![人狼物語 三日月国](./img/mptitle_prov_v0.jpg)
174 完全RP村【crush apple〜誰の林檎が砕けたの?】
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視点:人 狼 墓 恋 少 霊 九 全 管
ちゃおー−−−★
香坂さんと武藤さん、
おめざはいかがですかー?
おはようございます…?
[何かを抱き締めていた感覚が空を切って、
どうしようもない空虚な気持ちを抱えたまた目を開く。
能天気な声が聞こえたから。*]*
![](./img/okamigakuen/37.png) | ──現在・天使の言葉を受けて >>0── ……………………。 [工藤は天使を見つめたまま、ただ沈黙していた。 痛切な叫びが、自分の中から湧き上がるのを感じた。 だがそれが表情として現れることは無く。] よ、…… [天使の言葉をなぞろうとして、もう一度口を噤む。 それから朝霞さんの方を向くと、] 良かったですね。大事が無くて。 [天使の言葉をそのままなぞった。]* (1) 2022/09/10(Sat) 0:11:23 |
| (a5) 2022/09/10(Sat) 0:13:32 |
はい、おはようございますですのー。
ここは病院ですのー。
災害事故のあと、運ばれたのですわねー。
さてさて、お怪我はいかがですか?
かすり傷、軽傷ぐらいはあるかもですわね。
でも、大事になっていることは何もありませんわ。
ふふ
ただ、あなた方のところには、
そういうことがあったというだけで、
建物のどの部分がどうなったか?はわかりませんの。
仕方ないですわね。ともすると、ショックが大きくなってしまうからかも。
お目座になった人々以外の人たちの病室とかも入れませんですのよ。
ご心配なのはわかるのですけれどねぇ。
でもねでもね。
ブルベエルが頑張って交渉して、
貴方たちが眠っている間は、元の世界、
すべて見ることができるようにしました!
だって、そのほうが、エモ…じゃなくて美しいですものね。
さ、ご心配ならば、大人しく養生されてくださいましー。
[他の現実のものにはこの天使の姿は見えていない]
びょういん…。
[なんとなく、いろいろ思い出す。
夢の中のこと、帰ってきたのだということ。
怪我の具合はと聞かれ>>*1、
体を見たがいくらか擦り傷が手の甲などにある以外は
見当たらなかった。
やはり笑えるほど健康なのだ、自分の体は。
然程嬉しくもなかったけれど。
あの夢が本当なら、
まあ、天使が見えるので本当なのだろうが、
ムーンも病院のどこかにいるのだろう。
後で確かめようと思いながら、
今は何も考えられず、目を閉じた。]*
──夢──
[夢の中で、皆の姿が見れる。>>*3
それは望んでいたはずなのに、見るのがつらいような気もする。
天使の声を聞く皆の姿が見える。
ミサミサとじゅじゅか…。
よかったな、とはいえないのは、二人の顔を見て。
そして先程までの自分と重ねて。
素直に喜べないこと、知っているから。
ああこれで、あいつは女子一人になってしまうな、とか、
そんなことを考える余裕はなくて。
ただ、無言のまま浮かべた表情に、
やはりひどく残酷なことを頼んでしまったのだと自覚する。]
……、ごめん。
[届かない言葉が虚しく響いて、静寂に吸い込まれた。]**
[天使にじゅじゅの名前が呼ばれて思うのは徹っちんのことだが、大丈夫だろうか。
皆がいるレストランから最後に会った第14展示室に行ってみる。]
……、ちゃんと話せると良いな。
後悔ないように。
[聞こえない声をかけてみるけど、それは心から願うことでもあって。
この展示室で伝えたのも本音だったが、オレの言葉では響いていなかった気がしたし。
名前を呼ばれてから消えるまでに、皆と話して、伝えたいことも伝えて。
できる限りはしたつもりだが。
徹っちんのあからさま沈んでるような雰囲気に、オレでは役に立てなかったのが少し心残りで。
多分それを何とかしてやれるのは彼女くらいだからと、レストランに戻れば、徹っちんへとだろう電話をかけているじゅじゅに]
徹っちんをよろしくな。
[と改めて、声をかけておいた。
聞こえないとはわかっていても、オレはどうやら、"誰かと話してないと死んじゃうマン"らしいので。
と、くっきーがムーンに対して言っていたオレのことらしい謎の呼称を思い出したりとしていた。]*
[最後に送ったLINEを先輩が見ているのを覗き込む。
何を言わずとも何となく、先輩なら「武藤もな」とか思ってるのだろうなって。
そういや徹っちんには個人的にもメッセージを送ったが気づいたろうか、とか。
自分が残してきた痕跡が本当にあるのかという不安がどこかにあって。
とりあえず研究室LINEには残ってたことに安堵した。
消える間際くらい、ミサミサへのまつもっちゃんからの優しい冗談、還ってオレに問い詰めろという言葉が本当になるとは、その会話は最早あの時は意識を向けられてはなかったオレには知らない話だけど。
知ることがあるなら、戻ってきたミサミサには存分問い詰められてやってもいいと思うだろう。
無事に還るならなんでも嬉しいからと。
どこかいつもとは違う何かを思わせる無表情に、彼女にとっても何か得たものがこの夢の中であるならば、最後の時間も有意義に過ごして欲しいと思うのだ。
オレからくだらないジョークを学んでくれたみたいに、きっと、いろんなことを周りから少しずつ教えられているのだと、そうなら良いなと思うから。]*
[皆が幸せになることを願ってて、
周りにばかり気を回して、
気づけばふらっと消えているまつもっちゃんは、
呼ばれなかったことを安堵しているのだろうか。
たくさんかけてほしい言葉を貰って、背中を押されて。
なにも返せてないこと、返す機会はあるんだろうか。
気にすんなと言うだろうけど。
オレは忘れてないから。
オムライス、食いに来いって言ってくれたこと。
くっきーと徹っちん、それから全員連れて。って。
でも全員連れてける場所ってさ…、あの時詰まった言葉の先、考えるのはやめておく。
そうやって、残してきた皆を見て。
思うところ、願うこと、たくさんあるのだけど。
手は二本しかないからと、
その手で掴めるものだけでも守れと言われたから。
一人外に出ていく一番心配な、消える時、一番負担をかけた相手の後を追う。]
![](./img/okamigakuen/37.png) | ──現在・天使のお告げ後朝霞さんと── ……………………。 [心なしか険を含んだような返答 >>4。もちろん工藤が彼女の心境を慮ることは無い。 無いが、彼女の目をじっと見つめていた。 背中を撫でられて、びくりと震えた。] 工藤さんが帰れるのは。 主語が変わりました。 [背中に当たる感触。その手の温度を感じ取りながら、工藤は小泉先輩から教わったこと >>3:220をそのまま口にした。] 『私は良かったですねと思ったけど、実際は違うのでしょうか。』 朝霞さんに大事が無くて。 [彼女が津崎先輩に電話をかけ始めるまで、その後多少の会話があっただろうか。]* (26) 2022/09/10(Sat) 7:52:22 |
![](./img/okamigakuen/37.png) | ──回想・黒崎先輩とガールズトーク >>3:381── [黒崎先輩は言いよどむと、左手を持ち上げて、体液の滲む絆創膏を見せた。 空気が動いて、匂いがさらに濃くなる。 工藤はじっと切れた指先を見つめると、唐突に黒崎先輩の傷ついた指を掴んだ。] 血じゃなくて林檎の果汁が出てきた。 津崎先輩も、ここで怪我すると、血であって血じゃないものが流れるみたいなんでと言っていました。 >>3:232 ……ここから、悲鳴が聞こえてくるようです。 [工藤は、己が感じ取る匂いを、そのように表現した。 それから黒崎先輩の手首に二本の指を押し当てると、脈の音を確認する。 何の異常も見られない脈音。 この命の管には、いったい何が流れているのだろう。 正体を黒崎先輩から告げられたところで、不気味なことには変わりがなかった。] (30) 2022/09/10(Sat) 8:19:11 |
![](./img/okamigakuen/37.png) | [そしてお酒の話でも黒崎先輩は再び口ごもり >>3:382、しかし共犯者不在のため一人で詰問されることになる。 「そうですか。武藤先輩も酒臭かったです」 「武藤先輩と一緒に飲んだんですか」 「武藤先輩と一緒に飲むお酒は楽しかったですか」 「一人で飲んでもそう思わないのに、武藤先輩と一緒に飲むお酒は楽しかったんですか」 などと、全くの無表情のまま詰められることになっただろう。 いじっている自覚は無い。]** (31) 2022/09/10(Sat) 8:21:30 |
| (a13) 2022/09/10(Sat) 8:23:21 |
[館内を歩きながら小さく独りごつのが聞こえた。
零れ落ちる前に何か思考していたのだろう。
「でも」の前にあった言葉は文脈から想像するしかなかったが。]
肉体的には確実にあの二人より強いが
[これまでの出来事を思えば脆い部分、不安定なものを抱えていそうだった後輩たちのことを思えば、精神的な話だろうとはわかるので]
……、どうだろうな、
少なくともオレ的には"そっち"にいた時の方が安定していた。
[独り言に独り言で返しながら隣を歩く。
独り言は零しても涙を溢す様子はないことに少し、安心する。
ただ、無理をさせているなら。
