人狼物語 三日月国

140 【身内】魔法使いの弟子と失われた叡智


【人】 魔法使いの弟子 オペラ

 
[閉め切られた部屋の窓を開くと、
やわらかな風が春の香りを運んでくる。
埃っぽい空気の代わりに、
私はそれを、思い切り吸い込んだ。

机の上の資料は、きっと大丈夫だと思うけど
風で飛んでしまわないよう、
重しを乗せておきましょう。
ついでに覗いたカップの中身は、三分の一ほど。
もうすっかり冷めてしまっているから、
新しいものに入れ替えようと手を伸ばす。

ここまで一切無反応。

カップも机も、この部屋も
全部私のものじゃないのに。

元々無口な人だけれど、
作業に没頭すると寝食まで忘れてしまうのが
私の師、その人だった。]
 
(1) 2022/03/26(Sat) 1:51:21