:27 |
【人】 宝石人 リリス「私が今聴いてるの、メイドの方? 執事の方もあるんだよね?何が違うの?」 そう、執事もメイドもよくわかっていませんでしたから聴いて見ます。 そして説明を受けた後、リリスはぷくーっと膨れてました。 (196) 2023/06/29(Thu) 17:13:49 |
【人】 宝石人 リリス「ダメ!ダメダメ!それダメー!」 だって、なんかやだったんです。 何が嫌かと言えば、もしスノウが執事喫茶でそれをやったら?と想像したらダメだったんです。 だって、執事喫茶も同じように、男性がおきゅーじするのだと説明されましたからね。 それだったら自分もダメ、と思ったようでした。 だからダメダメできない、と強く主張しての帰り道。 リリスはちょっと考えて、服飾クラブの子に声をかけました。 そして、少しお手伝いをお願いしたのです。 (197) 2023/06/29(Thu) 17:14:28 |
【人】 宝石人 リリス−後日談・胡散臭いバイト?の後の話− その日、スノウが部屋に戻ると、リリスが猫猫チョーカーを装着して待っていました。 着ているのはパフスリーブの袖の短いメイド服。 ふわふわしたミニスカートの前で手を揃えます。 「お帰りにゃさいませ、ご主人様。 ご飯にするにゃ?お風呂にするにゃ? それとも、わ・た・し?」 ちょっと恥ずかしいからか猫耳は後方に伏せています。 ゆらり、ゆらり、と尻尾は迷うように揺れていました。 服飾クラブの子からメイド服を借りられたのは良いですが、余計な知識を増やされたようです。 (198) 2023/06/29(Thu) 17:15:03 |
【人】 宝石人 リリスまあ、リリスが何をしたいかと言えば、 「ケモ耳メイド喫茶行っちゃやにゃー! ケモ耳執事喫茶で働くのもやにゃ!!!」 と言う、独占欲から来ていたのですけどね。* (199) 2023/06/29(Thu) 17:15:23 |
【人】 宝石人 リリス−後日談・執事とメイド− 可愛いと言われると恥ずかしながら嬉しくなってしまうリリスです。>>214 ふわふわと桃色の光が灯って、ふにゃんと頬が緩みます。 でも、言いたいことも伝わりましたので>>215こくこくと頷きました。 「だって、膝枕とかするにゃ? 膝枕にゃら私がするししてもらうにゃー! あーん、だって、ダメにゃの! そう言うのはリリスとするにゃ!」 ぱふぱふと自分の膝を叩きながら訴えます。 行くのもダメだし、仕事するのもダメなのです。 そう言うのは自分として欲しいと切々と訴えましたが、何やら待っていて欲しい様子。 首を傾げつつバスルームに行ったスノウを待っていました。 そうすると、出てきたスノウは珍しい格好をしていました。>>216 お嬢様と言われてパチクリと目を瞬かせます。 いつもと違った格好は新鮮で、素直に「スノウ、その格好もかっこいい!」と笑顔で伝えました。 どうやらこれが執事の格好のようです。>>217 (218) 2023/06/29(Thu) 19:08:57 |
【人】 宝石人 リリス「それにゃら良かったにゃ〜! あ、スノウはウサギにゃの?可愛い!」 先程はカッコいい評価だったのに、すぐに可愛い評価になってしまいましたが、これでも褒めているからリリスとしては問題はありません。 両手を伸ばして長い耳をふにふにと触って楽しげでしたが。 「あ、でもね? お嬢様?は、よく分かんにゃいけど 私は、スノウの…お嫁さん?だよ?」 執事喫茶やメイド喫茶のコンセプト自体よく分かってないリリスはそこが気になったようです。 少し恥ずかしそうにしながら、ちゅっと唇にキス一つ。 (219) 2023/06/29(Thu) 19:09:23 |
【人】 宝石人 リリス「だから、ご飯とお風呂の後は わ・た・し、を沢山可愛がってにゃ?」 そう言ってスリスリと、まるで本物の猫のように身体を擦り寄せて甘え始めました。 どうやら、今夜はお楽しみになりそうですね!* (220) 2023/06/29(Thu) 19:09:39 |