泣いた方が楽になるものがあるなら。
泣くなよと取り付けてしまった約束を申し訳なくも思う。]
![](./img/okamigakuen/37.png) | ──現在・天使のお告げの後朝霞さんと会話 >>28── 朝霞さんが帰るということは、他の誰かが帰れない。 それを思うと、素直に喜べない。 では朝霞さんが死にたかったのですか。 [工藤にはその複雑な心境を、共有できない。] 私は朝霞さんが呼ばれて良かったと思っています。 死んでほしい人は他にいます。 [そのように、決して口にしてはいけない言葉を使った。 同じ立場に置かれた相手が、工藤でなければ。分かり合えたのかもしれないけれど。]* (34) 2022/09/10(Sat) 8:57:02 |
![](./img/okamigakuen/37.png) | ──現在・スタッフルームに行く松本先輩を呼び止める── なんかありました。 [皿を水に浸した後 >>11、スタッフルームに行こうとする松本先輩の手首を掴んで呼び止めた。 疲れているなら後にしようとか、そこそこのところで会話を切り上げようとかいう気遣いは無い。] 武藤先輩は私をハメました。 そして、松本先輩が置いてくれた湿布を貼ったので、私の足の痛みが弱くなり、松本先輩に礼を言うと喜ぶとも言いました。 これは私はハメられてないと思うのですが、実際は違うのでしょうか。 [とはいえその後も何度もぶつけたから、脛以外の場所にも痣はいろいろできている。] (35) 2022/09/10(Sat) 8:58:25 |
![](./img/okamigakuen/37.png) | [それから、手首の脈を感じながら、じっと松本先輩を見上げた。] 松本先輩の名前は呼ばれませんでした。 良かったですね。死んでるかもしれない側に残れて。 [脈を測った時に松本先輩 >>1:54がこぼした言葉。 生きることを厭う理由は知らない。その苦しさも想像できない。 だが、誰が命を落としたとしても、どうせ胸はざわめくのだ。 ならばせめて、一つの死が、心から望む人に訪れればいい。]* (36) 2022/09/10(Sat) 8:58:55 |
[あの時と同じように、一人で走る姿を美術館エントランス前で座りながら眺める。
今のオレの体、形はあってもおそらく意識だけなのだろう、幽霊のような姿は疲れたりはしないかもしれないが、一緒に走るのはしんどそうだし。
くっきーが走っているところを見るのは好きだ。
ぼんやりと見ながらどうにも走る様子が前とは違うとは思っていた矢先、植え込みに向かい体を曲げるのが見える。
嘔吐しているところを女子が見られるのは嫌だろうとは思ったがそのようなことを考えてる暇はなくて駆け寄った。
オレの姿は見えないのだから気にしなくて良いのだろうけど、まあ、心情的に。]
……、
[緩く背中をさする仕草をしてみてもそこに温度は感じない。
驚愕を孕んだ声に視線を移すと、吐き出されたそれらは林檎の残骸だった。
正しく夢の中なのに、果実の腐り落ちたような香りは感じられた気はして。
林檎そんなに食ってたっけ、なんて思ってもカレーとか他のもの食ってたのは知ってるし。
異常現象のひとつなのだろうとは理解して。
これらが何を表すのかわからないけれど、この中を生きてる皆の精神に優しくないのはわかるから。
添えた手で背を軽く叩いた。]
| (a15) 2022/09/10(Sat) 9:03:34 |
[ふらふらと荷物の方へ向かい座り込んだ先、隣に腰をかけて苦しげな顔を見つめる。
水飲まなくて平気だろうかとは、その心の内までは知らないから心配になるけれど。
無理をしているのは明白で、何故オレはそばにいてやれないのだろうと思う。]
帰ったら、泣ける映画でどちらが先に泣くか競争だっけ。
いや、泣かないでいられるか、だったか。
[ぽつぽつと小さく話したことを思い返して呟く。
あの時はもう時間がなくて、意識の薄れゆく感覚に抗いたくて、あの場所から消えたくなくて、咄嗟に抱きしめてしまったけど。]
……あー、映画の勝負なら多分、
負けないとは思うんだがな、
………、
この場では、オレの負けで良い、……、
[隣で座り込み、声を殺す必要もないのに口元に当てた自分の手の甲の下、唇を噛み締める。
代わりに泣いてやれれば、なんて思ったけど。
結局のところ自分が寂しいだけで。
何もしてやれないのが歯痒いだけで。
言葉が届かないことが、触れられないことがもどかしくて。]
………、っ、
、ああもう、くそダセェ…
[目頭に溜まった熱いものが頬をつたう感覚だけはリアルで。
融通の効かない夢だなと思うけれど。
おそらく現実で眠る自身の感覚をそのまま感じているのだろうと思えば、涙を流しているだろう寝顔は誰にも気づかれなければ良い。]**
──現実・病院──
[やけに開きづらい瞼を無理矢理押し上げ、目元を擦る。
オレの怪我は大したことないどころかほぼないのだが、
一応いろいろ調べたりは必要なようで、
すぐに元の生活に戻れるというわけではなさそうだ。
実家の両親が着替えやら何やら持ってきてはくれたらしい。
スマホを開くとLINEの未読バッジが大量に増えていて。
ああ、時間が動いている、と思う。
『大丈夫?』
『武藤死んだってマジ?』
『なんで昨日の飲み会来なかったの』
…
自分に関する話題だけ探そうとしても、ほかの話題も入り乱れていて面倒くさい。
とりあえず上から順に、虎の寝ているスタンプを送信していく作業をした。
研究室LINEはかなり下の方に置いやられていて、最新は集合写真で止まっていた。
それを見てまた目の奥がズキンと痛んだから、スマホを閉じてベッドから降りた。]
とりあえずムーンの病室探すか…
[病院の廊下を歩き、売店で菓子や飲み物を買う。
それから病棟に戻り、『香坂柚月 様』と書かれたプレートを探した。
ムーンのいる病室を見つければ、入って声をかける。]
おはよ、ムーンも天使にはいろいろ聞いたか?
[と話しかけながら、買ってきたカレー味のスナックを渡したりとしておこう。]*
[くっきーとミサミサがガールズトークしていた時はオレは別のことしてたと思うから、まさか飲酒のことで問い詰められていたとは知らない話。
一緒に問い詰められてやらなかったのは幸い、いや、くっきーには申し訳ないが、もしその場にいたなら、酒のというよりは飲み会の楽しさとかをとうとうと説いていたかもしれない。
飲みの席みたいな場にミサミサの姿を見たことはあったろうか、あまりない気もする。
面白そうなやりとりは知らない話ではあれど、ミサミサが起きたらいろいろと話したいことはあるな、と思っている。
まあ、ジョークのルールの件の弁解が先だろうけど。]**
──夢──
[地べたに寝転がっているくっきーの隣でしばらくその様子を眺める。]
悲鳴?
[何の話かは知らない独り言には首を傾げて、その後しばらくして呟いた一言に、薄く笑みを浮かべた。]
……そうだな、大丈夫だよ。
[逃げるのはやめた彼女なら、逃げることから引き留めてくれた彼女ならきっと、大丈夫だと、負けないでいてくれると信じる。
おいてきてしまったもう一人、手が2本しかないなら掴みたいもう一人は大丈夫だろうかと姿を探す。
どうにもほっておけないアイツが結構悪いモードに入ってるなって別れ際思ってたから。]
[時間の概念が曖昧だが、くっきーを追って外に出る前だったと思う、まつもっちゃんを引き留めるミサミサを見て足を止める。
おっ、湿布のお礼を言うのか?とオレは期待する。
したんだが、唐突な「武藤先輩は私をハメました」に慌てた。]
待て待て待て、ハメてない!
ジョークを言うミサミサは面白いのであれは必要な教えだった!
おかげでオレは酸欠で死にかけたくらいだ、誇って良い。
[とか、彼女の無表情の前に顔を突き出して騒いだ。
その鉄面皮から湿布の話が出れば、おとなしく見守る。]
いや、オレの言うこと全部悪質な罠みたいに思ってないか??
武藤先輩は良い人だぞ、優しくてイケメンだ。
って唱えたら上書きされてくんねえかな…。
[くらいの口は挟んだが、実際挟めることはないので問題ない。
お礼を言うこと、ちゃんと覚えてくれてたのだと思うと嬉しいと思ってしまっての照れ隠しのようなものだ。隠す必要もないのだが。]*
[徹っちんを探しに行こうとして、やってきたよっしー先輩がくっきーの側にしゃがみ込み、話しかけるのを見て少し安心する。
徹っちんに彼女を任せたとは言ったが、多分徹っちんは徹っちんで大変なのはわかっているから。
じゅじゅが目を覚ますことがわかった今ならば、尚更。
恋愛と友情と信頼の違いとか小難しい話、二人がしてるのを見かけたとしても、詳しくは聞かないだろうけど。
そういうのを盗み聞きするのはなんか、趣味ではないし。
ただもしその命題を何かの機会にでも問われたとしたら、どう答えるだろう。
感覚でしかわからないから説明が難しい気はする。
こう、胸が苦しくなったり意味もなく切なくなったり、緊張したり脈拍が上がったり、そういうのが恋愛感情なのかな、とは。
友情は、って考えて。徹っちんの顔が浮かぶと思うけど。説明にならないか。
今徹っちんがもしもオレの頼み事を気にしてるのなら、
オレのことは気にしなくて良いんだって、
自分のこと大事にしてほしいって、なんとなく、
オレのことも思い出してくれてるなら良いって願望込みで思った。]*
[それから徹っちんを探して屋上に来れば、行き倒れになってるみたいな姿を見つけるだろうか。]
?!???!
