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【墓】 哀れな役者 フランドル──曰く。 フランドル・スキアーは、折れる事ができない。 切掛一つで忽ちに自らの命を奪う首輪を着けられても。 頭が割れるかと思うほどに思い切り殴り付けられても。 視界がぐらつき崩折れかけた所を強かに蹴り飛ばされても。 前後不覚の中、身体のあちこちが床や壁に叩き付けられても。 その背や腹や手足を骨が軋むほどに踏み躙られても。 皮膚にあかあかと灼けた鉄を押し付けられても。 悪態を吐き続けた末に毒を飲まされ喉を焼かれても。 或いは胸の悪くなるような幻覚を見せられ続けても。 フランドル・スキアーは、折れる事ができない。 (+7) 2021/12/15(Wed) 23:26:57 |
フランドルは、もっと死にたくなるような事を知っている。 (c5) 2021/12/15(Wed) 23:27:08 |
【墓】 哀れな役者 フランドルフランドル・スキアーは、折れる事ができない。 これはきっと、折れないのではなく、折れる事ができない。 縋る先、生きるよすがのある限り、心折れる事などできやしない。 縋る希望は不確かで、けれど諦める事は誰よりも自分が許さない。 そんな"どっち付かず"の状態では。 最初から、最後まで。 自ら望むものは、剣を捧げる先は、望む居場所はただ一つだけ。 生かすも殺すも、自ら定める事などできやしない。 自分の意思では、生きる事も、死ぬ事もままならない。 (+8) 2021/12/15(Wed) 23:27:44 |
【墓】 哀れな役者 フランドルむかしむかし、鳥と獣の戦争があった際に。 コウモリは、獣の味方をしていました。 しかし、鳥に襲われて捕まってしまったコウモリは 「私は翼が有るので、獣ではなく鳥なのです」 と弁明しました。コウモリは鳥の軍勢に寝返りました。 やがて戦争が終わり、鳥と獣は和解しました。 しかし、双方にいい顔をしたコウモリは 鳥からも獣からも嫌われて追われることとなり、 鳥が活動する昼間も、獣が活動する夜中も活動することが出来ず、 その中間の夕暮れ時しか外を活動できなくなったということです。 これは寓話的な末路であり、そして。 どっち付かず、何処にも属さないという事は。 何処にも味方が居ないという事。 自由である事の、そのツケを払う時が、今来ただけだ。 (+9) 2021/12/15(Wed) 23:29:44 |
【墓】 哀れな役者 フランドル──御布令に名が載った翌日の事。 役者騙りは、そこかしこに乱暴狼藉の名残を残したまま。 つまりは随分と草臥れた様子で酒場に現れて。 「『人生は歩き回る影法師、哀れな役者だ──』」 いつものように、台本を諳んじようとして。 けほ、と空咳を一つ。 「……役者は廃業だ。 今日び、わざわざ演じなくたって悲劇か喜劇がやってくる。 ずけずけと、独りでに街は笑顔を取り戻す。 予定外ではあれど、"怪盗役"も演じ終えた事だしな…」 今日もこの役者騙りは丸腰も丸腰だ。 ふらりと適当な席に着き、テーブルに両肘を預けて。 喉が痛い、だとかぼやいたのち。 「ノアベルト。 張り紙と共に連れ浚われ消える事になったのは、 俺ではなく、あんたの方だったな」 未だ姿の見えない誰かに、一言だけ。 この陰は、未だ変わらずここに在る。 (+10) 2021/12/15(Wed) 23:32:59 |
【墓】 哀れな役者 フランドル「──ペトルーシャ。 "打ち捨てられた灯台の裏、鼠どもの通り道"。 お望みのものが二つ、そこにあるだろうさ…」 その後に死霊術師の姿を認めれば、もう一つだけ。 気怠げに、簡潔に、確かな"取引"の履行を告げた。 「契約は満了だ。 また何処ぞへ失せない内に回収する事だな…」 (+11) 2021/12/15(Wed) 23:33:38 |
