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【人】 教育実習生 青柳 慶「ん………………あ、れ……」 「…唄ちゃん?」 「唄!」 先生呼んでくる!! [ 唄が、目を覚ました。 それだけで、心がホッとした。 走りたい気持ちを最大限に抑え、 ナースステーションに行って 唄が目を覚ましたことを伝えると、 医師を連れて行くから、と 言われた。 今日1日は入院になるだろうが、 そんなに長く入院することはない。 何故か、そう思えた。 でも、現実はそう甘くはない ] 「慶くん、…ごめんね?」 唄……。また、元気になって、学校行こう? 「行きたい……。私まだ、慶くんと… 思い出、沢山作りたいです……」 そんな弱気になるなって。大丈夫だって。 (273) 2020/06/19(Fri) 23:13:40 |
【人】 転校生 矢川 誠壱[ 客席を見た。さっき歓声をとめた 女の子たちと目があった。 この子たちにとって、おれはきっと個人で。 それは、怖いこと、なんだけど。 ふ、と柔く微笑んでみる。 ひとりの女の子の顔が綻んだ。 自分を守るために個人であることを 拒絶するのは、それを見てくれている 人たちのことも、否定することに なるのかもしれないな、と思った。 顔を上げる。 照明の向こう側は、光が強くて見えない。 ただ、きっとそこにいるんだろう。 否定して、ごめん。 ほんとは、おれが一番逃げてるのかも しれないのにさ、偉そうに言ってごめん。] (274) 2020/06/19(Fri) 23:14:03 |
【人】 教育実習生 青柳 慶 [ 時間は刻一刻と過ぎ、仕事に行っていた 彼の父親さえも来てしまった。 彼の手には、手土産と言わんばかりの 缶コーヒー類が入ったコンビニの袋。 今は、その優しさが心に染みる。 彼の父親は、寝たままの唄を見て、 あたふたし始めたが、 少し疲れて眠っただけ、と伝えると 彼女の父親と彼を連れて 食事を買いにいこう、と明るく振る舞った ] 「何か、おにぎりでも買ってこよう」 「梅かツナマヨでお願いします」 「お母さんはエビマヨで!」 はいはい。すぐ戻るよ。 [ 疲れて眠っている唄を目に焼き付けて 男性陣は、購買へと足を運んだ。 コンビニとの提携ということで 指定されたものはしっかり売っていた。 慶も、サンドイッチとおにぎり、 それと飲み物を父親に奢ってもらう ] (275) 2020/06/19(Fri) 23:14:17 |
【人】 教育実習生 青柳 慶「唄、とっても楽しそうに過ごしていたね」 本人も、大学までいけるとは思ってなかったって 驚いてましたよ。夏まで、よくがんばったと思う。 「考査前だろう?大丈夫?」 大丈夫ですよ。まだ余裕はあるんで。 レポートとかのほうが死にそうです。 「ちゃんとやれよ?」 やってるっつーの。 [ 男というのは、年齢差があっても やいやいやれるものなのだと、 このとき、改めて思った。 唄の病室に戻ると、 彼女が目を覚ましていたらしく、 女子トークのようなものをしていた ] 「あら、ありがとう男性陣」 「何の話?」 「秘密よ秘密。ね、2人とも」 (276) 2020/06/19(Fri) 23:15:23 |
【人】 教育実習生 青柳 慶[ 彼女の父親が彼女の母親に質問をしたが、 はぐらかされてしまった。 いつか、時が来たら聞かせてあげる、 などと言われては女子特有のことだと、 男子も特に多くは聞かなかった。 他愛もない話をして、 また時間を見つけて会いにくる、と 伝えて帰れたらどれだけよかっただろう ] 「先生!市川さんの容体が!!」 唄!……唄!!! [ 食事を部屋で摂っていたら、 いきなりの話だった。 心電図モニターがいきなり止まった。 ナースコールで看護師を呼び、 病室は騒然とした。 心臓マッサージの甲斐もあり、 1度、彼女は戻ってきた。 しかし、彼女は悟っていた。 もう後がないと ] (277) 2020/06/19(Fri) 23:16:12 |
【人】 教育実習生 青柳 慶「け、い…くん……」 唄、……なぁ、…なぁ……まだ、だって。 「……あ、い…して……る……」 行かないで、唄……。お願いだから………… 「ずっと、…一緒……だよ……」 [ 唄の手を両手で包むようにぎゅっと握れば、 息をするのもやっとの彼女が、 細々と、言葉を紡ぐ。 いつかくると、思っていた。 でも、こないでほしいと切に願っていた。 彼女は笑顔のまま、 天使に連れて行かれてしまった。 唄の両親は、もう蘇生を望まず、 慶の両親は、そっと廊下へ。 慶は、冷たくなっていく彼女の手をまだ握って、 涙を堪え、彼女の耳元で あ い し て る と囁き、酸素マスクの外れた彼女の唇に、 口づけを落とした ] (278) 2020/06/19(Fri) 23:16:38 |
