124 【身内P村】二十四節気の灯守り【R15RP村】
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[なんとなく、嫌だったのだ。
この人の前だと、いつまでも子供でいてしまいそうで。
失った父親すらも、思い出してしまいそうで。
]
[無論、若かりし時分の話であり。
この身体の時を止める頃には、くだらない話で笑い合うような仲のいい同僚でしかなかったと思うのだが。
いつ頃、どうしてそうなったかなんて覚えていない。
反抗期の抜け方なんて、そうそうわかったもんじゃないだろう。
相手にとっては笑い話だろうそれを、語り草にしないでいてくれるのはありがたい。
こちらとしても、なるべくなら完全に忘れてしまいたい話だ。
たまに私が包丁を握って、飲み明かす。そんな良き仲間でいてくれた村雨を想う*]
ーー回想:処暑ーー
……処暑の君が殺された?
[訃報が届いたのはいつ頃か。
その報せに、思わず資料から視線を上げる。
聞けば先代の蛍に殺害されたとのことだった。
幸い、犯人は捕まっているとのことではあるが、だからと言って亡くなったことには変わりなく。]
……弔電を書くから、持っていって頂戴。
後は後は香典を包むからこちらも。
葬儀にはーー行かない方がいいかしらね。
灯守りが行くとなると、また大騒ぎになるでしょうし。
[小雪域の職員に命じると、雪のチラつく窓を眺める。
礼儀正しくて優しい子だった。
元行政職員だったということもあり*、仕事も卒なくこなす人物だった。
彼と仕事ができるのは、楽しみであり、光栄なことだったと思っていたのに。
とても残念だと思ったことは、覚えている。]
[その後、次の処暑の君に会ったのはいつだっただろうか。
その姿を見た私は固まった。先の処暑の君に似ていたから。]
……失礼。初めまして。
灯守りの二十 小雪よ。
……処暑の君、であっているかしら?
[一瞬固まったことに何か言われただろうか。
言われたら正直に、先の処暑に似ていたから驚いた旨を伝えるでしょうけど。
一先ず、挨拶を交わして、何かあれば相談に乗る旨も伝えて。
当たり障りのない話をしたけれど、あまり話したがらなそうにしていたのなら、すぐに別れることでしょう。]
[先の処暑の君との関係は尋ねなかった。
もし本当に関係者なら、とても辛いことだろうと思ったから。
それでも、似ているこの子はたぶんおそらく関係者なのだろう。とそう直感で感じていて。]
願わくば、彼の眠りに安寧を。
ーー似ているあの子に、幸多からんことを。
[願わずにはいられなかった。*]
| ― 可愛いと一緒 ― [どこかで聞いた事があるようなフレーズと共にその雪兎はぼくに近づいてきた。 >>123] そうなのですね。 一緒におやつはうん、おいしいですよね、はい。 [冬至さんは結果、ぼくの片腕にやってきた。落とさないよう注意する。 >>124 それから可愛いが可愛い事をするのを眺める。 可愛い存在が食べるって可愛い。可愛いのゲシュルト崩壊? ぼくは椅子。椅子のつもりだったのに。 あーん、が来て目を丸くした。] あ、あー…… [素直に甘やかされた。 でも、見た目が雪兎だからか。 やっぱり可愛いと思う以外の感想が出てこない。] おいしいです。 [暫しその味に浸った。] (131) 2022/01/22(Sat) 21:41:28 |
| [そうして、冬至さんのお話を聞く。 >>129 不安というのは誰にでもあるのかな、と思えば気は少し楽になる。 蛍がいると助かるんだな。とその言葉を頭に入れつつ。] あ、いえ。 大変ですけれど領域の人や先代も助けてくれますし。 [幾つ目かのあーんが来れば素直に受け入れた。 そうこうしていたら、大寒さんが目に入った。 まだ挨拶してない相手に声をかけたかった。 二人の会話? がキリが悪くない時を選んで。] すみません、ぼくちょっと行きますね。 [そう言って二人を優しく希望される場所があるならそこに。なければテーブルがいいだろうか。 そっとおろして移動をしたのだった。 なかなかにして……幸せな時間だったと記しておく。] (132) 2022/01/22(Sat) 21:44:11 |
| ― 大寒さんと ― [もしそんな悪戯されたらぼくの顔はまた、上着に埋まったかもしれなかっただろう。 >>114 それはさておき。] はい、そうです。立春さんと啓蟄さんですね。 お世話には、はい、なってるかと。 [お隣同士、鍵の受け渡しとかそういうのは普通にある。蛍の菜虫化蝶さんにも良くして貰ってるし、うん。 続く言葉はやっぱり優しくて。 >>115 ぼくはまだなりたて。見つけるのはこれから。 それはごく自然で当たり前の事。
幸せを願う言葉は素直に嬉しかった。] そうですね。 皆さんを色々見て考えています。 焦らず……はそうですね。 ありがとうございます。 (133) 2022/01/22(Sat) 21:46:27 |
| (134) 2022/01/22(Sat) 21:47:22 |
