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【人】 サティ家次期当主 シャーリエ―― 夢か うつつか ―― [屋敷の中庭で怪我人を見つけ、驚いたのは先刻のこと。 片腕が取れてしまったことに飛び上がって、侍女を呼び、 彼女が駆け足で医師を呼び、手に負えぬと技師を呼び。 最後は二人掛かりで担架に載せられ、 怪我人は庭の見える空き部屋に寝かせられた] ………… [すうすう、落ち着いた寝息を聞いていると、 何事もなくて良かったと強く思った。 死ぬことも、腕が無くなることも、怖くてたまらない。 目の前で起こらなくてよかった。 たまたま助けてくれる人が居て良かった。 今度は助けられてよかった。 気がつけてよかった。 また、人が居なくなってしまうかと緊張した] (3) 2020/09/27(Sun) 5:04:21 |
【人】 サティ家次期当主 シャーリエ目、覚めました? [まぶたの奥が動いていたから、 夢を見ているのかと見つめていたまつげが、 不規則に揺れて持ち上がる。 綺麗な瞳。 そう思ったことを覚えている。] あなた倒れてたんですよ。 腕も取れてしまってて。 お医者様と、技師の先生に見てもらいました。 おかしいところはないですか。 [起きあがろうとする肩を押さえ、 シャンパン色の髪をベッドの上に戻す。 カーテン越しに漏れる光が眩しかったのだろうか。 すこし考えて、カーテンを閉めるのは止めた。 どこかから風の音がする ] (4) 2020/09/27(Sun) 5:05:34 |
【人】 サティ家次期当主 シャーリエだめですよ、まだ寝ててください。 ……いい匂いします? ふふ、それは元気そうで良かった。 [そうしている間にも、キッチンから軽食が運ばれてくる。 怪我人さんは何がお好みかしら。 卵とほうれん草のポタージュには 薄いフランスパンを浮かべて。 薄味の鶏のテリーヌにはお好みでコショウを振り。 食べるのが難しいようなら フルーツとミルクのゼリーからミントを避けて。] たくさん召し上がれ。 [貴方の側でふふふと笑った私は、 紅茶を片手にクッキーをひとつまみ。 ……だって、食べているところを見られるだけって 居心地わるいから。 私も食事のふりをする] (5) 2020/09/27(Sun) 5:06:10 |
【人】 サティ家次期当主 シャーリエ大丈夫です、お代などは必要ないです。 持てる者の義務《ノブレスオブリージュ》ですから [次代領主代行として毅然と微笑めた、だろうか。 私はこのとき口にした紅茶の味を思い出せない。 いい香り、と呟いたのは演技だった。 傍らの侍女にお茶のお代わりをお願いして、貴方に近寄った] (6) 2020/09/27(Sun) 5:06:41 |
【人】 サティ家次期当主 シャーリエ安心してください。 ここで血を流すようなまねは許しません。 あなたを引き渡すようなこともありません。 [ おねえさま。 と唇だけ動かした。 私は貴方を見てお姉さまを思い出していた。 伸ばした手はお姉さまと同じに、人の頭を撫でてなだめる。 大丈夫。私がいるから。 そういってくれたお姉さまと同じように、 私も、誰かを…………。] (7) 2020/09/27(Sun) 5:07:15 |
【人】 サティ家次期当主 シャーリエ[カーテンがはためいて、霧が窓から入ってくる。 たちまち目の前の光景が幻みたいに霞んでいく。 こんなこと無かったよ、ってあざ笑う霧は濃さを増して、 綿みたいになって私をくるむ。 (そう。これは幻。 私はお姉さまの真似はできなかった) 初対面の人を撫でるのは貴族の娘としてどうなのか。 侍女に見咎められてお父様の耳に入ったらどうなるやら。 そう考えて、空のカップを膝に抱えたまま、 窓を伺うことしかできなかった。 窓から見える庭は、お姉さまがいつも私を慰めてくれた場所。 ぎゅっと目をつむって霧の中で首を振った。 違う、違う。これじゃだめ、しっかりしなくちゃ、 だって、もう お姉さ ま は ] (8) 2020/09/27(Sun) 5:08:23 |