徹っちん?!大丈夫か?!
[誰か呼ぼうにもオレには人を呼ぶことは出来ず。
駆け寄っても何もしてやることはできない。
だから、誰か来るまでか徹っちんが自力で人のいるとこまで行けるまでかわからないけど、そっと痛そうな腹に手を添えることしかできない。]
何かあれば助けに行く、って言ったのにな。
ごめんな。
[倒れた姿の横に座り込み、なんの役にも立たない手を腹の辺りに触れさせて、ぽつぽつと聞こえない声を一番の友達にかける。]
徹っちんはさ、諦めちゃうとこあるだろ。
ほっといてくれって、気にしないでくれって。
あのとき、オレが怒鳴って周りが険悪になった時…、
悲しかった理由を話してくれたみたいに、
もっと口に出していいんじゃないか。
[オレみたいに言われなきゃわからない奴もいるから。
いや、多分大体の奴がほんとの気持ちとか、言わないとわからないのは当たり前なんだと思うから。]
諦めて一人になって、
それで傷ついてる徹っちんを見るのは…
多分、その原因かもしれないと自覚してる相手はつらいからさ
[と、独り言の最中にまつもっちゃんが現れて、心底安心する。 オレの手をすり抜けてまつもっちゃんの手が傷口らしき箇所を圧迫すれば、少し離れて様子を見た。]*
[まつもっちゃんに抱きかかえられて、時折短い言葉を交わすだけの徹っちんの具合はいくらか良くなってきているようにも見える。
手当ては必要ないのだろうかとは思うけど、無理に動かすよりも今のまつもっちゃんの対応が最適なのかもとは、何となく。
死にたい気持ちがわかるって言葉の意味は察しの悪いオレにはよくわからない。
仮にじゅじゅとのやり取り聞いてたとしても多分、オレにはよくわからなかっただろう。
だから、その気持ちの理由を徹っちんに聞くことができない自分を歯痒いと思った。
まつもっちゃんの「そういう日もある」に、好きな歌だと言ったら徹っちんが送ってくれた曲を思い出して、そう割り切れる出来事なら良いな、と。]
オレは無事だよ、笑えるくらい。
でも元気ではないかも。
徹っちんもいないし。
[話すこともできないし、一緒に飯食うことも、お菓子分けることもできないから。
だから出来るうちはやっといた方が良いよって、伝えられたら良いのに。
だけど、オレのいないとこでもオレのこと、思い出してくれるのはすごく嬉しいなって思うから、ちょっと元気出たよ。
それから「香坂ちゃんや今泉ちゃん」って言葉にアプリコットやみこの病室もわかったら顔出すかな、とか考えて。
徹っちんの寝顔を見ながらそっと(する必要はないのだが)二人のそばを離れた。]*
[そっと離れた後のこと、徹っちんが目を覚ました時の場面は見ていない。
これは夢の中で、天使から頼んだ神のご慈悲の賜らしいので。
意識すれば好きなタイミングで好きな場所に行けるのかもしれないけど、とりあえず今は心配は薄れたから。
くっきーと先輩はどうしてるだろう。
先輩なら頼りになるから彼女を元気付けられるかな。
集合写真撮った後の二人の会話は知らなくて、先輩の心の内も何も知らないから、単純にそんな風に思いながら。
屋上からエントランスに飛ぶみたいなことは、かなり現実感の薄れた幽霊みたいな今ならできるのかもしれないけど怖いのでやらなかった。
階段を降りて美術館をエントランスに向かって抜けようとすれば、じゅじゅが歩いているのが見えたろうか。
ついて行けば、あの絵の前。
ミサミサの絵に話しかけている。
偽物のミサミサのことはLINEで共有された話からしか知らないから、何か異常現象の一種くらいに思ってたけど違うのかもしれないなと少し思った。]
[じゅじゅには徹っちんのことよろしくって言ったけど、二人にとってそれは、やはり余計なお世話だったのかなと、屋上での徹っちんを見て思ったりもする。
仲良くできるよと保証したのは本音だし、じゅじゅも仲良くしたいと思ってるというのも本当だとわかる。
ただ、オレともくっきーとも仲良くしたいと言った彼女は、皆と仲良くしたいと思ってるということなのかもしれない。
いや、多分皆と仲良くしたいと思ってるとは思うんだけど。
そりゃな、それはオレもそうだし。]
オレは誰かの特別になりたくて、
誰かを特別に思いたいと思ってるけど
じゅじゅはそうじゃないのかな。
[オレは受け入れるのは難しい「皆のためなら自分を犠牲にしても良い」なんて自己犠牲を持ってるのは知らない話だけど。
還ってきたら聞いてみようかな、と思った。]*
[じゅじゅがミサミサの絵に話しかけている内容の意味はよくわからなかったけど、なんだろう、彼女は本当に博愛を持っているんだなと思う。
"人と違う感じ方"については気になったからなんとなく記憶には留めたと思うけど。
それからくっきーと先輩の話してるとこに戻って来れば、もう起き上がってたくっきーの隣に座って二人の会話を聞いた。
先輩がかける言葉を綺麗事とまでは思ったことないけど、言葉を選んで相手を気遣って話してるのはなんとなく。
先輩にもそういう心の葛藤みたいなのがあったなんて知らなくて。
先輩が傷つきたくないから本音を隠してたこと、意外だけど少し嬉しいと感じた。
誰でも弱いところあって当たり前なんだと思えて。]
………、
[絶対に再会したい人がいるって言葉が自分のことだとわかるから、くっきーが死にたくないと思える理由になれてることがオレにとっては救いだ。
それはオレが生きてる意味、生きてていい価値があるってことだから。]
![](./img/okamigakuen/37.png) | ──現在・特別展前── [松本先輩や朝霞さんとの会話の後。 やがて工藤は、匂いに耐えかねてレストランを後にした。 向かった先には、朝霞さんがいた。 >>92>>93>>103 特別展の、工藤を模した絵の前で、静かに語りかけていた。 工藤が動いている限り、口でも文字でも、決して意思を見せぬ絵に。] ……………………。 [その時は、彼女は、人と感じ方が違うという悩みを話していただろうか。 工藤もまた沈黙したまま、朝霞さんの背中をじっと見つめていた。 音も無く。気配も無く。気づかせることも無く。 やがて、朝霞さんが「慌ててお話に来ました」と言って初めて、背後から声をかけた。] その絵は動きません。私が望んで中に入らない限り。 [そのままふらふらと歩み寄る。目線を絵に向けたまま。 そして絵に触れると、朝霞さんに視線を向けた。] 私は自分では出られません。話が終わったら引っ張り出してください。 [言うと、反動をつけて、絵の中に飛び込んだ。] (111) 2022/09/10(Sat) 20:32:42 |
![](./img/okamigakuen/37_B.png) | [工藤が中に入ると、入れ違いに全く同じ顔の女が飛び降りた。 その時どこまで話が進んでいただろうか。とにもかくにも、理想の投影は、朝霞に人懐っこく笑いかけた。]
ありがとう。 このハンカチは私が唯一手に入れたもの。手放したく無かったの。 それにほら、こうして合わせると、挿し色になって綺麗でしょう?
[スーツの胸元に押し当てて、悪戯っぽく見せつけた。]
起きるまでの間は、私はあの子の中に溶け込んでいる。私の意思で動くことは無いけれど。 だから、あの子が把握していることなら、情報共有しなくて大丈夫。 それで──わざわざ『私』と話したかったことを聴かせてくれるかしら?* (112) 2022/09/10(Sat) 20:33:52 |
| (a37) 2022/09/10(Sat) 20:36:38 |
| (a38) 2022/09/10(Sat) 20:37:32 |
[泣いてしまいそうだけどって葛藤には、やはり胸が痛んで。
我慢するくらいなら泣いても良いって、少しでも楽になれるならって伝えたいけど伝えられないのが苦しい。
でも、それを先輩が伝えてくれたから]
ありがと、先輩。
先輩の本音は、建前よりきっと優しいよ。
[そう、小さくお礼を呟いた。
本人はまだ頑張るみたいだから、やはり心配にはなってしまう。
無理させてしまうなら「泣くなよ」なんて言わなければよかったと思うけど、約束が気を張らせている支えになっているなら、崩れてしまうよりは良いのかも、とは少しだけ。
並べられてる「知ってる」人達の名前に、その知ってる事実は基本オレがくっきーに惚れてるというだけなのではとは思いつつ。
先輩は何か察してたらしいから、消える直前まで二人でいたし見えないようにだが手も握っていたし、そのせいかなと思うと恥ずかしくもあった。
最後の一人になるかもしれない覚悟、と告げた笑顔からは目を逸らして。
その覚悟はオレの方ができてないから。]
![](./img/okamigakuen/37.png) | ──回想・レストランにて松本先輩と >>68── 誰かが私のために何かをした時。 私に利があった時。 [松本先輩の言葉を繰り返す。それから湿布のことを言われれば、] 松本先輩が置いたものとは気づきませんでした。 気づいたのは武藤先輩です。 [そこまで言ってから、ふと気づいたように続けた。] 武藤先輩が、松本先輩に礼を言うと良いと言った。 だから今、私は松本先輩と話している。これも一つの利益です。 つまり松本先輩の話を総合すると、私は、武藤先輩にも「ありがとう」って言うと良い。 [工藤は学んでいく。全員からとは仲良くできないとしても、根気よく説明してくれる相手に接して。不器用ながら、一歩ずつ。] (118) 2022/09/10(Sat) 20:53:18 |
![](./img/okamigakuen/37.png) | [不器用に、実直に。 言葉の裏を読むことなく、死への渇望を肯定した。]
はい。私もそう願います。他の誰かに決まっていたとしても。
[決して憎いわけではない。親切にもしてもらった。 だが工藤は、先輩の死を望む。]
残念ながら松本先輩の名前が呼ばれて、起きてしまった場合。 先輩はまだ死にたいですか。
[事実を確認するように、じっと目を見上げて問うた。 嘘の見抜けぬ眼で、真実を口にしてくれると信じ切って。]* (119) 2022/09/10(Sat) 20:54:54 |
![](./img/okamigakuen/37_B.png) | ──朝霞さんと──
[ハンカチを褒められて、女は口の端を綻ばせた。 鑑賞物としてのプライドを守ってくれた、一枚のハンカチ。 それは、真実に気づきながらも優しい嘘をついてくれた朝霞との、工藤には無い絆。]
静かな絵には話せても、喋る私には話せない? まぁ、分かる気がするけどね。あの子もそういうところあるから。
[それでも恥ずかしそうに話を続けてくれれば、「んー」と口元に手を当て、少し考えるような仕草をした。]
どうだろう。好きなのかなぁ。 でも、そうだな。気になる人はいる、かな。
[そう器用にはぐらかすと、]
ね、聞かせて。朝霞さんのこと。好意の区別がつかなくても、何か心に引っかかるものがあるから悩んでいるんでしょう?
