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石鹸商 ニコは、メモを貼った。 (a5) 2021/12/29(Wed) 17:59:10 |
【人】 石鹸商 ニコ─現在・食堂車─ [どうやらご歓談の最中にお邪魔したかと思えば 幸いにも帽子のご婦人は>>8 気にも留めていないようなご様子でしたので、 恐縮ですと再び頭を下げたのですが] (やっぱり、似てますねえ……) [むしろ瓜二つでは?と思いましたが お食事に対するお気遣いに] ありがとうございます、 先程までデッキに居たのですが そろそろ暗くなってきましたのでね。 入れ違いかもしれませんが 少々失礼いたしますよ。 [ 既に食べてきたとは少々言いづらく>>0:404 無難に言葉を選んで居たところへ キュリア様がお声を掛けてくださいました。>>0:447] (51) 2021/12/29(Wed) 22:58:19 |
【人】 石鹸商 ニコ いやはや、大変失礼いたしました。 そっくりなご婦人がいらっしゃるなと 思ってはいたのですが まさかご本人だったとは! 失礼、名乗らず大変申し訳ございません アリアニコ・ベルジュラックと申します。 商談でかの御国に伺いました時 お名前とお声を耳にいたしました。 [思わずアンジェ様に対し名刺を差し出し 気付かぬ非礼を詫びたのでありました。 これは誠、誠に申し訳ないことをいたしました。 勿体無いこと>>0:450というお言葉にも合点がいき 「いやはや、こればっかりは時の運です」と 「またご縁があれば その歌声を拝聴出来る時を心待ちにしております」と お二人に告げたのでございます。] (54) 2021/12/29(Wed) 22:59:38 |
【人】 石鹸商 ニコ[なお、練り切りの上品な甘さが口一杯に広がったところへ 泡立てた抹茶の苦味が舌をスッキリさせてくれる心地は 目も意識も気分を切り替えてくれるかのようで、 ホッと一息ついた瞬間、胃の腑から五臓六腑が温まり 肩の力が下りるような、そんな心地が致しました アリアニコ・ベルジュラック あなかしこ。]** (60) 2021/12/29(Wed) 23:02:35 |
石鹸商 ニコは、メモを貼った。 (a11) 2021/12/29(Wed) 23:06:55 |
【人】 石鹸商 ニコ─回想・食堂車にいた頃─ [まさかと思いお尋ねした結果、 まさかまさかのご本人!>>53>>88 キュリア様がご想像の通り ご本人のお会いするのは初めてのこと。>>99 しかし己が商会の名前を出されれば>>88] 左様、アンジェ様の仰る通りです。 石鹸を始め油脂に精油・蜜蝋などなど 石鹸に纏わるものを各種取り揃えました 石鹸店ベルジュラック商会の者にございます。 かの音楽の御国のお得意様の商談で 劇場などに足を運んでいたのでございますよ。 [商品購入の旨をお伝えいただければ 「それはそれは、お買い上げいただきありがとうございます。 お気に召したら是非またお越しくださいませ。 年明けには従来のものよりも保湿感が向上した 新製品を売り出しますので。」と。] (157) 2021/12/30(Thu) 19:07:25 |
【人】 石鹸商 ニコ[やがて紅茶が運ばれ、一口喉を潤し三口顔を火照らせ 一息に五臓六腑を温めてカップを返せば トランクから取りいだしたるは試作品の石鹸。 これは従来の釜炊きによる鹸化法ではなく>>0:42>>0:43>>0:44 コールドプロセス製法で作られたもの。 <gray>私が知ること知らぬことは数多くありますが 有難いことにベルジュラック石鹸が 日常使い等だけでなくバスタイムのお供と知れば それはそれは有り難さを噛み締めていたことでしょうに。 お土産や普段使いに贈答用、転売>>0:55>>0:101 香り付きの石鹸やハンドクリーム>>0:262>>0:263>>0:421 近頃発売し始めたシアバター石鹸も売れ行きは好調のようで、 年明け後の増量生産も決定済み。>>0:422 ええ、本当に、本当に有難い限り。] (162) 2021/12/30(Thu) 19:10:06 |
【人】 石鹸商 ニコ[確かに父は面倒見が良い方かも知れませんね。 ]**事務所の調度品や、礼服等必要な際は手配し 事件や依頼が解決したと聞けば 何かしらの好物や美味を贈り 直接会えるときは食事に誘ったりしていたのだとか。 父に関する他のお話もどこか、 どこかでお話いたしましょう。 それまで今は、お湯の中。 (166) 2021/12/30(Thu) 19:11:57 |
石鹸商 ニコは、メモを貼った。 (a29) 2021/12/30(Thu) 19:21:56 |
【人】 石鹸商 ニコ[普段ベルジュラック商会が取り扱う石鹸は 油脂とアルカリを大釜で炊き上げて 熟成する“鹸化法”を用います。 比較的多くの量を作れますので、 当地の支部を筆頭に 油脂の生産量次第では 各支部でも取り扱える利点が大きい製法。 ですが、この製法には欠点も存在するのです。 まず製造過程で固定石鹸とするため 炊き上げた石鹸の元に塩を加え石鹸分と 余分なアルカリ(甘水)を分離させる 「塩析」という工程があるのですが 分離の際、アルカリ成分と共に水・塩 そして 保湿成分 も幾らか分離されてしまうのです。幾ら油脂の質と保湿力が高くとも 多少の保湿成分損失は避けられぬ事柄。 しかも加熱工程の中で 熱に弱い成分が壊れてしまったり 熱で揮発しやすい精油を用いれない欠点もあるのです。] (186) 2021/12/30(Thu) 21:56:48 |