【人】 サティ家次期当主 シャーリエ―― 自室 ―― っ、あ…… [いつの間にか自分の喉を掴んでいた。 息苦しさで目が覚めてしまったようだ。 天井には藍色が重ね塗りされていて、 いつもの黒樫の天井は真っ黒に染まっている。 不用心に開け放たれた窓から風が入り込んで 絨毯を波打たせていた] ………… ふぅっ…… [ぱちぱちと目を瞬かせ、固まってしまった体を起こす。 夢見が悪い原因なんてわかっている。 辺境の小国に王国から見合い話がありそうだと使者が来た。 事実を言葉にすればそれだけのこと。 断ればこの小国は王国に呑まれる。 お父様は王国を敵に回すことはしないということと、 癪ながら私も、王国に頼っていること。 全部まとめれば、答えなんて決まっているようなものだ。 そして、小国の跡継ぎは私だった。 それだけ。] (9) 2020/09/27(Sun) 5:09:15 |
【人】 サティ家次期当主 シャーリエお姉さまの捜索くらいは 私たちでやれたらいいのに…… [起こした体をひねってベッドにうつ伏せに倒れ直した。 明日、話するの、 や、だな。 枕に顔をうずめて丸くなる。 小さくなって現実の風をやり過ごしてしまいたい。 義手を持つ元怪我人さんを思い浮かべてため息を吐いた。 小国には義手の技師なんて育っていなかった。 たまたま王国から講義に来ていた 技師の手で助けてもらったのだ。 この国でできるのは簡単なメンテナンスだけ。 それを考えると、王国との断絶は 義手の持ち主にとっては死活問題に違いない。 ああ、やっぱり話したくない、な、こんな話。] (10) 2020/09/27(Sun) 5:10:08 |
【人】 サティ家次期当主 シャーリエ[いやなことは忘れてしまおう。 きっと明日になっても変わらないいやなことが降ってくる。 いまだけ、ひとときだけ、夢の中で泳がせてください。 枕を抱えて横に転がった。 ころんころん、膝の代わりに枕を抱えて、ころんころん。 寝返りを打って頭を空っぽにして、 徐々に満ちていく月の匂いを感じて、ころんころん。 眠りに転がり落ちるまで、丸くなったまま、 1人には大きいベッドを目一杯つかって ころんころん*] (11) 2020/09/27(Sun) 5:10:46 |
【人】 Marguerite シャーリエ―― 空にラッコが泳ぐ世界 ―― [気が付いたところは屋敷の中庭、 いつもの花壇のところだった。 ここはお姉さまが世話していた花がたくさん残っている。 いつお姉さまが帰ってきてもいいように、と 水をあげるのは私が引き受けている仕事だった。 咲いてほころんだ花を2つ剪定する。 こうして古い花から新しい蕾へ 栄養を振り分けてやらないと、次の花が咲かないらしい。 ぽかぽか暖かい、春のような秋のようなお日様の下、 日除けのパラソルとテーブルセットに切り花を飾る。 花の命は短くても、もう少し付き合ってくださいな。] (12) 2020/09/27(Sun) 5:12:10 |
【人】 Marguerite シャーリエお姉さま! [シャンパン色の髪のお姉さまを見つけて、 笑顔も隠さずに駆け寄った。] 今日は蜂蜜のレモネードがあるらしいの。 ふふ お茶、いかが? (13) 2020/09/27(Sun) 5:12:58 |
【人】 Marguerite シャーリエ[サティと呼ばれる小さな我が国ではレモンが採れる。 寒くなる時期に実を付けるレモンは、 野菜の少なくなる季節に爽やかさを運んでくれるものだ。 みずみずしいレモンを砂糖や蜂蜜に漬けておけば、 一年中涼しい気分になれる。 今デカンタに浮かんでいるのも、 去年採れたレモンのひと切れ。 すっぱいよ、っておしゃべりと一緒に口に含めば 果汁に薄められた蜂蜜が手を汚す。 きっとすっぱさに刺されてしかめ面になるけれど、 綺麗になれるんですって、とおしゃべりの種になってくれる。 疲れたときに聞くんですよって、 教えてくれたのは、お姉さまだったっけ? 楽しいお茶にしましょう、と 彼女を木陰から連れ出そうとして、ふと立ち止まる。 足下の芝生が風で波打っていた] (14) 2020/09/27(Sun) 5:13:38 |
【人】 Marguerite シャーリエ[つくんと胸のどこかが痛む。 私のお姉さまはこんな人だったかな。 私の リフル はどこへ行ったんだろう?小さな違和感はきっと陽気のせいだろう。 綺麗で大好きな瞳の彼女と席に着くまで、 指先がそわそわしてしまうのも陽気に暖められたせい] (15) 2020/09/27(Sun) 5:14:15 |