【人】 宝石人 リリス−後日談・ジェイデンの生まれた日− スノウが赤と黒の杖を使って部屋の温度を上げてくれます。>>224 リリスは寒くありませんでしたが、きっと何もかもが初めてのジェイデンには寒かったかも知れませんね。 そう、ジェイデンは無事に生まれてきてくれたのです。 リリスの瞳にも喜びの涙が滲みました。 それはこぼれる事なく、そっと指先で拭いましたけれど。 「うん、無事に産まれてくれて、良かった。 生まれてきてくれてありがとう、ジェイデン。」 ふと顔を上げるとスノウの目にも涙がありました。 けれどすぐに微笑んでくれました。 ええ、お互いとっても嬉しいんですよね。 リリスもとても嬉しいのです。 お腹が空いているのかも>>224と言われた事を思い出して、リリスはパジャマのボタンを外して胸の先をジェイデンの口へ寄せました。 ツンツンと突いてみると、あわわ、と慌てて探すように首を振りながら口を大きく開くジェイデンに胸の先を咥えさせます。 やっぱり、この子は食いしん坊なようです。 んく、んっく、と胸に吸い付いてやっと安心したようでした。 (228) 2023/06/29(Thu) 19:55:19 |
【人】 宝石人 リリス「上手だね…。」 自然とそんな褒め言葉が出てきます。 胸から何かを吸い出される感覚は初めてでしたが、育児の本を読んで勉強した甲斐はあったようです。 さて。これからきっと忙しくなるでしょう。 子育ても大変ですし、学生である以上勉学は一番やらなければならない事です。 スノウはキャメロットに就職が決まりましたが>>221卒業すれば教師寮に移ってしまう事になります。 ポロスの状態ではなく、ヒトの赤ん坊になった事で同じ部屋になれないかとしっかり交渉、もといお願いしてみるべきでしょう。 勉学も育児も大変ですが、きっといろんな手続きも必要なのだと思えます。 この子の存在証明だとか、あらためて一緒に暮らしていけるようにだとか。場合によっては金策だとか、スノウの家族に見せたいだとか。 けれど、きっとどうにかなると思うのです。 どうにかなる為に頑張っていきましょう。 もちろん、無理はしない範囲で。 今日だって、一緒に寄り添ってくれたスノウが朝ごはん作りをかわってくれました。 同じように、力を合わせて協力して、いろんなことを一緒に考えながらみんなと穏やかに暮らしていきたい。 リリスはあらためてそう思えたのです。 (229) 2023/06/29(Thu) 19:55:59 |
【人】 宝石人 リリス−後日談・冬より少し前の日− その日はスノウのお父さんが来る日でした。 最初はスノウとお父さんが二人で話したかったようで>>243リリスとポロスは少しお散歩です。 スリングにポロスを入れて抱き抱えながら外を歩いていました。 外は冷えていましたから、お散歩と言ってもマーリン寮の中だったりします。 「暖かくなったらお外にも行こうね。」 そんな風に話しかけながら、食堂にあるお気に入りのソファでお茶をしたり、マーリン寮にある図書室で本を探したりしながら時間を潰します。 言われていた時間を針が指すと、そろそろ戻って良いかな?と、部屋に戻ることにしました。 (254) 2023/06/29(Thu) 22:50:51 |
【人】 宝石人 リリスけれど部屋に入ろうとすると、なんだかちょっと入るのを躊躇うような、会話がまだできてないような雰囲気を感じました。>>244 時計を読み間違えてしまったのでしょうか? 扉をうっすら開いたものの、その間から聞こえた声に様子を伺います。 それでも魔力を抑えていませんでしたから、光が漏れてしまっていたのですが。 どうやらスノウのお父さんはあんまり話さない人のようです。 それか、スノウの言葉をしっかり受け止めようとしてくれているのでしょう。 少し不安になりながらも二人の様子をじっと窺います。 でも、スノウのお父さんはすんなりスノウの言葉を受け入れてくれました。>>245 さすが、スノウのお父さん。 スノウと同じでとても優しいに違いありません。 (255) 2023/06/29(Thu) 22:51:21 |
【人】 宝石人 リリス「ポロスは卵じゃなくて、 二人の魔力が混ざって生まれた魔力の珠、です。 たくさん、魔力必要だけど 今、一生懸命、二人で育て、てます。」 リリスもリリスで緊張しています。 敬語を使おうとして辿々しくなりましたが、なんとか自分なりに説明してみようとしました。 ちょっと困った顔でお父さんに近づくとその手を取ります。 そして、そっとポロスに触ってもらいました。 中からはコツコツとノックするような感覚。 それにトクトクトクと脈動が伝わるでしょう。 「わたし、スノウのこと大好きです。 スノウと一緒にいられて、家族が増えて、 とても幸せで、これからもずっと一緒がいい。 でも、スノウのお父さん。 …祝福、してくれ、ますか?」 (257) 2023/06/29(Thu) 22:52:16 |
