【人】 星見 朱里[お互い黙ってしまって。 許容できない話でもないのに…何を言えばいいのだろう。 ほとんど喋ったことのない人に。 貴重な夢の体験を共有できる人に。 …――男の人に。] は… [小さく、ほんの小さくため息が出そうになったのを、瞬時に止めて。 ため息をつくと幸せが逃げるとは、自分にとって(そして彼にとっても)大事なひとの言葉で。 ――決して逃してはならない幸せが今ここにある、と反射的に体が動いたのだ。] (19) 2021/03/12(Fri) 22:34:39 |
【人】 星見 朱里― 翌日 ― [検査は異常無く。 結果が出るまで時間がかかる項目については後日あらためて来院して聞くことになって、スムーズに退院することに。 その間、同室になっていた奏とは話をしただろうか。 顔を合わせたことが無い親友――もし話しかけていれば、お互いの正体を知り合えば、オフ会のような雰囲気になったのだろうか。 迎えに来た母親に連れられて病室を出て――廊下から彼がいるらしい病室が見えたけれど、そこに彼の姿は垣間見れたろうか。 そうならば、軽く立ち止まって髪を揺らすぐらいの会釈は見せたろう。] (23) 2021/03/12(Fri) 23:00:45 |
【人】 星見 朱里― さらにその翌日 ― ……………… その…… …気が向いちゃったの [恥ずかしさでバツが悪そうに視線を逸す姿が彼の病室に現れた。 ああ言えば当分来ないか、そもそも来ないかしか無いはずな言葉だったのに――普段の塩対応からかけ離れていることを自覚すればするほど恥ずかしい。*] (24) 2021/03/12(Fri) 23:07:03 |
【人】 星見 朱里私は… ステラの中にはいたけど、ずっと見てただけ だって…私はステラってキャラがペパムンにいるの夢を見る前から知ってるし、好きだったし… [既存のキャラだと認識していたぶん、意識が上書きされなかったのだろうか。] だから… ステラになってしまったからって、ステラの体を乗っ取るみたいなことしたくなかった [ゲームをプレイして勇者を操作するときも、勇者になりたいではなく勇者のそばにいることを思い描くから、きっと魔王になってもそういう性質が出たのかもしれない。] (31) 2021/03/13(Sat) 0:16:47 |
【人】 星見 朱里ステラは… 勇者がすぐやってきて、殺されちゃう、って知っていたけど… …でも、それが分かってても 意識を奪ってまでして、生き延びたい、なんて思ってなかったし [なんてぽつり。*] (32) 2021/03/13(Sat) 0:18:57 |
【人】 星見 朱里うーん… 生きてるのが辛い、じゃなくて 生きてる意味が分からなかった…かな? [少なくとも健康体である自分には、生きていること自体に苦しみは無い。 だから彼の前で何を吐露しても贅沢な悩みでしかないのだが…] (35) 2021/03/13(Sat) 0:54:40 |
【人】 星見 朱里でも… …今はそうは思ってないわ だって、ゲームのキャラなはずのステラがあれだけ頑張って生きていたのに、こうして現実世界で生きている自分が負けるわけにいかないもん だから、これからはこの世界に向き合おうって思う [窓の外を見やる。 何気ない、街の風景だったけれど――自分がまだ冒険していない未知の領域が広がっているのだと思えば、映り方が変わって来る。 …――そして彼に視線を移し直した。**] (36) 2021/03/13(Sat) 0:55:54 |
【人】 星見 朱里生きてるのが当然になってて、価値が分からなかった…かな 地元の土産物は別に欲しくない、みたいな ステラだって 無限に近い寿命があって、絶対に死なない強さがあった頃はそうだったわ [散った旧友たちを弔いながら、ただ勇者を待つ、それだけの時を過ごしていて。 ある日突然に死と隣り合わせになってしまって……そこから生きていることの実感と喜びを知るようになった。 贅沢な話ではあるけれど、生きるのが大変でないからそうなのだ。] 元から好きだったのもあるし……今はもうひとりの私になっちゃったしね だから、自分に顔向けできないことはしたくない、って感じかな [だから"自分"をいじめる人に愛情を覚えないわけで。 同時に、自分を助けてくれた人を悪く思うこともないわけで…という視線を返せば] (39) 2021/03/13(Sat) 8:49:15 |
【人】 星見 朱里え!? [彼が寝込んでしまった。 椅子から立ち上がってベッドを上から覗き込んで、とりあえず布団をかぶせて。 ナースコール押すべきかスイッチを見やったり、一通り慌てた。] ……ごめんなさい 気をつけるわ はぁ… [どうにか大丈夫そうなのが分かってくると、謝ってから椅子に座り直し―ー封じていた溜息を漏らした。 きっと、幸せを逃すことをしてしまったと魂が認めたのだろう。**] (40) 2021/03/13(Sat) 8:50:25 |