【人】 Marguerite シャーリエわあー 毛虫、 毛虫ぃ…! [木の上から落ちてきたおじゃま虫に驚いて まずは木陰から彼女を押し出してしまうのも 季節に合わない陽気のせいだった**] (16) 2020/09/27(Sun) 5:14:54 |
Marguerite シャーリエは、メモを貼った。 (a1) 2020/09/27(Sun) 5:25:50 |
【人】 Marguerite シャーリエ[大好きなお姉さま。 領地を持つ家に生まれた者として、 私たちは小さい頃から色んな勉強を教えられた。 お姉さまは優秀で、私にできないことも出来て 自慢のお姉さまで、みんながそう言っていて、 だから私は授業中も 自分の好きなピアノのことばかり考えてた。 お姉さま、本当に大好きだったの] (64) 2020/09/27(Sun) 23:23:23 |
【人】 Marguerite シャーリエ[ほら、虫だってお姉さまに懐いて……はいないけれど、 彼女が落ち着いていてくれるから、 お姉さまの後ろに回るだけの落ち着きを分けてもらえる。 どきどきしてはいるけど、大丈夫。] はい、お姉さま。 [小さな毛虫も庇おうとする彼女の声は>>57 どこまでも優しく響く。 どこかへ行ってしまった毛虫は 見えなくなったから忘れることにする] …お姉さまのほうが…… 領民も背負ってるのに… [私が優しいと言ってくれるお姉さまの方が優しいと思う。 そんな押し問答を始める前に、 彼女を追いかけてレモネードの席に着いた] (65) 2020/09/27(Sun) 23:24:08 |
【人】 Marguerite シャーリエ (66) 2020/09/27(Sun) 23:24:47 |
【人】 Marguerite シャーリエもう、お花は愛でるものっ。 触りすぎると痛んじゃうから、 ……ね、こうしてあげて? [お姉さまの手から救い出した花を、 シャンパンゴールドの髪をまとめるリボンに絡ませる] 摘んだら長くは保たないから この花はすぐ 枯れてしまうから それまでは。 (67) 2020/09/27(Sun) 23:25:20 |
【人】 Marguerite シャーリエ[紫がかったピンクが彼女の顔の隣で揺れる。 後ろに隠れてしまった小さな花びらも一緒に揺れている] ピンクはお姉さまに似合う [ふふーって笑って、レモネードを一口。 カランと音を鳴らした氷が シャンパン色の水を煌めかせていた] (68) 2020/09/27(Sun) 23:25:42 |
【人】 Marguerite シャーリエわたしね、今度カードックの … 収穫祭にお呼ばれしたの。 [もくもくと食べていたクッキーを会話の途中で飲み込んで。 そんな話になったらしいの、と顔をほころばせた。] 音楽祭が開かれるらしくてね。 『私個人』でこっそりピアノ弾いてみませんかって、 [それでね、って内緒話みたいに顔を寄せた] (69) 2020/09/27(Sun) 23:26:16 |
【人】 Marguerite シャーリエお姉さまも一緒に、『個人』で遊びに行けないかな [楽しいと思うの、ってにっこり笑って、 お姉さまを外に連れ出そうとする私。 忙しいお姉さまをちょっとだけ遊びに連れ出すのは、 妹の仕事だと思うんだけど、どうだろう。 くすくす笑ってるのは私なのかお姉さまなのか。 楽しければどっちでもいいかなって、 花瓶に残ったピンクの一輪をつんつん、してみた*] (70) 2020/09/27(Sun) 23:26:56 |
【人】 サティ家次期当主 シャーリエ[萌黄の眼に映る私の顔は、 お姉さまの良い返事を期待していた。 一緒に街を回れたら素敵だろうと思った。 お父様のお手伝いとして執務に当たる彼女は、 仕事をテキパキこなして、時折怖く感じる。 中庭ではこんなに優しいのに、 執務室のお姉さまにはあまり会いに行かない。 ため息すらバレてしまう隣にいれば、 「行ければいいわね>>88」に 残念な色が混じっていることに気がついてしまう] (107) 2020/09/28(Mon) 13:05:09 |
