【墓】 1年生 朝霞 純>>+129 [松本さんは悲しい顔をしていた。 私の願いは、私の我儘なんだから、そんな顔をする必要なんてないのに、否定してしまえばいいのに。 優しい人はいつも、私を責めない、否定しない。 津崎さんも松本さんもそうだった。 沈黙は優しさ、肯定しないのは誠実さ。 誰かに心の内を分けるのは、とても怖いこと。そう簡単に出来ることじゃない。 ましてや私は臆病者で、すぐに逃げ出そうとしてしまう。 そんな人間に頼れと言われて、頼れるはずがない。それでも。 今は難しくても、一歩ずつ、歩み寄れるような人間になりたい。今は思うだけ、だけど。 いつか少しでも、荷物を分けてもらえるように。 そんな機会がたとえ訪れなくても、そうなれるように努力してみるから。] (+144) 2022/09/15(Thu) 17:15:12 |