【人】 宝石人 リリスそう言って、じっとスノウのお父さんを見つめました。 ほんの少し不安で、けれど一緒にいる事は譲りたくないという決意を秘めた瞳です。 どうしてかといえば、リリスは人間ではないからです。 普段は何とかなる、どうにかなる、頑張ろうと思ってはいますが、人の心は難しいのです。 リリスが人間ではないこと、希少種で乱獲された過去がある種であること、そんな事を理由に祝福されないとしたら悲しかったからです。 宝石人がそばにいる事で、もしスノウが危ない目に遭ったとしたら。 そんな不安も、ゼロではなかったですから。 でも、もしスノウの家族が祝福してくれたなら、認めてくれたなら、その気持ちはきっと二人の家族の強い支えになるでしょう。 出来ればそうなってほしいと言う願いから、リリスはそんな事を尋ねていたのです。* (258) 2023/06/29(Thu) 22:52:35 |
【人】 宝石人 リリス−後日談・冬より少し前の日− スノウのお父さんの目は少し怖いものでした。>>264 正直ドキドキしてしまいましたけれど、ポロスを撫でるその手は優しいものでした。>>265 それに、祝福してくれると確かに言ってくれたのです。>>264 リリスの方が、自分の未来を明るくしてもらったと言うのに。 「わ、私の方こそ明るくしてもらったの! スノウがいるから、幸せなの…。」 そう届けた声は伝わったでしょうか。 落ち着いたら、というスノウ>>265に反対なんてしません。 だって、スノウの生まれ育った場所にあってみたいですし、スノウのお母さんや兄弟にだって会ってみたいのですから。 けれどスノウのお父さんを見送った後は緊張が解けたからでしょう。 リリスもまた光の漏れ方が落ち着かないです。強まったり弱まったりチカチカとしています。 (267) 2023/06/29(Thu) 23:48:08 |
【人】 宝石人 リリス「良かったね、スノウ。 今度、お父さんにお手紙とか出して良い? なかなか会いに行けないかも知れないから お手紙でいろんなお話、してみたいな。」 もしそれを許してくれたら、四季折々に手紙を出すでしょう。 ポロスが生まれたらその成長も書き記すことでしょう。 そして日々の移り変わりのことも。 でも、今はなによりも、スノウをぎゅっと抱きしめてこう言いたかったのです。 「スノウありがとう。 …がんばりました。」* (269) 2023/06/29(Thu) 23:48:53 |
【人】 宝石人 リリス−エピローグ・私達の未来の話− あれから、とても大変だったけれどリリスは何とかキャメロットを卒業することができました。 子供を育てながら勉学を納める事は普通に学生生活をするよりもとても大変なものでしたが、それでも周囲の協力があって何とかできたのです。 オベロン様やパウゼ学長も協力してくれましたし、時にはターコイズやステラ、フォボスたちにも勉強を教わったりジェイデンを見てもらったりしながら何とか課題をこなして行ったのでした。 何より、いつだって寄り添ってくれたスノウが一番の協力者なんですけれどね。 スノウは協力者であり仲間であり、文字通り家族なのですから。 (278) 2023/06/30(Fri) 7:25:06 |
【人】 宝石人 リリスジェイデンはすくすくと育っています。 あの後に男の子も生まれたのでグレイと名付けました。 こうして学生生活を続けながら思った事がありました。 リリスは幸い、スノウと巡り会えて幸せに家族を作る事ができました。 けれど、中にはキャメロットに着いた時点で望まぬ子を宿している生徒もいるかも知れません。 または、家庭を築いてからキャメロットで改めて学びたいと言うヒトも。 リリスは特段 "自分の血を" "自分の種族を" 残したいと考えていたわけではありませんが、使命感に駆られて学生時代から子供を作ろうと考える生徒もいるかもしれません。 でもそうすると、協力してくれるパートナーがいても、勉学に励む事が大変になります。 だから、勉学に励む事もできるようにと、いわゆる保育園のような施設がキャメロットにあればと考えたのです。 学生たちが生き生きと暮らしていけるように。勉学に励めるように。 それでいて自分の大切なものを大切にしていけるように。 (279) 2023/06/30(Fri) 7:25:46 |
