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人狼物語 三日月国


203 三月うさぎの不思議なテーブル

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[ 雨のように降り続ける彼の声が、ぴた、と止む。
  見上げた顔が赤くなっていて、目線が落ちた。 ]


  ……あの、夜綿さん


[ 名前を呼ぶ。腕を動かし、合鍵を持っていない方の手で
  彼の頬へそっと触れ、「こっちみて」と行動で促した。
  目が合ったなら、微笑みを浮かべ。 ]


  電話をね、して。縁を切った後、思ったんです
  ずっと、家族が欲しかったけど。
  家族がどんなものか、知りたかったけど。

  でも、これから先私に家族が出来て。
  その相手が夜綿さんだったら、って考えたらね
  ちょっとだけ 変わったんです。

 

 


  ────私、夜綿さんと、家族を作っていきたいなって。


[ 教えて貰うのでもなく、与えて貰うわけでもなく。
  一緒でしか作れない料理の味があるように
  二人でしか作れない、家族、というものを。

  ──だから。 ]


  ください。その、約束の証。
  印の方も、お互いで選びたいです。


[ 前のめりなんかじゃ、全然なくて。
  同じこと考えてたんですよってこと、この言葉で
  貴方に伝わってはくれるでしょうか。 ]

 

 

  夜綿さん。
  私、夜綿さんのこともちゃんと、幸せにしたいです。
  ──それが私の幸せだから。

  …………で、その、あの。
  いっぱい最近考えて、気付いたことが、あって

  最高に可愛い自分でデートした後がいいって
  お泊りした時、言ったじゃないですか。
  ……でも、よく考えたら
  デート服もメイクも大事なことには変わりないけど、

  過去のこと内心で少しでも引きずってたら、
  中身が結局かわいくないな、って、気付いたというか…


[ 顔が熱い。今度は自分の方が顔が赤い自信しかない。
  つまりなにが言いたいかって、……その。 ]
 

 

  
……ケーキも、母親との縁にも、答え見つけて。
心から、夜綿さんと家族を作りたいって言えた、今の私が。

…………………最高に可愛い自分でいられてる、と
思ったりもしたりするんですけど ……どうでしょう……



[ なにが「どうでしょう」なのかはもう、
  お願いだから察して欲しい。
  これで通じなかったら私は今すぐ
  電車へ飛び乗りに行く覚悟で、言ったので。* ]

 

メモを貼った。

 寝起きも可愛くなっちゃうんだね。
 早起きが得って、こういうことかなぁ。

[ 早起きとは、というハッシュタグが
 付きそうではあるが。

 なんにせよ、安心して休んでくれた
 証を貰ったような気持ちになるし、

 なにより、かわいい。
 聞こえてはいるのかこくんと、
 頷くように首を揺らして見せるから ]

 もう少し寝る?

[ と聞いたけど、カップは無事
 受け取られたので
 寝起きで意識がふわふわとしていても、
 起きるつもりはあるのだろう。

 今朝もまた言葉の少ない事を
 気にするつもりはないので、

 自分も座り込む。 ]

[ 珈琲の香りと、
 昼近く、穏やかなな日差し。

 ――の中、刺激的な姿の恋人。

 誘われるには満点の状況だけど、
 さすがに冗談、だよ。

 だったんだよ? ]

 転ばないでね

[ あからさまに、意識していますという
 反応を返されるとは、思ってなかったんだよな。

 洗面所へ逃げ込む君に転ばないで
 と声を掛けて、一人分空いたベッドのスペースに
 転がった。 ]

 は〜〜〜〜………

[ 昨晩このベッドは、はじめて家主以外を
 招いた。

 甘えたいという割に、甘やかし上手な恋人は
 昨晩も、ものの見事に自分を甘やかしてくれた。

 嫌だとそう言われても、
 拒まないでと縋っただろうに、

 ……じゃない、

 と添えてくれたものだから。

 自分の中に、こんな気持もあるのかと、
 また一つ、君に教えてもらえたと思う。

 目が覚めて、ひとりじゃない。
 そんな幸せな気持ちは、穏やかな日和には
 似合いの、やさしい色をしていた。* ]

―― ムール貝の日 ――

 う〜ん。

[ 到着し、着席そうそうのため息は
 何を食べようか、悩んでいるときよりも
 かなり軽い声色。 ]

 あ、そら豆は食べたいな
 焼いたのしか食べたことないから

 おいしい食べ方を知っていたら是非

[ この場所に仕事を持ち込むことは
 ほとんどない、が。 ]

 ――どう見ても分が悪い賭けなんだよな

[ 今日ばかりは愚痴めいた言葉が飛び出して
 来てしまった。

 画面にはトークアプリのやり取り。
 それを眺めながら、もう一度、唸った。* ]

―― 先輩の惚気 ――

 前から思ってたけど、先輩の俺への評価
 ちょいちょいおかしくない?