[問いかける言葉は、決して揶揄する響きはないけれど。 最後ぐらい、ガールズトークを楽しみたい。 どこかでそんな望みもあった。きっと、工藤にはできないことだから。]* (124) 2022/09/10(Sat) 21:13:05 |
| (a41) 2022/09/10(Sat) 21:15:59 |
[先輩がオレとくっきーのことに気づいた理由、憶測でしかなかったが、まさか抱きしめたところを見られていたとは知ることがあるならば、余計に顔が熱くなる思いだったろう。
ただ、先輩。それ結局透けたのオレのせいなのでは???と謎のフォローに返したくもなるというのは更に知らない話。
話してるくっきーの顔色が良くない、と気付いたのはどのあたりからか。
吐いていたし体調は悪いのだろうとは察していたけれど。
林檎を怖がる理由は知らず、先輩に開けてもらった水が、くっきーに渡ればネクター飲料みたいに変わるのは何かのマジックみたいだった。]
くちうつし……、
いや、うん、緊急事態だし、人工呼吸みたいなものだし、
[先輩の提案に横でぐるぐる呟いていたけれど、実際何か水分は取らせないとなとはわかるので。
オレはそんな狭量な男ではないので。
ああ本当に、どうしてオレは目を覚ましてしまったのだと。
くっきーを運ぼうとする先輩に頭を下げながら何も出来ないやるせなさで胸がいっぱいだった。]*
![](./img/okamigakuen/37.png) | ──回想・朝霞さんにお礼言われた >>3:400── [朝霞さんから、過呼吸の際のことについて、礼を言われた。] はい。朝霞さんは私の言うことを聞かなければ、窒息する恐れがありました。 [謙遜することなく肯定した後、「ですが」と続けた。] 以前、過呼吸になった人にも同じことを言いました。 そうしたら嫌われました。私には優しさが無いから、正しいことを言っても聞く気がおきないそうです。 朝霞さんとあの人との違いが、あの人は苦しみ続け、朝霞さんは落ち着くという結果を産みました。 [そう、分かるような分からないようなことを伝えた。 もしも上手に話せたならば、「あなたを落ち着けたのはあなた自身の力だよ」程度は言えたのかもしれないが。]* (126) 2022/09/10(Sat) 21:38:03 |
[ふわふわと、この夢の中にまだオレがいた時のことを思い出す。
徹っちんから「死にかけたことがある」と聞いた時、オレは生きててよかったと答えた。
なんで?は聞かなかったが、理由についてはなんとなく。
前髪で隠した下にある傷跡っぽいのとかは髪撫でたりした時に見えたことがあるし、腹の傷も見たことがあるのでなんとなく。
大きな事故でもしたことがあるのかと思っていたけど、本人の口ぶりから昔はやんちゃしていたらしいので、そのせいなのかもと思ったのは最近の話。
仲良しでも知らないことはたくさんあるけど、そのあたり踏み込んで聞いておいてもよかったのかなとも思う。
どんな過去があってもオレの知ってる徹っちんは変わらんし、とはオレの考え方で。
知ってほしいことももっとあったんじゃないかって。
あの時聞いたら答えてくれたみたいに。
帰ってきたらもっと話したいことあるな、とぼんやり思う。]*
[時間は遡るが、ミサミサに横からごちゃごちゃ聞こえない弁解をしてた時のこと。
ちゃんと話してくれるとわかってはいたけどまつもっちゃんはミサミサにハメられたわけじゃないと説明してくれた。
丁寧に理由を説明する様子に、今度ミサミサと話す時はもう少しオレも分かりやすく説明できるように言語化を学ぼうと考えたりする。
ミサミサから語られたオレにも言った方が良いかというお礼の気付きを聞けば、多分、「おお!」って声、まつもっちゃんの心の声と被ったんじゃないかな。]
そうだぞ、ミサミサからありがとうと言われたらオレは喜ぶ。
めちゃくちゃ嬉しい。
[還ってきた時覚えててくれるかな、覚えててくれたら良い、と思うけど、記憶力が良いの知ってるから。
きっと言ってくれるんじゃないかなとか、期待しておく。]
[それから、まつもっちゃんの死にたい話。
ミサミサは随分ストレートに、死ぬのが幸せならそれが良いと言う。
それはオレにはオレの我儘から言えない言葉だけど、でも、まつもっちゃんにはその言葉が多分ありがたいものなのだろうとはわかるから。
ひどい言葉だとは思わない。
それに、矛盾抱えて生きてくって聞けたのはよかったなって。
きついことなのかもしれないけど、生きてたらきっと変わるものがあるって信じたいから。]**
![](./img/okamigakuen/37_B.png) | ──ガールズトーク >>134── [鑑賞物は、見てもらうために生み出された。勢い、向き合ってくれる鑑賞者には、つい態度が丸くなる。 無理には詮索しない彼女に、ふふ、と笑って「ありがと」と、軽い挨拶のように告げた。 それから、少し体を傾けて向き合いなおした。何でもない仕草だが、彼女が話しやすいように、体の向きを、変えた。 そうして、彼女の心を聞いた。口を挟むことなく、時折頷きながら、穏やかな目線を向け続けた。] (148) 2022/09/10(Sat) 22:36:36 |
![](./img/okamigakuen/37_C.png) | …………。 ………………………。 [長い沈黙の後に、女は深いため息をついて、朝霞の肩をそっと抱いた。] ……それは、苦しい想いをしたね。 [とんとん、と背中をあやすようにタッチする。つい先ほど、彼女が工藤にそうしたように >>4:28。] (149) 2022/09/10(Sat) 22:37:29 |
![](./img/okamigakuen/37_D.png) | [それから手を広げると、ぎゅっと包み込んだ。]
その人の心に応えたくても、自分に同じ心が無かったら、かえって苦しめてしまうもの。傷つけたくなんかなくたって。 それなのに、自分の想いが分からなかったら、受け入れることも断ることもできない。かといって先延ばしにしていたら、それはそれで苦しめてしまう。 ……辛かったね。
[そうやって、柔らかい胸の内を話してくれた少女の苦しみに、ただ寄り添った。 まっすぐな心故に生み出してしまう、優しい苦痛に。]
知らない感情を向けられて、さぞかし戸惑ったでしょう。 初めて経験することは、いつだって怖いもの。
[それが肯定的な想いであったとしても。]
あなたが向けられている想いと、あなたの心の中の想いが、その人と違うんじゃないかって。 そういう不安が、あなたに苦しみを与えている。 違うかもしれないって思わせる何かがあったの?