【人】 転校生 矢川 誠壱[ ───記憶に、残りたいよ。 もう誤魔化さないでさ。] っ ─── [ ボーカルのがなりが響く。 勢いだけで切り開いていく。 コーラスを、重ねる。] (279) 2020/06/19(Fri) 23:20:48 |
【人】 転校生 矢川 誠壱[ ああ 気づくのが遅いんだよな。 だってもう、終わってしまうじゃないか。 まだ もうすこしここにいたい。 まだ、おわってほしくない。 おれは まだ、] WMy Name isW [ 息遣いが、無音に響く。] (280) 2020/06/19(Fri) 23:21:11 |
【人】 転校生 矢川 誠壱[ そして、静寂を挟んで、沸いた。 満面の笑みのボーカルがこちらを向く。] 「やっぱメンバーだけ紹介しとく! ギターの裕也!ドラムの智! ベースのイチ!んで、祐樹でした! Two winsはまだ終わらねーからな! ありがとうございました!!」 [ 半ば雑な紹介を最後に持ってきて、 そうして、WTwo winsWの 文化祭のステージは幕を閉じた。 袖に引っ込んで。瞬間、深いため息が そして、目頭が熱くなった。] (281) 2020/06/19(Fri) 23:21:34 |
【人】 転校生 矢川 誠壱「ごめん、やっぱさ、紹介してえよ だって新しいメンバー入ったのにさ なんも言わないままなんて寂しいよ」 [ と、祐樹が眉尻を下げた。] ──────大丈夫、 …ありがと、みんな [ そう小さくお礼を言って。 一度顔を洗おうと袖を出ようと。 そのとき、ステージを挟んで向こう側。 これから出番となる人が立つはずのそこに、 見知った顔があるものだから。]] (282) 2020/06/19(Fri) 23:21:53 |
【人】 転校生 矢川 誠壱え、 [ 小さく溢れる。 そのまま、ステージ近くまで足を進め。 暗い。暗いけれど、見える。 なにか、言ったのはわかったが、 その言葉までは分からなくて。 ただ、その左手が上がって、 こちらに示すのは、希望だから。 ───淡い期待。 深く頷いて、こちらもサムズアップした。 ───届いたのだろうか。彼に。 もしそうならいいのに、と淡い期待を抱いて。]* (283) 2020/06/19(Fri) 23:22:12 |
【人】 絵描き 要去りかけた先輩の背中に 「先輩!!!」 ありったけの力を込めて、思いを込めて 叫んだ。 甲高い僕の声は、きっと、彼に……。 届いた?だろうか? (284) 2020/06/19(Fri) 23:24:35 |
【人】 教育実習生 青柳 慶−理科準備室− [ 少し、驚いている彼女が視界に入った。 そんなことを感じながら、 高校3年間付き合っていた彼女の話、>>150 彼女と2人で教師を目指すことになった話、>>151 そして、そのあとの話を彼女に軽く話した >>265->>278 ] というわけで、元々得意だった化学に 戻ったってわけ。 [ 彼は、多分まだ彼女を引きずっている。 それでもいいなら、 友達から始めてもいい。 目頭が熱くなってきているような 感じがしているけれど、まだ泣けない ] だから、………… 友達から、始めてもいいって 思ってくれるなら、 今度の日曜日に動きやすい服で、 ここに来てほしい。 [ 彼は学園とは違う場所らしき 駅の名前をポケットの中にあった紙に書いて、 彼女に渡して、朝のようにまた先に席を立つ ]* (285) 2020/06/19(Fri) 23:24:38 |
【秘】 教育実習生 青柳 慶 → 生物部部長 クロユリ おつかれさま [ 去り際に、彼女の頭をぽんぽんと撫でて、 振り返ることなく彼は去っていった ]* (-331) 2020/06/19(Fri) 23:25:57 |
【人】 生物部部長 クロユリ>>285 [青柳が立ち去っても、ユウリはただその場に座ったままだった。 やがて ぽたり… ぽたり… 涙を青柳に見せてしまわなくてよかったと思う。 そして、青柳が自分に話してくれたことに (受け止められるほど自分はおとなじゃないかもしれないけど) 話してくれたその心がうれしいと感じる自分がいることを知った。 ユウリはそのまま座ったままでいた。 やがて展示を片付けに、部員たちが来るから、そうしたらちゃんと最後まで、文化祭を見守ろう。 ユウリはただ静かに涙を流しながら、すきなひとのことを思っていた。* (286) 2020/06/19(Fri) 23:41:15 |
教育実習生 青柳 慶は、メモを貼った。 (a40) 2020/06/19(Fri) 23:47:00 |
【秘】 生物部部長 クロユリ → 教育実習生 青柳 慶[ ぽんぽん 穏やかなそのぬくもりを感じながら、ユウリは手の中の紙をぎゅっと握りしめた ] せんせい… やっぱり、すき…* (-338) 2020/06/19(Fri) 23:47:30 |
生物部部長 クロユリは、メモを貼った。 (a41) 2020/06/19(Fri) 23:56:13 |
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