【人】 宝石人 リリス一口に子供を預かると言っても簡単なものではありませんし、種族も生きてきた経緯も多種多様の十人十色ですから、さらに困難を極めます。 キャメロットでは一室を借りてその預かりのエリアを作り、子供達を見ながら時間が作れるとリリス自身も様々な種族の子育ての勉強や研究をしています。 まだ、預ける子も少ないですけれどね。 保健室と情報を共有する形で、望まぬ子望んだ子関係なく悩みを受け止められる機関として動きたいと考えています。 迫害された種族の子がいたとして、リリスの境遇は理解をしやすく理解を得られやすいものでもありましたからね。 その辺りは保健室や他の先生たちと相談しながら、生徒も、その子供たちも、心を守ってケアしていきたいのです。 (280) 2023/06/30(Fri) 7:26:02 |
【人】 宝石人 リリスそして、スノウの家族とも仲良くさせてもらっています。 四季折々の手紙は勿論、スノウと予定があえば子供達を連れて遊びに行かせてもらっています。 そして宝石人の話を伝えたり、馴れ初めのことを話したり。子供の成長のことを伝えてりしたでしょう。 そしてスノウの家族のことも教えてもらいます。その土地の料理、冬はどんな風に過ごしているのか、どんなものが好きなのか、好きな花や季節のことも。 まだ少し緊張しますが、それでもだいぶ慣れてきましたし、ジェイデンはおじいちゃんのことも大好きなようです。 会いにいくたび、お父さんの表情が穏やかになっていく気がしているのは気のせいでしょうか? クリスマスの時にはまたみんな一緒に過ごしたいですね。 (281) 2023/06/30(Fri) 7:26:20 |
【人】 宝石人 リリスそして、またグランドの季節がやってきます。 スノウと遊んで、気持ちに気づいて、結ばれた思い出のイベントです。 あの日、スノウがリリスを見つけてくれなかったらどうなっていたのでしょう。 そんな事を考え、リリスは手紙を書いていたペンを置いて空をぼんやり眺めるのでした。 今は子供たちはすやすや、夢の中。** (282) 2023/06/30(Fri) 7:26:34 |
【人】 宝石人 リリス−エピローグ・私達の未来の話− ああ、なんと言う穏やかな日々なのでしょう。 昔はそんな毎日を夢見ることすらできませんでした。 生きる事に精一杯でしたし、他の世界も社会も知りませんでしたから。 自分が親になることすら想像できていなかったのです。 保育所に関しては、まだまだ勉強中です。 みんなの助けがあってもきっと学ぶ事は尽きないのでしょう。 でも、きっとそれは何事も同じなのだと思います。 スノウのように学問を教えるヒトも、その分野を究めるヒトも。 学んで、試して、試行錯誤して、より良い道を探していく。 それはやっぱりマーリン寮出身らしい気がしていました。 自分の子供達ですら、毎日が変化と驚きの連続で、日々研究とも思っているのですからね。 (295) 2023/06/30(Fri) 15:23:47 |
【人】 宝石人 リリススノウから声をかけられ>>289振り向こうとすると、頬にキスをされて微笑みが浮かびました。 隣の椅子に座るスノウに向き直ります。 毎年グランドの日には、2日開催されるうちの1日は必ず休みをとってくれるスノウに合わせてリリスも仕事を調整していました。 そしていつもなら「勿論!」だとか、「みんなで一緒にね」若しくは「今年は久しぶりに二人きりも良いかも」なんて、笑顔でその時にしたい事を伝えるのです。 けれど、そんなリリスが少しだけ視線を彷徨わせました。 ちらり。ちらり。視線を時々スノウに向ける辺り、やりたい事はあっても少し言い出しにくい内容のようです。 うーんと小さく唸って少しの間が空いた後、意を決したようにスノウと視線を合わせました。 (296) 2023/06/30(Fri) 15:24:05 |
【人】 宝石人 リリス「服飾クラブの子達がね。 私達が結婚式?してないってお話ししたら 是非やらせてくださいだって。 私たちも学生のうちに親になったし そういう子達はやる余裕ないかも知れないけど 人間には、重要な儀式の一つ?なんでしょう? だからね、今後服飾クラブの目玉のひとつにする為にも グランドで、結婚式してみませんかって。 …でもみんなに注目されちゃうから スノウは大丈夫かな、って。」 結婚式は、リリス自体がどうしても!…と言うものではありませんでした。 でも、 「旦那さんも花嫁姿見たいと思いますよ!」とか 「結婚してますってみんなにお披露目する意味もありますよ!」とか 「今後学生結婚する人たちのためにも!」とか言われると 心が揺り動いたのです。 それに、試しに見せてもらったいろんな花嫁衣装は、どれも素敵なものばかりでしたから。* (298) 2023/06/30(Fri) 15:25:16 |