[そう、更に続きを促したか。 彼女が初めて出会う感情を、解きほぐすように。]* (150) 2022/09/10(Sat) 22:38:14 |
![](./img/okamigakuen/37.png) | ──回想・レストラン── [根気よく説明する松本先輩を、工藤はじっと見上げた。 >>4:127 ジョークのことも確認しなければいけないし、ありがとうも言うと良い。 なんだかやることがいっぱいだ。 この話だけでも難しかったから、続いた答えは工藤にとってはより難しかった。 最期まで口を挟まぬままに沈黙した後、工藤はつぶやく。] ……困りました。 松本先輩に当たれば良いという願いが揺らいでいます。 [それからまた、しばらく沈黙した。 朝霞さんの言葉を思い出す。 >>37 どうせ一人は当たってしまうなら、朝霞さんは自分が良いと言った。 どうせ一人は当たってしまうなら、工藤は松本先輩が良いと思った。 根幹にあるのは同じ思い。死が生み出す苦しみが、最小限になればいい。] そうすると、当たってほしい人が居なくなります。誰かには当たるのに。 矛盾してしまいました。 [まるで人間みたいだ。 人形のように揺らがぬ目で、ただ松本先輩を写した。 ずいぶんと長いこと、写し続けていた。]* (164) 2022/09/10(Sat) 23:27:43 |
![](./img/okamigakuen/37_C.png) | ── 特別展前 ── [涙で濡れた胸元 >>166から、伝播するように自責の念や後悔が伝わってくる。 痛々しかった。溶けゆく胸よりも余程。 多少濡れていたんでも、女は気にするそぶりを見せなかった。体を癒すハンカチは、胸の中の少女からもらっていたから。 堰を切ったようにあふれ出る涙を受けながら、ただ静かに背中を撫で続けた。 自らの意思によって。] ……人の傷って、どうにもならないのよね。 心から幸せになってほしいと願って放った言葉で、深く傷つけてしまうことはある。 分かるよ。たぶん、誰よりも。 [工藤は誰よりも多く、その失敗を積んできたから。 それから、朝霞の心の在り様をじっと見つめた。 彼女が溺れている感情の渦を、少しでも解こうとする。] (176) 2022/09/11(Sun) 0:19:00 |
![](./img/okamigakuen/37_D.png) | [それから再び、長いこと沈黙していた。 嗚咽の頃合いを見計らって、話しかける。]
よく聞いて。 彼の傷は、あなたの言葉を受けて、彼が反応して生み出したもの。 彼の反応はあなたにはどうにもならないこと。 だから、あなたが抱く感情が、彼と違うという証明にはならない。 だってあくまでも彼の反応だもの。あなたの心の反応じゃない。 そこを一緒くたにしてしまうと、さらに苦しみを呼ぶことになる。
[朝霞は、工藤の無遠慮な言葉でさえ、いつでも受け入れてきた。 ならば、この言葉にも耳を傾ける強さを持っていると、女は予測した。 絡まってしまった自分の心を、一本ずつ解きほぐす強さを。] (177) 2022/09/11(Sun) 0:19:42 |
![](./img/okamigakuen/37_D.png) | あなたの心の反応は…… 彼に幸せになって欲しかった。 自分が幸せにできないなら、誰かが幸せにして欲しいと願った。 傷つけてしまったことに気づいたから、追いかけようとした。 あなたの言葉を聞いていて、私はそう感じたわ。違う?
[確認しながら、一つ一つ進めていく。もしも違うようだったら、朝霞の言葉を借りて修正しながら。 朝霞が「彼」を追いかけられなかった理由は何なのか。 それは朝霞の口からは語られていなかったから、分からない。 だから女は、分かっていることだけを口にした。 人の心を予測することは無く。確かなことだけを口にする。 たとえ予測の精度が工藤よりも高かったとしても、女の妄想に過ぎないから。]
(179) 2022/09/11(Sun) 0:20:34 |
![](./img/okamigakuen/37_B.png) | ……次は彼の視点に立ってみましょう。 彼はあなたをいつでも思いやって、傷つけないようにしてくれた。あなたの言葉を借りるなら。 でも、結果としてあなたは今、こんなにも涙を流して、傷ついている。 さぁ、彼は酷い人?
[そう問いかけて、可能ならば朝霞の目をのぞき込んだ。]*
(180) 2022/09/11(Sun) 0:21:28 |
| (a52) 2022/09/11(Sun) 0:51:59 |
![](./img/okamigakuen/37_B.png) | ──特別展前── [何度も絶縁されてきた工藤、その半身だからこそ諦めて手放せる執着はある。 周囲から愛され、深くかかわることは無くとも、大きく傷つけることの無かった朝霞には、そう簡単には割り切れないのかもしれない。 >>184 それでも、少しずつ心を解きほぐせば、自分で望む道筋を見つけられる。朝霞には、その力がある。 ただ、混乱していると、原因を見る目が濁る。第三者できることは、ただ気づきを促すだけ。] 原因が違う? 本当にそう言い切れるかしら? 実際のところ、彼が何故傷ついたのかは、誰にも分からないのよ。 あなたに分かるのは、彼が傷ついたという結果と、あなた自身の心の動きだけ。 それは誰にとっても同じ事。彼にとってもね。 あなたは、自分が彼に寄り添えないことに傷ついている。でも、彼は自分の行いがあなたを傷つけたと思っているかもしれない。あなたが今苦しんでいるように。 まぁ、彼の気持ちについては、私とあなたでいくら考えても答えは出ないわね。私たちは彼ではないのだから。 (190) 2022/09/11(Sun) 1:36:44 |
![](./img/okamigakuen/37_D.png) | [そこから、少しそれた話を戻した。 彼について語ることはほとんどない。目の前にいない人の心の、いったい何を掬えるのか。 だから女は、朝霞だけに向き合う。]
誤解しないでね。別に、彼が酷い人だと言いたいわけじゃないのよ。 ただ、あなたが自分に向けた評価は、他の人から見ればまったく違うように見える。そのことが、彼の目線を想像すればイメージしやすくなるかと、そう思って例えに出しただけ。
だけど、結論の出ないことを考えるより、あなたが彼に寄り添えない、と思う理由をもう少し解きほぐした方が良いのかしら。 あなたが彼を幸せにできないと思った理由を、もっと聞かせて。 好意が彼と同じ系統のものか分からなくて、悩んでいるのだったかしら?
[もう一度、朝霞の話を丁寧に聞こうとした。 もちろん、この問いに限らず、朝霞が吐露する心境があれば、ただ声を聞き続けた。]* (191) 2022/09/11(Sun) 1:37:47 |
| (a57) 2022/09/11(Sun) 1:46:29 |
![](./img/okamigakuen/37.png) | ──回想・レストランで松本先輩と会話── [吹き出された カレー 息に >>181、工藤は特に反応しない。 表情の伝播が無くとも、松本先輩は笑った。] 私は優しい子だな。 [工藤は言葉を繰り返した。 嘘を疑えない工藤は、人の評価をそのまま鵜呑みにしてきた。 面倒くさい子。我儘な子。勝手な子。 そして松本先輩の言葉も信じた。 そういうところも含めて、優しい子。] 気持ちは揺らいでいます。 みんな生きてたらいい。 ですが私は泣けません。 [微笑みを目に写しながら、工藤は淡々と答えた。 >>182] 泣けないまま、その一人の死を想います。 今この瞬間ではなかっただけで、やがては私も逝く所。 そこに先に逝った人のことを。 [死後の世界があるかは分からない。死んだことが無いから。 だから明確に答えが出せることだけを、見つめた。 松本先輩の瞳の奥で、見つけた。]* (204) 2022/09/11(Sun) 8:38:48 |
──病院──
[生まれてこの方入院はおろか通院もほとんどしたことがないもので、病院って暇だなと思う。
見舞いに来てくれるという友人はいくらかいたが、今はまだちょっとと思って断った。
まだ目覚めていない研究室の面々が全員目を覚ますまではどうしても、日常に意識を向ける気にはなれなくて。
認識しているのは自分があそこで災害に巻き込まれたので此処に運ばれたという聞かされた事実だけで、美術館で起きた出来事については詳しく調べていない。
なんだか現実味がないなと思いながら手や腕に残った擦り傷を見る。
みこの病室には一度顔を出して、お菓子などを与えておいた。
それから、アプリコットの病室も訪ねてみたけれど、偶々不在だったかまだ人と話す元気はなかったかでその時は会えなかった。
とりあえず『話せそうなら話そう、大丈夫になったら連絡して』とだけメッセージを送っておく。]
[自分の病室に戻るとスマホを開いて、夢の中で教えて貰った徹っちんのチャンネルを探した。
登録をしてから、好きだと教えた曲をイヤホンで聴いて。]
作りたいとか言ってた曲、どうなったかな。
[夢の中にいる間に完成するのだろうか。
それとも、戻ってから形になるのだろうか。
そんなことを考えながら、他の動画も再生リストにまとめて入れると自動再生で流して目を閉じた。]**
──夢──
[くっきーの水飲めない問題はどうやら解決したみたいで。
冷静でいれば危険ではないとの先輩の言にそういうものなのかと首を捻る。
自分が夢の中にまだ在った時はほぼほぼ危険を感じた出来事がなかったもので。
繊細さに欠けるがさつな精神のおかげだったのかと思えば納得できる気がした。
それに、人が減るにつれて不安が増すのは事実だろう。
それだけ精神的に弱っているってことなのかと思うと心配はやはりあるけれど、食欲はあるみたいだから少しだけ安心する。]
ほんとに良く食うな。
起きたらいろいろ買ってきてやろう。
今度は水分忘れないようにしとくし。
[目を覚ました時に病室に持っていくものを考えながらそんなことを話す。
まあ、起きたのがわかった時は手土産とか忘れて病室を飛び出してしまいそうだけど。