【人】 石鹸商 ニコ[さらに難易度として高まったのは精油の問題。 『至高の香り』を表現するとなると、 調香師が勧めてきたのは商会の中でも 一番希少なジャスミン“ジャスミン・ハープ・プラネット” ジャスミン・プラネットやジャスミン・オフィキナレ、 ジャスミン・クランディフロルムに比べれば 花は小柄でありますが、芳香の気品は随一。 甘く華やかでありながら、決して主張しすぎない品格は 至高の香りに相応しいと感じさせるものでした。 ですが生息地は「迷いの森」より少し離れた フムス村というごく小さな村にしかありません。>>0:325 其処はヤマネの耳を生やしたヤマネ獣人の方々が 魔法を使わずひっそりと生活する桃源郷のような場所。 それ以外にも気品ある芳香の花を咲かす品種が自生する楽園。 それ以外にも、表皮は緑で中は真っ赤なイクリ桃が 甘酸っぱく果汁も滴る初夏の美味として 近辺では細々と評判があったのではありますが。 リエブル族の方々とももしかしたら 交流があったかも知れませんね。] (189) 2021/12/30(Thu) 21:57:48 |
【人】 石鹸商 ニコ[一方ローズの精油となると、 砂漠の国シタールの原種たるダマスクローズに加え 華やかでありながらも栽培品種には無い力強さを持った 野生の野茨の精油もブレンドすることに。 試作と実験を重ね、ジャスミンとローズ精油配合の 黄金地を導き出せたまでは良いのですが…… 課題はジャスミン精油の性質。 ジャスミン・ハープ・プラネットの精油は少々特殊で 60℃以上の高温に晒されると その芳香成分が揮発してしまう性質。 これでは煮立たせる釜炊き鹸化法では使えません。] (190) 2021/12/30(Thu) 21:58:10 |
【人】 石鹸商 ニコ 困りましたね…… [つまり石鹸と仕上げるなら、 ジャスミンの精油を変えるか もう1つのハイリスクな製法を取るか。 制作チームにも緊張が走ります。] (191) 2021/12/30(Thu) 21:58:28 |
【人】 石鹸商 ニコ[悩むこと数日─── 妥協か、挑戦か。 出した 答えは] 会頭として各制作支部担当に命じます。 南方プシュラのシアバターとアーモンドオイル、 油ヤシとその種の油脂に アプリコットカーネルオイルを配合した石鹸。 精油はジャスミン・ハープ・プラネット、 ダマスクローズに野茨のブレンド。 [……長い沈黙。 迷いが、恐怖が、襲います。 それでも周囲の気遣わしげな視線を感じれば 意を決して──重い口を開けました。] (192) 2021/12/30(Thu) 21:58:53 |
【人】 石鹸商 ニコ ────それらを、 コールドプロセス製法で作ること。 ……宜しいですね。 [異例の命令にざわつく現場の方々。 そうでしょう、コールドプロセス製法は ハイリスクハイリターンな製法。 何せ花の栽培地と蒸留支部は共に魔法は未発達、 輸送コストも跳ね上がりただでさえ シアバターを使用した石鹸は他より高価。 使用する花の自生地は人が滅多に入らぬ奥地の村。 諸々の経費を換算すれば、 富裕層の別宅など軽く一軒建てられてしまう金額です。 失敗すれば、それだけの費用をかけた材料全てが 全て使い物にならなくなり また一から材料を確保しなくてはならない製法。] (193) 2021/12/30(Thu) 21:59:21 |
【人】 石鹸商 ニコ[その前に、コールドプロセス製法についてお話ししましょう。 コールドプロセス製法とは、油脂とアルカリが反応し 鹸化する“鹸化価”というものが油脂にはございます。 その計算法は、そうですね……1000g作るのであれば 鹸化価÷56.1×40÷10000で 1gの該当油脂を固形石鹸にするための アルカリ使用量を計算する訳であります。 (これ以上は数学のお話になる為 此処では割愛いたしましょうか) 製法としては、油脂とアルカリを45℃〜55℃に温め それぞれを保温したまま丸1日と少しの時間撹拌します。 すると油脂とアルカリの熱反応で鹸化が始まっていくのです。 それを型に流したまま保温し、数日後固まれば 型から出して60~90日程熟成。 釜炊きに回せる燃料が少ない地域でも作れますが 全てが温度に左右されるので気温・湿度・環境等で 温度が狂えば全てがお終いというハイリスクハイリターン。] (194) 2021/12/30(Thu) 22:00:09 |
【人】 石鹸商 ニコ[それでも、この製法を選んだのは。 塩析の過程がない為グリセリン・スクワレン等の 油脂に含まれる保湿成分が損なわれることなく、 熱で壊れ、揮発しやすい成分も保持したまま。 しかも今回の油脂配合で作り上げれば その泡はきめ細かく、まるで上等な絹を纏ったかのよう。 『至高の香り』 に相応しい仕上がりとしては最も理に叶った製法と言えるかも知れません。 ですが、先に述べたリスクもあるので 失敗の恐怖か、或いは困惑か。 場の空気が重く葬列のようなものに沈んでいきます。 ざわめきも、呻きも、沈黙も ──まるで鉛のようではないですか。] (195) 2021/12/30(Thu) 22:00:55 |
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