【人】 宝石人 リリス−エピローグ・私達の未来の話− 「うん、私も、結婚式って知らなかった。 だから何にも気にしてなかったけど ドレス綺麗だったよ。」 確かにスノウの考えてくれている通り、宝石人である事で注目された事、特異な視線を感じた事はありました。 それが嫌だと思う事はありましたし、昔はむしろ恐ろしかったです。 けれどキャメロットに来て、優しい人たちに出会いました。 スノウがいました。魔石の為に泣けと言わない特別優しい人。リリスの涙を目的としない人。 仲の良いヒトもできました。フォボス、ターコイズ、ステラ、ユスティ、他にもたくさん。 スノウがみんなに祝福される奥さんになって欲しいと言うのも>>304お嫁さんの衣装を見たいと言ってくれるのも>>305リリスにとってはとても幸せな事なのです。 「うん、私も、お婿さんのスノウ見たい。 絶対かっこいい! そう言ってくれてよかった、スノウ、愛してる。」 幸せそうに微笑んで、リリスはスノウに口付けをしました。 ふわりふわり、穏やかな光を保ちながら。 (312) 2023/06/30(Fri) 20:55:29 |
【人】 宝石人 リリスそして、グランド当日。 真っ白な衣装に身を包むリリスの姿がありました。 胸元までをピッタリとした生地で覆い、ハイネックにした首の部分は白いレースで覆われています。 ノースリーブにした分長い手袋を付け、ドレスのスカート部分はふんわりとしたプリンセスラインです。 陽の光とリリスの光を受けて煌めくよう、細かなビーズが幾つも縫い付けられていました。 ブーケは白薔薇をメインに、空色の花が少し加えられています。 「…ふふ、緊張するね。」 そんな風に笑うリリスは、ちっとも緊張しているようには見えません。 むしろわくわくと嬉しくてたまらないと言うように、ふわふわ、ふわふわ、桃色や橙色の光を溢しています。 珍しくお化粧もして、唇は普段より艶めいたピンク色です。 (313) 2023/06/30(Fri) 20:55:45 |
【人】 宝石人 リリスジェイデンはふわふわのピンクのドレスを着てリングガールの大役です。 よちよち一生懸命に歩いてスノウにリングピローを渡して、誇らしげにスノウのお母さんのところに向ったのでしょうか。スノウの両親が来てくれたなら絶対にそうですね。 そして、グレイはお母さんの腕の中。そうでなければ、お友達の誰かに抱っこしていてもらう予定です。 バージンロードはパウゼ学長か、スノウのお父さんに一緒に歩いてもらうつもりです。 だってスノウのお父さんはリリスのお父さんにもなるからです。 服飾クラブの子達が懸命に作ってくれた長いヴェールをバージンロードに流しながら、リリスはスノウのところに辿り着くと穏やかに微笑むのでした。 そして、みんなの前で誓いのキスを交わすのです。 どんな時でも一緒だと。 どんな時でも、愛し続けるのだと。* (314) 2023/06/30(Fri) 20:56:03 |
【人】 宝石人 リリス−エピローグ・私達の未来の話− 嬉しいのです。とても嬉しいのに。 世界一素敵なお婿さんを隣に、世界一可愛いリングガールが指輪を届けてくれて、家族のいないリリスの隣をお父さんが一緒に歩いてくれて、お母さんもグレイも見守ってくれている。 知っているヒトも知らないヒトも、この結婚を祝福してくれているのだと思うと幸せすぎて涙が滲んできました。 お互いの魔力で染めた指輪をお互いの左薬指に嵌めます。 そして、あなたへの誓いの言葉を。誓いのキスを。 (326) 2023/06/30(Fri) 21:44:44 |
【人】 宝石人 リリス幸せの欠片。そんな涙の魔石を、ジェイデンが駆け寄ってきて拾い上げました。 きれー、と笑うジェイデンがなんて愛おしいんでしょう。 皆んなの拍手を受けながら、ジェイデンはスノウと手を繋いで、お母さんからグレイを受け取って抱きしめて。 そんな写真がいつしか懐かしくなる日が来るのでしょう。 そんな明るい未来を夢見て、二人は歩き出します。 これからも愛する人と、愛する家族と、末長く幸せでいられますように。* (327) 2023/06/30(Fri) 21:45:20 |
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