【人】 星見 朱里そっか… ゲームは高難度でプレイするのも楽しいけど、それでもやっぱりクリアできなきゃね… [でも人生のクリアってなんだろう。 ステラのように自分の生に明確なゴールを設けているわけではないし。] それ言うなら、私だって恥ずかしいわよ ゲームのキャラだと思ってたら春日くんだったなんて… [旅の恥はかき捨てではなかったのである。 チェスティーノと接するのは楽しかった。 けど、チェスティーノじゃない人だった。 ……春日くんのことを知りたいと思う理由のひとつはそれなのかもしれない。] (43) 2021/03/13(Sat) 11:36:01 |
【人】 星見 朱里 気をつける… けど、手術って…大丈夫なの? 危なくない? 怖くない? ホームラン打たなくていい? [別に野球やソフトボールをやっているわけではないが、手術を前にした少年への定番ネタが出てしまった。 ――手術に臨んで何か勇気付けが要るのかと思ったのかもしれない。] (44) 2021/03/13(Sat) 11:37:12 |
【人】 星見 朱里……。 うん、学校でも会えるようになれるといいね [逆に、病室で勇気付けが要るのは自分なのかもしれない。 先の見通しに明るいものを求めて、じわりと来た目元を前髪で隠しながら何度も頷いた。**] (45) 2021/03/13(Sat) 11:38:26 |
【人】 星見 朱里やろうと思えば何でもできるぐらい元気だけど… その「やろうと思う」ってのが私にはできるものじゃなかった だから私は勇者じゃないんだって、そう思ってた [一部の勇者と魔王以外、あの世界は確かにゲームのキャラらしく動きがなかった。 こうして現実世界で日々生活はしているものの、行動ルーチンが豊かになっただけであのNPCたちと自分は大差なかったのだろう。 そんな自分のままでは、生きているけれど詰んでいる、と言っても差し支えないのかもしれない。] (49) 2021/03/13(Sat) 13:25:40 |
【人】 星見 朱里たぶん… 夢じゃ、なかったんだよ 本当にあの世界で過ごしたから 春日くんも私も、現実で生きたいって思いを持ち帰ってきたんじゃないかな ……現実って言い方も、本当は間違いなのかも [腕を組むように、両手で自分の両腕をそれぞれ掴む。] (50) 2021/03/13(Sat) 13:25:59 |
【人】 星見 朱里…――本当にあったことだ、って覚えてる [夢なら脳の記憶だ…けれど、自分には身体への灯火の記憶もある。 あのときの感触を、一昨日の感触を思い出すように強めに握って。 だから忘れるわけないし、得たものは大事にしたいと前を向くと決めたんだ。] (51) 2021/03/13(Sat) 13:26:18 |
【人】 星見 朱里そっか… 春日くん、えらいんだね 自分でそれを決められて [危険がなくたって、そんな手術を受ける決心はそうそうつくものではないだろう。 アヴァロンで得たものがどれだけあったとしても、自分の心でそれを選べた彼を凄いと思った。 前を向くと決めはしたけど、じゃあ何をするのかというとまだ思いつかない状態だ。] (52) 2021/03/13(Sat) 13:26:40 |
【人】 星見 朱里ステラを守ってくれたお礼に、 春日くんの力になれたらなって思ったのだけど…… [この世界の第一号を向いて、何かできるかと思ったけれど――とりあえず必要性は薄いらしいことに勝手に肩を落とした。*] (53) 2021/03/13(Sat) 13:30:03 |
【人】 星見 朱里うーん… ステラと一緒にいたから、魔王はなんとなく分かる 上手く言えないけど、ステラは魔王で間違いないし、私から見てもチェスティーノさんは勇者寄りって思ったなぁ… …――魔王が、素敵と思うから勇者だ、とか? [なんて対極理論を繰り出してみたり。] (57) 2021/03/13(Sat) 14:27:53 |
【人】 星見 朱里それがえらいんだと思うわ 私は生きてて別に楽しくなかったけど、そこから抜け出したいとは思わなかったもの 春日くんのそういうところは本当に勇者っぽいかも? [そう思ってもできなかった彼に比べれば、自分のは贅沢な話だが。 勇気が沸かないのも身体が動かないのもそう差はないのかもしれない。] (58) 2021/03/13(Sat) 14:28:07 |
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