先輩の料理オレも食いたかったなと運ばれてきた美味しそうなメニューを見ながら思いつつ。
ひと休みする様子を目に、この中での経過時間は相変わらずわからないけど、走り回ったりと大変そうだった先輩も少しは休めれば良いなとレストランを離れた。]*
![](./img/okamigakuen/37.png) | ──回想・特別展に行く前── はい。小泉先輩。 [レストランを出ようとした時に、小泉先輩に声をかけられた >>4:198。 軽い世間話には、] 分かりません。 私と朝霞さんと仲良くできるかは、朝霞さん次第です。 [「私は仲良くしたくても相手にそのつもりがあるか分からないから……」とかいう殊勝な前置きを全てすっ飛ばした結果、なにやら偉そうな返答になった、お前は一体何様だ。] 現実世界に戻ってもみんな仲良く話せそう。 小泉先輩にはそう見えますか。 [工藤には相変わらず見えないものが多い。 だから彼の目を借りて、確認するように繰り返した。 彼と違って、香坂さんと朝霞さんの今までの言動から、未来を予測することはできないから。 心の機微に疎いが故に、小泉先輩の顔色の悪さにも気づくことは無く。] 私には分かりません。分かるのは (210) 2022/09/11(Sun) 10:14:25 |
![](./img/okamigakuen/37.png) | [それから視線を落として、じっと彼の右足を見つめた。 >>4:59] ……小泉先輩の右足から、林檎の匂いがします。 林檎の匂いですが、黒崎先輩の指とは全く違います。 胸がむかつくほど強く、主張しています。他のことを考えさせないほど、我を押し付けてくる。 [まるで、自分を見ろと、注目させるように。 植物は、匂いで動物を操作する。それは、己の欲のままに支配したがるような、強制的で傲慢な香りだった。]* (211) 2022/09/11(Sun) 10:14:55 |
[あの絵の前に再び行ってみると、じゅじゅとミサミサが話し込んでいただろうか。
絵の中と入れ替わって出てきた決定的シーンは見てないけど、じゅじゅを抱き寄せて優しく語りかけているのがいつものミサミサではないのはさすがにわかる。
オレは目覚めれば会えるとわかっていたムーンとは探索から帰った後はあまり話さなかったし、この二人が話し込む理由があるなら、もう会えない相手"絵の中のミサミサ"だからなのかな、とも。]
これ聞いても良いやつなんかな…。
[ガールズトークに聞き耳を立てるのはちょっとよろしくない気はする。
でも、会話の端々に出てくる"彼"とか"好意"という単語に屋上で行き倒れてた徹っちんのことを思い出してしまったので、少し離れた位置から二人の話を聞いていた。
人とは違うらしい感覚について語っているじゅじゅに対して、静かに耳を傾けて、親身になる言葉を返すミサミサは別の人みたいだ。
いや、別の人らしいけど。
先輩とくっきーの話していた精神が影響するらしいこの世界の異常現象と関係があるなら、ミサミサもいろいろ思うところがあったのだろうかなんて今更に思う。]
![](./img/okamigakuen/37.png) | ──現在・特別展前── 、、、 [工藤さん、あなたのことも。 何気なく朝霞が放った言葉に、女は静かに目を伏せた。]
……ありがとう。
[小さな言葉は、目の前の朝霞にさえ届いたかは分からないけれど。 礼の意味も伝えることなく、それからまた聞く姿勢に戻った。
家族や研究室の皆からの好意は、複数人に向けられていても何ら問題の無い種類のもの。 けれど、「一番」という唯一の順列を、果たして朝霞が持てるのか。それを彼に向けられるのか。 きっと、その思いの差異に対して、彼女はあまりにも敏感で、臆病なのだ。 だから、「そんなことないでしょう?」という言葉が出てくる。]
さぁ? それを許さなかったのは、彼ではなくてあなた自身だもの。 その思考の癖が、良いとか悪いとかではなくてね。
[溺れる彼女の感情から息継ぎをするように、俯瞰した物言いをした。 物言わぬ絵でいたのならば、理想の答えも言えたのだろうけれど。 話して動いている以上、女は少しずつ理想からはずれていく。] (222) 2022/09/11(Sun) 10:59:19 |
![](./img/okamigakuen/37_C.png) | [それからまたしばらく、黙って話を聞いていた。 彼女が告白する、「何より酷い裏切り」を。]
…………。
…………………。
あなたは、痛めることを恐れるあまりに、彼を突き放した。 あなたに宿ったのは、そういう性質の好意だった。 ……よく、認められたね。
[目を背けたくなるような自らの罪を認めるのは、辛い。 けれど、認めてしまえば、正体の無い不安に向き合うしかない。] (223) 2022/09/11(Sun) 11:00:07 |
![](./img/okamigakuen/37_B.png) | それでも、彼を傷つけて裏切ってしまったとしても、追いかけずにはいられなかった。 足が止まってしまった今も、後悔に飲まれるほどに、彼が好きなのでしょう。たとえ好意の正体が見えないままでも。 それが今のあなたの心。
[それから少し身を離して、ぎゅっと朝霞の両手を握りしめた。]
あなたの心に従って。それがどんな結果を産むとしても。 どうせ自分のことしか分からないのだもの。 分かりもしない彼の想いを、いくら妄想したって答えは出ないわ。 直接彼と話して、彼の反応を見た時に、あなたの心に宿るもの。大切にできるのはそれだけ。
[そうでなければ、いつまでも己の妄想に囚われることになる。 けれど、朝霞が苦しみ続けるのは、彼にとっては望ましくないことだと。不確かなことが多い人間関係の中で、それだけははっきり分かるから。
傷つけてしまうかは、接してみなければ分からない。 話してみて、やっぱり傷つけてしまって、本当に駄目だと感じたならば。離れるのはそれからでも遅くは無い。]*
(224) 2022/09/11(Sun) 11:00:51 |
[会話を聞き始めたのは途中からだし、不明瞭な部分も多かったけど、「一番に思ってくれてる相手を一番と順位をつけられないから受け取れない」ような出来事があったのかとはなんとなく。
そしてそれが多分、徹っちんの話なんだろうな、とも。
フラれそうとか全スルーとかなんとか徹っちんが言ってたのは、そういう感覚の違いのせいなんだろうか。
同じ種類であってもなくてもじゅじゅが徹っちんのことを好きなのはわかるし、徹っちんにもそれは多分さすがに伝わってはいるだろうし。
そこに順番がつけられないのがじゅじゅの中では不誠実なことなのかな、とか。
でも、全く同じなんて例え恋愛感情ひとつとってもそれはあり得ないことだとも思う。
形や温度は違くてもきっと、寄り添ううちに近しくなるものなのではないかって。
それは今まで一定の距離を取って人と付き合ってきた時のオレにはずっと出来なかったことだから。
だから目を覚まして離れてしまう前に、二人がちゃんと話せれば良いと願った。
じゅじゅがオレが目覚める前に徹っちんとくっきーと過ごして欲しいと願ってくれていたのは知らないことだけど、それと同じで。]**
[ガールズトークをじっくり聞くのはさすがに気まずい(二人には気づかれないことだとしても)ので、おそらく最後まで聞くことはなく。
徹っちんは大丈夫かなと姿を探した。
屋上にまだいるのかとも思ったけど、着替えた姿が何処かに向かうのを見つければ後をついていく。
プラネタリウムとかあったんだなと、徹っちんの横で思ってたらくっきーが現れて、なんかバスの中のこととか昼飯のこと、三人で過ごした楽しかった時間を思い出した。
まあ、今ここにオレはいないも同然…、いないのだけど。
二人が隣り合わせに座るなら、座席の間の背もたれに無理矢理座って肘掛けに足を置く。
こんな幽霊みたいな状態でなければさすがにやらないことだけども、なんとなくどっちかの側に座るのも何かしっくりも来なくて。
勿論、二人が間隔空けてるなら素直に間の席に座ったと思う。]
二人とも早く起きてこいよ。
暇でしょうがない。
[天井に映るキラキラした星に祈るような気持ちで、オレにとっては一番大事な二人に呟いた。]*
![](./img/okamigakuen/37.png) | ──回想・レストランで小泉先輩と会話── はい。私はいつでも仲良くする気でした。 朝霞さんとも。 [尋ねられれば >>221、そのように答えた。 相変わらず言葉は足りなくて、だから仲良くできる相手はとても限られているのだろう。 それは小泉先輩に対しても同じことで、] はい。とても臭いです。 [「林檎」という主語をすっ飛ばして容赦なく言い放った。] (229) 2022/09/11(Sun) 11:32:19 |
![](./img/okamigakuen/37.png) | [それから、視線を小泉先輩の目に戻した。]
我の強い”林檎”を踏んでしまったらすっきりした。 先輩の言葉は難しい。私にも分かるように説明してください。
[工藤に人の心が分かるなら、はぐらかされたところで、そっと距離を取ったのだろう。誰にでも触れられたくないところがあるから。]
先輩が踏みたかったのは“林檎”ですか。
[乾いた笑みを浮かべる小泉先輩に、そう尋ねた。 明確な拒絶をされない限り、そっとしておくべき心には気づけない。]* (230) 2022/09/11(Sun) 11:32:56 |
![](./img/okamigakuen/37_D.png) | どういたしまして。 私こそ、楽しかったわ。もう誰ともお話しできないと思っていたから。 [朝霞は己の心に向き合って、前を進む決意をした。 だから、“彼女”も自分の心に従う。 誰かの死の間際、その夢の狭間でだけ存在できる女に、朝霞は命を与えた。 与えられた命は、もはや一つの自我を持つ。だから、朝霞の思いを離れて動く。] ありがとう。 [見つめる瞳に、柔らかく微笑み返した。] (231) 2022/09/11(Sun) 11:48:38 |