【人】 サティ家次期当主 シャーリエ…… [つんつんされた紫の花は何も言わない。 花にはお姉さまの気持ちがわからないのだから、 何も言えやしない。 ドレスじゃなくて、 かわいらしい民族衣装のお姉さまが見たかったのに。 私はその隣で緑の衣装を着るの。 きっと大輪の花と葉になれると思うのに。] お姉さまは主役なの [ぷうとむくれてみたけれど、 淑女には幼い仕草だったから引っ込める] (108) 2020/09/28(Mon) 13:05:49 |
【人】 サティ家次期当主 シャーリエ[グラスをあおっている間に 芝生の上で踊る妖精さん>>89は、 日差しを横切って緑のシーツに転がってしまったようだ] ふふふ 気持ちいい天気ー…… [椅子から芝生へ、また彼女の隣に座り直して、 お姉さまと同じ空を見上げる。 ぷかぷか浮かんだ雲が風に乗って流れていく。 雲と雲がもっふんことぶつかって、日除けになってくれた] (109) 2020/09/28(Mon) 13:06:26 |
【人】 Marguerite シャーリエ おねーさま… す [き、とは続けられずに口が固まった。 「ねーさま、すきー」小さい頃は いくらでも口にした言葉なのに、 いつからこんなに重い言葉になったんだろう。 緑の上に爽やかな金色の小川ができている。 難しい顔をして精一杯がんばって、 小川に手を掬い入れた。 なでなで。 「すきー」って言ったときはこうして返してくれたんだ。 なでなで。 姉妹お揃いの髪色は誰に会っても褒めてもらえたの。 なでなで。 言葉にならないから他で言おうとして、 なでなで。 彼女が止めるまでさらさらでふわふわの髪を梳いている**] (110) 2020/09/28(Mon) 13:07:36 |
Marguerite シャーリエは、メモを貼った。 (a16) 2020/09/28(Mon) 13:09:32 |
【人】 Marguerite シャーリエ[断られることは知っていたのに、 どうして聞いてしまったんだろう。 自由に遊び回ることができない立場も身にしみているし、 お姉さまと収穫祭に行かなかったのが事実>>117。 私だけで隣国に出かけ、 音楽祭の隅で弾いてきたピアノ曲は 「家具のように無色」と評されたのだ。 1人だけ拍手をしてくれた人がいた。 華やかなメロディーを奏でた 南の旅人が皆にもてはやされていた。 いただいた花束は屋敷に帰るまでに干からびてしまった。 帰ってきてお姉さまにピアノを聞いてもらった方が よっぽど楽しかった] (121) 2020/09/28(Mon) 22:41:30 |
【人】 Marguerite シャーリエ[中庭にいる間は、お姉さまは私といてくれる。 当たり前だったから、食べ終わったお皿を置いて芝生に座る。 すき、と言いかけた唇は 赤く染まってレモネードに濡れている。 促されて>>118もう一度言おうとした] す…… すき …な ひとは居ますかっ [レモンの香りを震わせて出たのはそんな質問。 私はなにをいっているのだろうとお姉さまの髪を掬った] すごく悩んでた気がするの [仕立ての良いシルクのように、絡まない髪に指を遊ばせる。 つかえてしまった喉まで癒されて、 なんだか整理できていない頭から単語が飛び出した] (122) 2020/09/28(Mon) 22:42:25 |
【人】 Marguerite シャーリエ撫でてほしいのってすきなのかな 撫でたいのって すきなのかな 憧れとは違うのかな…… [お姉さまの髪をなでながら、 お姉さまのまつげが落ちるのを見ている。 お疲れなんだろうか。 どこかから、よく眠れると評判の私の曲が聞こえてくる。 ただそこに寄り添うだけの曲。 あなたの考えを邪魔しないよう、ほかの音をはじくための曲。 3拍子にあわせてゆらゆら体が揺れる。 私も一緒に芝生にころがって、あとで侍女に怒られようか] おねえ、さま。 [強く吹いた風に耳をふさがれたが、なんとか聞き取れた。 「メグ」>>119にうんうん頷いて、 お姉さまの手を握った] (123) 2020/09/28(Mon) 22:43:55 |
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