【墓】 哀れな役者 フランドル>>11 エアハート 「…………」 差し出されたレモネード。 それを持つ相手を見て物凄く複雑そうな表情をしたのは、 なんか不意に今日見た夢の事を思い出したからだ。 もはや高熱を出した時に見る悪夢みたいな光景だった。 「……お前、…いや、やらかしたんだろうな。 まあいい、話しておきたい事がある。 今じゃなくていい、後で少し顔を貸せ」 目の前の男目掛けて飛んできたスプーンと、 大惨事になるテーブルと、聞き覚えのある声。 それはまあ、やはり何とも言えない顔にもなるわけで。 流石にレモネードに罪は無い、ので、受け取っておいた。 基本的に、他人の作った飲食物は受け取らない。 ただ、金銭を支払った上で提供されるものは別。 そして、相棒とも呼ぶべき者の作ったものもまた例外。 それだけのことだ。 (+14) 2021/12/16(Thu) 0:27:52 |
フランドルは、俺は何を見せられているんだろう。 (c7) 2021/12/16(Thu) 0:36:27 |
【墓】 哀れな役者 フランドル>>+15 ノアベルト 「 は? いやいけずも何も無いだろう俺からあんたに話す事は特に無いし…」 あの時また会いに来ると言ったのはそっちだし、 そもそもあの悪夢にはこいつも居たが…みたいな顔をしている。 心当たりは、あるため。 「 そもそもあの悪夢にはこいつも居たが…… 」言った。 (+17) 2021/12/16(Thu) 0:47:25 |
【墓】 哀れな役者 フランドル>>13 エアハート 「非があるんだろう実際に。 レモネードに罪は無い、お前に罪がある」 当然の如く抗議はにべもなく、ばっさりと。 普通のレモネード以外の何だと思ってると思ったんだ。 そんな気持ちはまあ置いておいた。 「……いや、 ちゃんと清算しろよ。 飲み終わるまでは待ってやるから…」 言外に雑に片付けるなと言っている。 助け舟は期待できそうにないですね。 (+18) 2021/12/16(Thu) 1:01:27 |
【墓】 哀れな役者 フランドル>>15 きっと視界の外からの、『怪盗』への感謝の言葉。 灯屋の声に一度そちらへ視線を遣って。 役を終えた元役者は、何も言う事はなかった。 が、自分個人に勧められたなら… チキン……まだいっぱい……これ、チキン? 鳥なら……チキン?そうかな…そうかも… (+20) 2021/12/16(Thu) 1:14:38 |
フランドルは、喉が痛いのはもう今更だからチキン食べる。 (c10) 2021/12/16(Thu) 1:14:49 |
【墓】 哀れな役者 フランドル>>+19 ノアベルト 「生憎と俺は不器用な生き方しかできないらしい。 或いは、ブレるほどに 他に目を向けるような余裕も無いだけか」 曲がらないのか、曲げられないのかは定かではなく。 趣味が悪い、という言葉にはほんの少し眉を顰めて。 けれど特にそれ以上突っ掛かるような事はしなかった。 この世は趣味の良い人間の方がずっと少ない。 (+22) 2021/12/16(Thu) 1:25:49 |
【墓】 哀れな役者 フランドル>>19 レイ 「 そうか…… 」力強い肯定を受けたので、これはチキンらしい。 とにもかくにも、チキンはチキンらしい。 路地裏育ちには細かい品種による肉の違いがわからぬ。 つまり結局これは鳥だからチキンなのだ。 「……まあ、何人かは尋問を受けたわけだからな。 口答えしてやったら随分手厚く饗されたよ」 何気ない疑問には、誰に言うでもない呟きだけを零して。 まだ温かいレモネードの嵩をちびちびと減らしながら、 のろのろとチキンだのシチューだのつつく。 ご機嫌な夕食だ…喉さえ痛めていなければ。 (+24) 2021/12/16(Thu) 1:49:36 |
フランドルは、踵を返す死霊術師の背を見送った。有意義な取引である事を願う。 (c15) 2021/12/16(Thu) 1:55:57 |
【墓】 哀れな役者 フランドル「消毒ついでに酒でも飲んでろだとか そういう事を言われなくて正直ほっとした。 自分で自分を痛め付ける趣味は無いんだ俺は」 役者は廃業で正解だ。 きっとこのご時世では三文芝居は流行りもしない。 生きていれば、喜劇も悲劇も勝手に舞い込んで来るのだから。 「一度尋問を受けてしまえばもう尋問に怯える必要は無い。 気楽なもんだな…下手な事さえしなければ。」 かつん、首元の枷を爪の先で叩く音。 元役者は、それが何であるかをよく知っている。 (+25) 2021/12/16(Thu) 2:03:19 |