| [それは表情も物語っていた。 >>118 反射的に謝ろうと思ったけれど、うまく言葉が出なかった。 ぼくは人付き合いがうまくない。 経験値がまだ足りない。 何の言葉が正解なのか、迷って即座に出せないんだ。 蛍に何を求めるのか。ぼくの問題はそういう事なんだと自分でわかっていないんだ。] [言葉を真剣に、取りこぼさないよう聞く。 >>119 蛍がいる人より、いない人に聞きたかったのは…… いない事がどういう事か、を知りたくて。] (135) 2022/01/22(Sat) 21:48:51 |
| ─────…… [うまい言葉が出なかった。 >>120 ただ、蛍を置こうとしない先代を一時。ふっと思い出した。 それは、無意識にぼくの中にもあるのかもしれない。 だから柔らかい部分に刺さった。 わかる気がする、というのは簡単だ。 でもそれを言うのは烏滸がましい気がしてしまった。 ぼくの表情は見るからにしおれていただろう。] 願う事は……悪くない。 [その言葉を噛みしめて両手をにぎにぎ、とした。 そう。ぼくがほしいのは……──── ] (136) 2022/01/22(Sat) 21:51:23 |
|
ありがとうございます。 少し、自分の中の心の形が見えた気がしました。
[そんな表情をしながらも真剣に返してくれた相手にしっかり頭を下げた。
そのおまじないは確かに届いた。 未来への不安の形が見えたこともあって 心は落ち着いた気がする。]
ええと、その…… 本当にありがとうございました。 あの、甘いの大丈夫ですか? お礼をさせて下さい。
[ぼくは相手の事をよく知らない。 だからうまい言葉や行動を紡げない。 ただ、その中でも自分に出来る精一杯をしたかった。 遠慮されればそうですか、と若干しょげつつも素直に受け入れるし、受け入れてもらえれば後日雨水での人気店の銘菓を詰め合わせた物を贈る事になるのだろう。]** (137) 2022/01/22(Sat) 21:53:21 |
| (a34) 2022/01/22(Sat) 21:56:59 |
人が目を向けるもの。
注目をするもの。注意を払うもの。
興味を惹くもの。奇異に思うもの。
さまざま さまざまに、 それには 意志が、
思考が、感情が、思惑が、見え隠れする もので。
目は口ほどに物を言う、どころか、それ以上に
彼らは雄弁に雄弁にそう そう語るのだ。
五月蝿いほど。
ずっとそれが。 おそろしくて。
屋敷の前に棄てられていたわたしを見るなり、
先代の大雪はこう云ったそうな。
「 ……随分と、怯えて。こんな傷も作って。 」
「 アァいけないね。この子は、……
そうさね、後継って奴もそろそろ考えにゃあ
いけない頃合いだったかな。 」
「 というわけさ、ウン── 子育てなァ。
心得はねェがやってみるか。
という訳さ、誰も屋敷には入るなよ。 」
と、まあ。
ひと目見れば私が畏れられるような、
ひとを操る、──などという力を持っていること、
あのお方はわかっていたでしょうに。
――回想:小満との付き合い
[ 思えば小満とは 随分と古い仲になる。
フェイと初めて会ったのは 確か会合での場。
なんだかんだと大人達が集う場。
立ち位置は違ったとて それなりに年も近かった彼とは
先代の小満を通じて話す機会にも恵まれた。
ぐっと距離が縮まったのは
小雪の天才的発想による中央域お風呂建立大作戦
あの頃からだったような記憶が
あった、――ような気持ちが なんとなくある ]
[ パーティーが発足した日
見学兼決起会の如く 二人を冬至域へ招いた。
ほかほかの 理想の露天風呂
折角なので夜空に月など浮かべて見せ
雪見酒を振る舞うなどしたのだったか
特段に拒んでいる訳ではなくとも
その頃には 精々が露天風呂しか無い常夜
あまり人の寄り付きたがるような場所でもない
自発的に幾度と来たがる物好きはそう多くなく
おつるが嬉しそうに跳ねていたのを覚えている ]
[ 閑話休題。
先代の小満には 世話になった。
何分 "文字通り子供"であった時代
優秀で勇猛たる軍師の蛍が居たとはいえ
当時、――本来まだ十やそこらの子供の時分
ある日ふっと その場所に幼女が座す事の異質
異常を察せぬ程めでたい頭ではなかった。
時には、優秀な蛍であっても察しきる事は難しい
灯守りが故の色々を 彼から教わる一幕もあったか。
先代の小満は 幼いながらにわかるほど
本当に正しく仕事の出来る灯守りだった。 ]
[ ――先代小満と 今代小満。
似ているようで違う
けれどどこか少し 似ている二人。
先代小満のことを知る者は
今、どれだけ居るのだろう
先代の冬至を知る者は
今、どれだけ居るのだろう ]
[ 嘗て、雪見風呂を囲んだ三人
全員が集う事はもう 二度とない
――若かりし頃。
たとえそれが 如何な道であったとて
知っている人が居るということ
昔、あんな事があったねと
そうやって話せる間柄の者が居る今は
きっと、幸せなのだろう ] *
それから それから?