[ どうせ恋愛経験豊富だとか、前にも
 言っていたな。

 そういうやつだよ、という視線
 には、にっこりと。多分貴方はよく見ていた
 表情で答えた。ゴチです、先輩。 ]

 えぇ、ちっちゃい男だなって思うよきっと。
 ……葉月って知ってる?ここにも
 よく来るんだけどさ。
 ちょっとした切っ掛けで友達になって、
 好きなやつ、だれだってしつこいって話したら
 紹介しても良いって言うんだけどさ。

 ……疑ってるとか心配してるとかじゃなくて
 葉月いいやつだし、話もうまいし
 俺と話してる時より楽しそうにされたら
 やだな、とかそんなとこ。

[ 先輩の話が途切れたタイミングで
 聞きたいと言われれば、そんな話もしただろう。 ]

 十分幸せだよ、今でも。

[ へにゃりと笑う先輩の指には
 きらりと光る指輪がある。
 
 よっぽど、嬉しかったんだ。良かったねと
 もう一度言って、ビールを口に運んだのだが ]

 なんかってそりゃま、あるけど
 えぇ、シャイボーイなんで勘弁して……

 っふ、ふふ

[ おっと、これは煙に巻くことは
 できなさそうだと、判断したのもあるし、

 自分で言っておきながら、似合わないにも
 程があり笑ってしまったこともある。

 それが少し、今宵の俺をお喋りに
 させたようで、 ]

 普段、面倒見良くて、クールなとこ
 あるわりに、二人でいると
 可愛いとこ とか。

 ……最近どんどん可愛くなって、
 ほんと、参る……

 それでいて、男前というか
 格好いいとこもあるので
 だいたいいつも負けてる感じ、ある

[ そんな話をぽつぽつとは、話し出したり
 したかな。揃って惚気って字面に少し
 笑いながら。* ] 

[
せやな。


…とは、内心が分かるわけではないので口にはせずとも。
ずいずいと遠慮なく距離を詰めれば
彼の方もまたじっとこちらを見据えたまま。
室内にサクサクと互いがポッキーを齧る音だけが静かに響き。

そのままどちらも退くことなく―――
最終的にちゅ、と軽く唇が触れたかと思えば
大きく声をあげて彼が破願した。]

……ふっ、

[キスのドキドキどうこうよりも
もうおかしくなって、釣られてこちらも噴き出してしまって。]

負け嫌いはそっちもじゃんか!!
全然視線逸らさないしさあ……
ぜーーったいポッキーゲームってこういうのじゃない!!

[本来なんかもっと甘い雰囲気になるもんじゃないの!?

けらけら笑ってると彼が柔らかく抱きしめてきて
ぽすっとその腕の中に収まった。
それでもまだ笑い続けていたけれど。]


……… ん……っ


[囁きと共に耳元に唇の感触が落ちて
ドキッと心臓が高鳴り、ぴくりと肩が跳ねた。

思わず吐息を漏らしてしまえば
少し腕が緩められて、――
まるで吸い寄せられるように目を閉じて、再び唇が重なる。

さっきや外でした時よりも少し長い
唇の感触を確かに感じるキス。
チョコレートの甘い匂いがふわりと鼻を擽る。]


………私も、好き……だよ
瑛斗…… だいすき、……


[次に彼の顔を見た時には
すっかり自分の笑いは消えていて。
頬をほんのり上気させ、
とろりと熱に浮かされたような眼差しだっただろう。]

……… ん、 もっかい………



[どちらのだろう、早い鼓動を感じながら
唇が離れてもすぐにまた次をねだって。
甘えるように体を摺り寄せた。**]

[だってこんなの笑うしかないでしょ?
負けず嫌い2人して笑い合って。
抱き締めて。腕の力を緩めたら。
君が自然と瞼を閉じた。

引き寄せられるように、唇が重なる。
誰の目にも触れない、2人だけの空間。
唇を離すのが酷く惜しくて。


もっかい



君の声が聞こえたら。もうダメだった。
身を寄せてくる身体は柔らかで。
唇も、腕も背中も、触れるところ全部。
柔らかくて、甘い香りがする。
彼女が好むカクテルってこんな感じだろうか……]

[愛おしくて。離したくなくて。離れたく無くて。
俺は何時しか優しく微笑んでた。
多分に甘さを含んだ笑みで。]


玲羅。



…………ベッドに行かない?



[誘い方が直接的なのも、下手なのも。
目を瞑ってくれると嬉しいなって。小さく笑って。
これで彼女に笑われても。俺は全面降伏しますよ。
俺は負けず嫌いではあるけれど、君に勝てた事は無いから。

笑っても良いから。頷いてくれたら良いな。
俺がコンビニで何を買ったかなんて。
君は聞かなくても、分かってるでしょ?