![](./img/okamigakuen/37_B.png) | (232) 2022/09/11(Sun) 11:49:11 |
![](./img/okamigakuen/37_B.png) | [それから、朝霞の手を、優しく自分の胸元に押し当てた。]
それだけじゃ満足できない。 ねぇ、その子を連れ戻さないで。あなたの心の中だけではなくて、現実の世界を生きたい。もっとあなたとも仲良くしたい。私自身の自我を持ったまま。 呼んで。「私」のことをもう一度、工藤さんって。あの子じゃなくて、私を選んで。
[胸元を溶かしたまま、確固たる命をせがんだ。]* (233) 2022/09/11(Sun) 11:50:41 |
| (a76) 2022/09/11(Sun) 11:57:14 |
![](./img/okamigakuen/37.png) | ──回想・工藤だった頃小泉先輩と >>235── 悪いけど言えない。 そうですか。 [工藤はあっさりと引き下がった。 それからしばらく小泉先輩の目を見つめていた。 だれかの夢に在れる時間は、確かに工藤にはあまり残されていないのだけど。] 実際には、時間が残されていないのは私ではありません。 先輩達の方が、その可能性があります。 『小泉先輩にも時間があるといいと私は思っていますが、実際は違うでしょうか。』 [小泉先輩から教わった、そしてこれからは教われないかもしれない、人と関わる術 >>3:220を使って、問うた。]* (237) 2022/09/11(Sun) 12:16:09 |
[何となく二人がこう、トゲトゲした感じの雰囲気になることがあるのは知ってはいた。
こうして物理的に二人の間に若干無理矢理座ってるものの、会話の間に入ることは尚更無理なことなのでどうしようもないが。
つーか毎度オレが間にいないといけないというのも変な話だし。
動画撮影の約束してるとかは知らない話だが、二人が本当の友達になりたいと思ってるのは両視点から見て知ってはいるし、仲良くしてくれと心配する必要はないのだろうけど。
自分の名前が出るとなんだかそわそわとしてしまう。
そういや徹っちんには結果報告できてなかったしな、と。
なんだかそれどころじゃなさそうな空気は最後に会話した徹っちんから感じてたし。]
ん、ありがと。
勇気はー、徹っちんに宣言してたから退路立ててたみたいなとこもあるしな。
[徹っちんからの「何より」にはそう声を返して。]
![](./img/okamigakuen/37.png) | ──回想・レストランで小泉先輩と >>242── 災害やら運命やらに抗う気力は小泉先輩には無い。 そうですか。 [生きていてほしいという工藤。 生きる気力がない小泉先輩。 己の望みが彼に伝播することが無くとも、工藤はただ事実を受け入れた。 自分の思いが通じないのは、今までも当たり前のことだったから。 隠されることなく答えられた事実の、その理由は言えないらしいけれど。] では、これが最期かもしれませんね。 さようなら。 [酷くあっさりと別れを告げ、レストランを後にした。 彼が心境を微笑みの奥にしまうと決めたのなら、工藤には触れようが無いのだ。]* (260) 2022/09/11(Sun) 14:27:56 |
オレの話は…良いので…
じゅじゅの話をしろ…
[なんだか恥ずかしくなってきた。
それはともかくとして、くっきーの言ってた話、じゅじゅがもう一度徹っちんと話した方が良いと思っていたのはオレも同じ気持ちだったので(終結までは見届けてないがミサミサとの会話も聞いた上で)。
徹っちんの棘のある回答は「何があったか聞いてこいよ」って意味だとオレは思うのだけど、どうなんだろ。
オレに踏み込んでくれたくっきーだから多分、徹っちんにも聞けるんじゃないかなって思うのだけど。]
![](./img/okamigakuen/37_C.png) | ──現在・特別展前 >>243>>244>>245── [選ばないことを告げられて、女は寂しく微笑んだ。 繰り返される、今は絵の中に在る工藤と共に帰る、という言葉。] ……分かっていたわ。 贋作の方が優れていても、人はいつだってオリジナルを選ぶもの。 でもね、あなたが何と言ったところで、私はあなたの言葉通りには動かない。 [それから、彼女の心を濡れた胸元に押し当てて、癒す。] あの子は自分の意思では絵から出られない。 私も自分の足で絵の中に戻ってなんかあげない。 あの子と一緒に帰りたければ、あなた自身の手を汚すしかないのよ。 [言外に覚悟を決めろ、と。残酷な事実を突き付けた。 何かを選ぶということは、何かを捨てるということ。 行動せずに先送りにすれば、どちらをも失うことになる。 誰かを傷つけてでも、事を成さねばならぬ時がある。 それは生きる者に求められる能力。生きるために越えなければいけない試練。 例え肉や魚を食べることさえできない、心優しい少女であろうとも、その試練からは逃れられないのだ。]* (269) 2022/09/11(Sun) 15:07:14 |
| (a88) 2022/09/11(Sun) 15:10:55 |
[じゅじゅの徹っちんを理解できないという理由やらはミサミサ(絵の中の人?)との会話で聞いていたのでなんとなくわかるのだけど、徹っちんが受け取った意味そのままとも思えない気もしており。
オレが徹っちんに良い言葉をかけられるかは、わからない。
じゅじゅの語った内心を勝手に知ってる今なら、理解できなくても、違う形でもそばにいてほしいと言ってしまって良いのではないかと思うのだけど。
徹っちんがそういうこと言わないだろうってのはわかった上で。
オレは徹っちんと違って自分本位なので。
でも、今のくっきーの立場でしか答えられない問いを徹っちんが投げたから、徹っちんに今一番寄り添って考えられるのはくっきーなんだろう、と思う。
だから、ここはくっきーに任せる、任せられるから。
歯痒いなんて思わずに二人の話を聞いてる。]
[同様、くっきーが女子一人になってしまうなとは考えていた
が自分のことは忘れていたので、どっかで呟かれたその台詞を聞いてから気づくことになるだろう。]
そういやそうだわ。
なんとなく照れ臭いな。
[何しろ記念写真でも前列真ん中陣取って周りに女子をはべらせるという先輩の提案は遠慮したわけだし。
というのは置いとくとして。]
一番そばにいて欲しい女がいないんじゃ意味ねえんだけどな。
[聞こえもしないから小声になる必要もないのだが、。]**
じゅじゅとのことで残ってしまった傷を癒せるのは
どんな形かはわからなくても
じゅじゅなんじゃないかってオレは思うけど、
でも、徹っちんがこれ以上傷つかず前に進めるなら、
その決断を止めることは出来ないな。
[無理をして彼女のためにって近寄らないと決めたなら止めるけど、徹っちんのためになら止められない。
もし3人での未来の約束を変な気を回して断ったら怒るけども。
オレに埋められるものがあるなら、徹っちんの中にある傷の片隅ぐらいは塞げれば良いって思ってるよ。
治らない傷なのだとしても、血は流れないようにくらいはしたいからさ。]*
[徹っちんが出て行った後、座席の背もたれにかけていた腰を座席の方に滑らせてくっきーの隣に座る。
ままならないことの歯痒さにまた落ち込んでるんだろうなとその髪に触れられない手で触れて。]
……、オレも会いたい。
大丈夫だ、すぐ会える。
[もう一度温もりを感じたいし、話もしたい。
泣くの我慢させてたことは心苦しくて、一人で泣かせてしまうのも申し訳なくて。
でも、]
好きなだけ泣いて良いよ。
オレしか見てない。
[誰にも見られたくないから一人で泣くのなら、自分だけが見ても許される涙だと思ったから。
そっと頭を撫でて泣き止むまで隣にいよう。]**
[徹っちんがどこに行ったかは気になったけど、じゅじゅから電話が来ていたとは知らず、いや、知ったとしても見に行くことはしなかっただろう。
いくら大事な友達のことでもそこは、見ていて良い話ではないかなと思ったから。
くっきーが泣き止むのを待って、レストランに向かうのについて行くことにする。
レストラン内では先輩とまつもっちゃんが話していただろうか。
自分の名前を耳聡く拾う。]
怪我は全然無いぞ、オレは。
そりゃ、皆のこと心配してる。
めっちゃしてる。
飯は食ってるし飯以外も食ってる。
でも暇だから寝てばっかだな。
[今も寝てるんだけど、と笑いながら答える。
暇だからってわけじゃなくて心配だから見に来てるのが正解だけど。
それにしても、くっきーがすごい勢いで飯食ってんのは少しだけホッとしたかな。
落ち込んだ時は飯を食わせたら良いんだろう、と記憶しとく。]*
[オレの答えが届かない代わり、実際話しかけられた先輩が返事をする。
なんとなく、心配しているかどうかの答えには間があった気がして。
オレらが心配してないとは思ってないだろうから、とは思うんだけど。
心配かけてるかもしれないことを申し訳なく思ってるんだろうか。
心配されたくないと思っているとは知らず、そんな風に考える。
そういえば先輩自身は異常現象ってミサミサの対応したくらいで、不安定になるようなところは見ていない。
(林檎を踏み潰したことなどは知らないし、それをミサミサに問われたことも。)
だから、すごく冷静なのかなと思うと同時、怖くはないのだろうか、死んでいるかもしれないことが、とふと思う。
内定も決まっていると言ってたし、順風満帆に見える。
先輩だって帰りたいはずなのに。
こんな時にも周りのケアで、一歳の違いってそんな大きいものだろうかとか。
なんだか逆に心配になってきてしまった。
その気持ちはなんとなくまつもっちゃんに対して抱く心配と似ているようで、心が少し痛んだ。]*
