人狼物語 三日月国

87 【身内】時数えの田舎村【R18G】


【神】 さよなら 御山洗

>>G58 鬼走/三日目夜 河原

「大丈夫ですよ、伝わってますって。みんな、雅也さんのこと慕ってるし、大好きですよ。じゃなかったらこんなに頼りにされない。
 意外だと思ったのは、雅也さんは……もっと思い切り良く行けって、いうかと思って」

自分には勇気が出なかった、10年前も今も。思い出の中にしまったものをーー三人の時間をきれいなままにしておきたかった。
踏み出すか踏み出さないか、どっちにしたって後悔するなら、閉じ込めておくのを自分は選んだから。

「……俺のことはともかくとして、やっぱり学生たちには祭りを楽しんでほしいですから。
 明日くらいはせめて、ちゃんとしないと……なんて、出店の手伝いできるわけでもないですけど。
 結局河原のサワガニも水道水で元気にさせてるままだし」

今はまだ振り切れず、踏み出しきれないのでも。誰かの笑顔を翳らせるようなことはしたくない。
膝についた手に力を入れて立ち上がる。ここいらのゴミを入れた袋を片手に下げて、最初に手渡してしまった分を返してもらおうと手を広げる。
鬼走に話したことで、ひとまず今は気が楽になったようだった。

「集落に戻りましょうか、雅也さん。明日もきっと早いですよ」
(G60) 2021/08/16(Mon) 12:19:41