俺達は1人と1人かもしれないけど。
2人でしか出来ない事
たくさんあるって、君が教えてくれた。**]

[彼女の傍で一番幸せになれるのは自分だという自負がある。
先に好きになって、想いが通じて、どんどん求めてしまうようになって。
自分でもそのスピードが恐ろしくなった、のが今。

よく考えたら彼女はまだ若く、
他の人間との「交際」がどんなものかすら
判断できる基準を持っていないだろう。

彼女を自分の重さの道ずれにして良いのか?
始まったばかりの恋の熱に浮かれた状態が過ぎたら
後悔させないか?

じわりと嫌な汗が背中に滲む。]

[『もう少し慎重に事を進めるべきじゃない?』

戒める自分の声が脳内に響く。]

[――救ってくれたのは、彼女の掌だった。
恥じらいで赤くなっていたと思っていた自分の頬が、
実は自省により冷たかったと知る。

温かさに導かれて目線を上げれば、
そこにあったのは困惑でも呆れでもなく。]

[ああ、
「客観的に見て早過ぎる」なんて考える方が恥ずかしいことだ。

誰かと比べる必要なんてない。
彼女にとって自分は最初で最後だと、もう聞いていたのに。

何年も手放せなかった母親への葛藤を手放して
自分と生きていきたいと今、聞いたのに。

同じ気持ちでいてくれたこと。
ちゃんと伝わったよ。

二人にとって、これは早過ぎる訳ではない願いだ。]



 ……好きだよ、マシロちゃん。


[掌に頬を預けるように少し傾けて。]


 家族になろう。
 「神田真白」になって欲しい。
 結婚してください。


[迂遠な言い回しで格好つけたりはしない。
「絶対に護る約束」を言葉にした。]

[ください、と言われたネックレスを彼女の頸につけようと持ち上げかけた時、再び名前を呼ばれた。]

 うん。

[気づいたこと?]

 ……うん。

[―――――――――まさか、]


 可愛い。
 うん、最高に可愛いよ。


[沈黙など一秒だって起こさない。
ネックレスの箱から手を離し、肩を抱く。
隙間から指を伸ばし、見えていない場所を掴んで引き寄せ。]


 愛してる、


呼び水のような軽いキスを何度か繰り返した後、
吐息を飲み込むように深く貪った。]

[服やメイクを整えることは、心の準備に繋がるのだと解釈していた。
初めてなら尚更、気持ちが追いつくまで、すべてを見せる覚悟が決まるまでに時間がいるだろうと。
どんなに毎度天を仰ぐとしても、無理強いをしないと決めていて、
今日だって「その日」でなければ手を繋ぐだけで寝ようと。

必要な心の準備が、彼女の心にずっとあった燻りが解決したことで整ったのなら。

綿密な計画を練ったデートの後でもなく
ここは立派なホテルでもないが、

今日が、この夜が、「その日」になる。]


 マシロちゃん、


[荒い息を隠さずに、愛しい名前を何度も呼ぼう。
君も呼んでくれるだろう?
君自身も知らなかった甘い声色を響かせて。

――世界一幸せにしたいなりたい。]

[食事の仕方と性行動は似てる、なんて説があるんだっけ。

そんなに行儀悪く食べてはいないから、
きっと誰にも想像されていないだろう。

というか、自分自身でも少し驚いているくらいだ。

これから先、真白にしか見せないから。
その獣じみた慾すべて、独り占めして欲しい。**]

パ、


[ちょっと声が大きくなったのは許されたい。
 パジャマて。だって。パジャマ選ぶて。
 いや違う絶対この『パジャマ』に普通にパジャマ以上の意味ない。落ち着け。勘ぐるな。期待するな。]

……や、そういうのじゃなくて。
なんか近所に普通に出かけるのにとかさ。

散歩用? 気合い入れない用?

[いやまさか、まさか服のパターンが仕事に出るとき用、お出かけ服、パジャマの3パターンなことはないでしょ? ない……よね?]

あ……手。

[怒ろうか、に身構えつつ、視線を落としていたら。
 ひとしずくのソフトクリームを、手で受け止めるのを見てしまった。
 お手拭きを渡しつつ、キワの溶けたところを食べよう。]

そう、他の人に決まってくれたら、安心もできるし、諦められるしさ。
決まっちゃえばいいなって。思ってた。

[けど。
 お互いそうと知らないうちに、そこはボクのために空いていた席なんだというような言葉が落ちてくる。
 ボクがだめなら、他の人を誘う気がなくなった
 ボクでいいんじゃなくて、ボクがよかった
 そんな席を、力不足と蹴ろうとしていたなんて。
 新しい自己嫌悪の材料がやってくるけど、過ぎた話と頭を切り替えよう。
 今ボクに必要なのは、ここから挽回していくことだ。]

 


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