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【人】 食虫花 フィオレ同じ頃、近くのショッピングモールで記念セールが行われているらしい。 朝から景気よく花火も上がっていて、パレードも相まって人通りはいつもよりも少し多いくらい。 キャップを目深に被って、カジュアルなパーカー姿の女が人込みの中を歩いている。 ノーハンド通話でもしているのか、ぶつぶつと何かを呟きながら。 花火を眺める人達の間を縫っていく。 「―――」 長身の男が、視界に入る。 目を細める。口元のインカムに何事かを呟いて。 後ろから近付いていく。その匂いは、姿は、よく知っているものだったから。 殆ど至近距離。背中に近付いて、口を開く。 「―――Ciao.」 そんな声は喧騒にかき消される。 背中に突き付けた拳銃が、間違いなく右の胸に向けられて。 人差し指が、引き金を引いた。 消音器で抑えられた音は、花火にかき消えてしまうだろうか。 それでもそれは確かに、放たれたのだ。 (3) 2023/09/26(Tue) 21:53:37 |
フィオレは、拳銃を下ろした。もう、必要ない。はずだ。 (a0) 2023/09/26(Tue) 22:13:09 |
【人】 路地の花 フィオレ>>38 ロメオ 「……」 そうなのかもね、なんて言葉を口にしようとして。 結局は開いた口からは何も発さずに、クッションに頬を埋めている。 いやな気持ち悪さだけが、ぐるぐると頭の中を回っていた。 「分かんないわよ……」 「……もしかしたら、……ううん、」 何でもない、とやはり言葉を飲み込んだ。 私が間違えているのかも。とか。本当は、もっと確かめるべきことがあったのじゃないかとか。 全部、全部。今更だ。 「これで、子供たちの未来が救われればいい…」 「もう、誰もいなくならなければいい」 ロメオ、とあなたの名前を呼んで。 後部座席で両手を広げている。寂しい時の、合図だった。 (50) 2023/09/28(Thu) 2:27:52 |
【人】 路地の花 フィオレ>>78 ロメオ 悪戯小僧には、目を細めて悪い女ぶった笑みを返す。 こどもっぽい仕草が、なんだか今は一番似合う気がしたのだ。 「片っ端から気になるもの買ってみちゃう? 出来立てのお惣菜とか、お店の人の今日のおすすめとか!」 今なら何だかいいものと出会えそうな気がしたから。 あなたが運転席に戻っても、後部座席に居座ったまま。 体は起こして、白いクッションを抱きかかえる。 キャップをかぶり直して、アクティブなスポーツレディの装いをもう一度。 「うん、いつでも行けるわよ」 「安全運転で、でもぱっと済ませちゃいましょっ」 吹っ切れたような顔で、楽しそうに笑ってみせた。 (84) 2023/09/29(Fri) 23:27:25 |
フィオレは、気まぐれに、もらったリップを塗っている。似合う?なんて近くにいる彼に聞いたりして。 (a49) 2023/10/01(Sun) 20:38:38 |
フィオレは、なんとなく、予感がしたのだ。 (a52) 2023/10/01(Sun) 20:39:32 |
フィオレは、予感が、悪い方向に当たるなんて。この時は思っても見なかったのだけれど。 (a53) 2023/10/01(Sun) 20:48:31 |
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