人狼物語 三日月国

167 【R18G】海辺のフチラータ【身内】


【墓】 どこにも行けない ヴェルデ

【ビアンカの部屋】

少年はその部屋の隅を間借りしていた。
いつもちいさく丸くなって眠る寝床は、出かける前に丁寧に毛布が畳まれる。
その上に、幾らかの絵本が積まれていた。
古びたものがほとんどの中、真新しいものも少し。
一番最近増えたのは、『シンドバッドの冒険』だった。
まだ、ほんの数ページしか読めていない。
これから先、読まれることはもうない。

結局のところ、あなたの言う通りになった。
男は女を置いていく。
少年は戻らない。
少年はどこにも行けない。
(+4) 2022/08/18(Thu) 0:50:21