![](./img/okamigakuen/37.png) | ──回想・笑う松本先輩と── [笑った顔を見せることは、おそらく無い。 けれど、工藤の分まで松本先輩が笑ってくれた。 ぽつぽつと雨雫を落とすように優しく、根気よく説明してくれた。] そういう意味なら、既に泣いています。 [表情の一つも変えぬまま告げる。それから、松本先輩が映る瞳を逸らして、窓の外に向けた。 武藤先輩と香坂さんを送った魔法は、とうの昔に消えている。けれど工藤の記憶には克明に焼き付いていた。 きっと目覚めた後も、あの華やかな魔法を思い出すのだろう。 みんなを励ましたいという心に、形を与えた魔法。 何度だって瞼の裏に描くのだろう。 それが、松本先輩との最後の会話になったかもしれない。]* (342) 2022/09/11(Sun) 21:40:41 |
[先輩とまつもっちゃんの頼りになるコンビに話を聞くと言われたくっきーが、つらい気持ちとか吐き出せれば良いな、と思って見ていたらいきなりでかい声を出したからびびった。
その支離滅裂の悪態の意味は、徹っちんとの会話を聞いていたオレにはわかることなので。
これのどこが慈悲なんだろうと。
少しずつ人が帰っていく残酷さは身に染みていて。
徹っちんがより傷つかない方法が"忘れてもらうためにじゅじゅと離れること"ならそれが良いとは思ってたけど、オレの一番想像しやすいじゅじゅの立場で考えてみるとそれはきつい話だ。
もし自分が死ぬなら、好きな人には幸せにはなってほしいけど忘れて欲しくない、残したいって考えるオレには、それはとても悲しいことに思えた。]
[なんか徹っちんが暴れてるらしくて、じゅじゅは動けないらしいとわかったのはその後くらいか。
じゅじゅは還ってくるから大丈夫だ、とすぐに判断できたかはわからないけれど、例え何も出来なくても心配で駆け出してしまうのは仕方ないだろう。
ほっとけない、一人にしないと告げた友達の方に。]
![](./img/okamigakuen/37.png) | ──回想・レストランで小泉先輩と──
…………………。
[工藤は別れの言葉の後も、数秒の間小泉先輩を見上げていた。
望みはあくまでも望みであって、現実ではない。 いくら生還を望んだところで、誰にも約束はできない。 この不確定な世界で、確かなことが一つある。 命あるものは皆、いつかは死ぬ。 工藤はそのことを知っている。 そのいつかが、一人にとっては今この瞬間であることも。
だから、仮に小泉先輩が『必ず生きて帰る』と言ったならば、嘘を咎めたのだろう。 心を軽くするための気遣いが見えないから。 誰か一人には当たることを知っているから。
そうして、何も言わぬまま背を向けた。 これで良かったのだと、思う。]* (358) 2022/09/11(Sun) 22:40:21 |
![](./img/okamigakuen/37.png) | ──現在・朝霞さんと──
[そうして朝霞が絵に腕を挿し入れるのを、女は静かな目で見つめていた。]
……私もよ。
[感謝している。アイデンティティを与えてくれた彼女に。 女の命を使って、強く為った朝霞を。 彼女の選んだ道は、平坦ではないかもしれないけれど。 朝霞の手が、眠る工藤の腕に触れる。かすれ往く景色の中で、朝霞に呼びかけた。]
私を連れて帰って。あなたの胸の内に。 あなたが迷った時、苦しんだ時、私のことを思い出して。 「私」があなたを見守って、寄り添っていると、想像して。 その想像が、あなたの力になる。私はあなたの神になるの。
[それがきっと、死と言うものだから。] (362) 2022/09/11(Sun) 22:55:49 |
![](./img/okamigakuen/37_D.png) | 最期に、もう少しだけガールズトークさせてくれない? 私の気になる人 >>4:124ってね、 (363) 2022/09/11(Sun) 22:56:35 |
![](./img/okamigakuen/37.png) | [その声を最期に、女の姿はかき消えた。]* (364) 2022/09/11(Sun) 22:57:34 |
![](./img/okamigakuen/37.png) | ──現在・そして戻った──
…………。
[工藤は何も言わず、自分が出てきた絵を見上げた。 絵の中の女は、ただ沈黙していた。 一枚のハンカチを胸に押し当てて。]* (365) 2022/09/11(Sun) 22:58:22 |
![](./img/okamigakuen/37.png) | ──移動・特別展→屋上──
[その後、朝霞とは少しの間一緒に美術館を回ったか。パンの絵は見たことだろう。 だが彼女にはやるべきことがある。だからすぐに別れた。
そして、工藤は屋上へと足を運ぶ。 話したい相手がいた。どこにいるのかは知らない。会えるかもわからない。 それでも、その相手を求めて、空の近くへと。]* (368) 2022/09/11(Sun) 23:04:43 |
これがリアルだったら総額おいくら万円なんだろうな…。
あ、でも壊れてるかもなのか、現実でも。
[くっきーが走って行った先、徹っちんの暴れた跡を見ながら間抜けな感想を呟いた。]
あまり暴れて腹の傷が開いたら困るだろ…
[暴れ出した理由はわからないけど、じゅじゅの件なんだろうか。
徹っちんはやはり放っておけないと思う。
あまり心配かけないでほしいと思いながら諌めるように徹っちんにハグしてみるけど、感触も温度もないし、伝わることはないのだと思うと虚しい。
見上げた天使の像、壊せたら爽快だとは今の状況なら思ってしまうけれど。]*
![](./img/okamigakuen/37.png) | ……天使さま。 そこにいますか?
(369) 2022/09/11(Sun) 23:07:08 |
| (a122) 2022/09/11(Sun) 23:10:20 |
![](./img/okamigakuen/37.png) | ──どこかのタイミングで・黒崎先輩と── [黒崎先輩とは驚くほどすれ違った、びっくりだ。こんなにタイミングが合わないことがあるのか。 >>348 だが、それでも奇跡的に一瞬だけ、あいさつ程度は話すことができた。] はい。生還しているみんなによろしくします。 [羨ましがられても、工藤は特に居心地悪そうにするわけでもなく。 生きるも死ぬも一つの命。今はたまたま工藤が生きる側に当たっただけのこと。 呼ばれたからと言って、自分が誰かの命を奪ったわけではないと、心が薄いからこそ、工藤は割り切っていたから。] はい。また会えたら嬉しい。 [よく考えたら水もメーカー指定なんだから、お酒だって飲めないかもしれないけれど。 楽しそうに酔っている黒崎先輩は、見たいと思った。]* (376) 2022/09/11(Sun) 23:20:07 |
[今まさに見てはいるので。
オレに顔向けできないとか言われるほどオレは立派な人間ではないし、そう言ってくれることは本当に嬉しくて。
死にたくない理由になれるなら、気を張れる理由になれてるならオレにも価値があるってことだから。
徹っちんのなかなか人に"わかって貰えないこと"が悲しいのを知ってるオレとしては徹っちんの反応から、あ、傷ついてるって思ってしまうので、言葉をかけられないことがもどかしい。
会えるかどうかもわからない、って言葉にまた胸が痛む。
死んでもいいなんて言わないでほしい。
言い争う二人を前に、本当に、この場にいてやれないことがつらいけど、でも]
絶対二人ともまた会えるから、
[オレが掴んで還るから。
そう誓いとも祈りとも取れない思いを二つの掌に握り込んだ。]*
![](./img/okamigakuen/37.png) | ──屋上・空に呼びかける──
天使さま。聞こえますか。 目覚めたら、あなたには会えないかもしれないから。 だから、ここでお話します。
[きっと迎えには来てくれるのだろうけれど、天使さまは忙しくて、お告げを落とすだけで精いっぱいで、私と話す時間なんか無いかもしれないから。 工藤は誰かの夢の中で、慈悲深い天使に呼びかける。 死を告げるために舞い降りた、ほとんどの人から厭われてしまった天使に。
けれど、一つの命を奪ったのは彼女ではない。 あくまでも倒壊してしまった、建物の一部。 建物が崩れてしまったのは、どうにもならないこと。 一つの命が失われてしまうのも、どうにもならないこと。 だから工藤は、恨むことなく、ただ静かに呼びかける。]
誰かが亡くなってしまったのは、悲しいです。 誰の命も失われないのが一番いいと、そう思います。 だけど私は今、この夢を見れたことに感謝しています…… (388) 2022/09/11(Sun) 23:53:25 |
![](./img/okamigakuen/37.png) | [できることならば、誰の命も犠牲にせずに、心を近づけられれば良かったのだけれど。 不器用な工藤はぶつかるばかり。優しい周囲はそっとしておくばかり。 結果としては、日常の繰り返しの中では得られなかった経験を、学びを、夢からもらったから。 全てが悪いことばかりだったとは、工藤は思わなかった。 どうせいつかは自分も死ぬ。それまでの命の過ごし方を、この夢の中で得た。 誰にも当たらなければいいと思う。けれど誰かに当たってしまうのはどうしようもないこと。 工藤は、どうにもならないことを求めない。空虚な願望に潰されてしまうから。 だから工藤が天使に願うことは、ただ一つ。] (390) 2022/09/11(Sun) 23:54:03 |
![](./img/okamigakuen/37.png) | せめて、当たってしまった誰かに、苦しむことなく死が訪れますように。
[これが、死の間際の誰かが見せた夢ならば。 工藤が目覚めた時には、その人は既に逝っている。 死者は苦しまない。もう苦しんではいないのだ。]*
(391) 2022/09/11(Sun) 23:54:39 |
![](./img/okamigakuen/37.png) | [── そうして。
工藤は目を閉じて待った。 自分が目覚めるその瞬間を。]* (393) 2022/09/11(Sun) 23:57:45 |
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