あれこれ屋敷にあったものをかき集めたのだろう。
どっさりと、山のような人形を幼い私に見せて
あのお方は私にこう言ったのだ。
「 この人形たちをうまく操れるようになるまで 」
「 あんたはここから出ちゃいけないよ 」
──── これが、
ながいながい 始まり。
私の目隠しになってくれていたのだと、
そう気がつくまでは、まだ。
……あの人が頽れるまでに、
すべての人形を同時に、── までいけなかったのが、
すこうしばかりの悔い。
未熟なままで大雪を継いでしまった。
だから、昔も今もまだ、自分の能力は
恐ろしくも悍ましくも仕方なく、
……それでいて、 自信もまた なかったのだ。*
ーー先代の記録:旅に出たあとーー
[眞澄が手紙を読んでいたであろう頃、既に己は小雪域から出ていた。
妹が取る行動なんてわかりきってるし、そもそも小雪内に留まる気なんかなかった。
行方不明にしておけば、否が応でも眞澄を灯守りとして認めざるを得ないはず。
まあ、認めない奴はもういないけど。
これから認めない奴は出てくるかもしれないけど、それは眞澄の自己責任で。
そうならないよう、育てたつもりだし。大丈夫でしょう。
]
さーて、まずは距離が近い冬至域に行こうかなぁ。
その後は小満域で。
霜降域はーーほとぼりが冷めた頃に行こう。
[紫明はめちゃくちゃ怒ってる様な気がするんだよね。
何となく。そんな気がするだけで実際は違うのかもしれないけど。
まあでも、予感を蔑ろにすると痛い目を見ることもあるので後回しで。]
……ゆきちゃんと会えるといいなぁ。
[まあそれは、今後行く親友と紫明にも言えることではあるけれど。
もう寿命を待つだけの身だから。
最後は友人たちと思い出話をして、世界を回るつもりだった。]
まっ、とりあえず露天風呂に行ってみますかね。
いやぁ、久々だね! もう一度行きたかったんだぁ!
[いつぞやのお風呂建立大作戦。
その時に見学させてもらった露天風呂が忘れられない
。
その場に行けば、もしかしたら会えるかなぁ、なんて。
少しだけ期待して向かうのだった。*]
── 小雪と会う回数を重ねる毎、
冬至の雪うさぎの開発に手を貸す毎、
お隣さんから、じわりじわりと 雪解けのように
私の世界は広がっていったのだ。
( 蟻のぬいぐるみをつい食べようとする
アリクイのぬいぐるみが居た事は、……
今は既に笑い話 )
後輩が増えて、並んでいた人々が「先代」になって、
うつろいゆく代替わりに、術を使う指先が
どんどんと冷えてゆく感覚があるけれど。
…… まだ、片隅にいたいのだ。許されている間は。*
[冬至は私のことを『フェイ』と呼ぶ。
隠している名でもないし、咎めたこともない。
私たちが初めて顔を合わせた日には、私は灯守りでもましてや蛍でもなく、『飛心』と名乗る他なかったので、ごく当たり前のことだ。
はじめて中央の地を踏んだのは15にもならない頃。
同じ歳の頃に灯守りになった冬至と心通わせるのは容易い話だった。]
[先代も冬至を気にかけていた。
いいや新人とあらばそれだけで気にかけてしまう人柄ではあったのだが、その中でも年若で灯守りになった少女のことは、娘のようにすら感じていたかもしれない。
仕事がなくとも話をしようと試みたし、悩みがありそうなら解きほぐしたかった。
結果、何でもない『飛心』と冬至のゆきの間もまた、少し近づく。
とはいえ、しばらくは比較的年近の相手というくらいで、時折笛を吹いて聞かせただとか、それくらいの記憶が主。
本格的に仲のいい相手になったのは、小雪から風呂の話が出た、あの時くらいから。
露天で雪見に月見酒なんて洒落込んで、それから百年数えても、言葉遊びで笑い合うような仲でいる。
小雪は代わってしまったが、それでも皆々仲が悪くもなく。
今ある幸福を噛みしめる*]
[旅立った前小雪――菴が小満域を訪ねたときには、目ざとく見つけて領域に呼び込んだ。
先に冬至で露天を堪能してきたと知れば『なんで呼んでくれなかった』と小一時間愚痴ったっけね。
言わなかったが、あのとき出したのは小満域でもとっときの美酒だ。
喜びたまえよ、我が親友*]
── 回顧 ──
おおよそ九十年ほど前だったか。
先代の大雪が、突然領域のすべてを閉め切って
他所に一切顔を出さなくなった、という ──
手紙のやり取り程度はあったやも知れないが、
十年間ほど、ずうっと。
誰とも関わろうとせぬ時期が あった。
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