【墓】 哀れな役者 フランドル>>23 レイ 「嫌がるからか、単に煩かったのか。 あの手合いのことだ、両方かもしれないな。 …どうせ大人しくしていても温情なんか掛けられないんだ なら、暴れてやった方が気分が良い」 それで負う痛手と見合うかは諸説あるものの。 結局は大人しく痛め付けられるという事が どうにも我慢ならない人種なのだ、これは。 大人しくしていれば、と期待ができないだけかもしれないが。 「…………」 それから、ころり。 目の前に転がった飴を見て、少し考える。 他人は、信用できない。 けれど、ある程度腹の底を見せ合った相手なら? 未だ距離感は一定を保ち、けれど他人とも言い難い。 これは、互いの目的や意図に対する信用とそう変わらないのではないか。 …ほんの少し考えたのち、飴は受け取る事にした。 (+27) 2021/12/16(Thu) 2:59:50 |
フランドルは、気まぐれなやつだ、とぼやいた。 (c17) 2021/12/16(Thu) 3:03:17 |
フランドルは、こいつは一発殴られても文句は言えないと思う。 (c25) 2021/12/16(Thu) 17:10:20 |
フランドルは、だからそのようにした。 (c26) 2021/12/16(Thu) 17:11:04 |
フランドルは、ただ貸し借りを帳消しにしただけだ。そしてこれからも同じこと。 (c27) 2021/12/16(Thu) 17:12:05 |
フランドルは、それではだめだとわかっているのに、 (c33) 2021/12/16(Thu) 20:56:04 |
フランドルは、 もっと血が欲しい。 (c34) 2021/12/16(Thu) 20:56:30 |
フランドルは、結構やんちゃらしい。 (c35) 2021/12/16(Thu) 21:17:06 |
フランドルは、なんか方々にやんちゃだと思われてる気がする。 (c36) 2021/12/16(Thu) 21:56:22 |
フランドルは、まあ概ね事実だしいいか、と思う事にした。 (c37) 2021/12/16(Thu) 21:58:31 |
フランドルは、もうちょっと叩いてみる事にした。 (c44) 2021/12/17(Fri) 4:06:21 |
フランドルは、"レモネード"より中毒性の高いものを知っている。 (c45) 2021/12/17(Fri) 4:20:24 |
フランドルは、正直今のこいつは"レモン"だと思う。 (c46) 2021/12/17(Fri) 4:29:24 |
フランドルは、… (c69) 2021/12/18(Sat) 19:53:04 |
フランドルは、それでも、どうしても受け入れ難くて、結局、 (c70) 2021/12/18(Sat) 19:54:01 |
フランドルは、一人になってから、全て吐き戻してしまった。 (c71) 2021/12/18(Sat) 19:54:11 |
フランドルは、どうあるべきかわからない。 (c72) 2021/12/18(Sat) 19:54:20 |
残影の フランドルは、メモを貼った。 (c73) 2021/12/18(Sat) 19:55:37 |
【墓】 残影の フランドル「…………」 役者騙りの騎士は、誰かと二人連れ立って。 暫くの間、何処かへ姿を消した後。 夜には酒場へ戻って来て、適当な席で茫としていた。 何処かへ消えていた武器は二つ、再び在るべき場所へ。 がり、ごり。 甘いものは、好きな方であるはずなのに。 乳白色の飴に歯を立てても、今は何も満たされない。 (+32) 2021/12/18(Sat) 20:59:23 |
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