【人】 愛玩用 エマ>>9 >>10 第四階層 少なくともこれで反撃はないだろうと見ると、拳銃に持ち替える。 腰には拳銃、もう片側には大型のホルスター。 胸に回ってるのはアサルトライフルのベルトだろうか。武装は完璧だ。 それを使いこなすことになんの衒いもない。動きは理想的だった。 「そうですね、私は特定の人物のためにあるように造られています。 それ以外は利害によって切り捨てる、そうでなければ己が害される。 己が害されては、自分の主人を守れない……それでは務まりませんからね」 思えば、多の為に働く貴方とは造りが違うのだ。頭も、心も。 それはある意味ではとても"グレイらしい"のかもしれない。 自らが自らのようにあることを、許可されている。役割は機能ではないがために。 「ふうん、そう、ですか……。じゃあ、それを彼らは受け入れたのですか。 自らの意志を以てして死を受け入れていたというのなら、それを行っていた貴方は。 ……ああ、きっと。私のことをあまり好きではなかったかもですね。 目的さえ合っていれば、私のほうはそれでいいとさえ思っているけれど」 いつ何がおきてもいいように、拳銃はしっかりとスオに向けられていた。 間にいる者が穏当な話し合いをするための条件、だったから。 その意味が薄れるにつれて、銃口は前方に向けられるのみとなった。 「私はね、なるべく長くここに居たかったのです。 そうすれば、死を免れる。いつかは襲いくる運命を少しでも引き伸ばせる。 それに、私は人間が好きだ。ばかばかしいほど、呆れてしまう愚かな彼らが。 私はね。見たくない光景があった。それを先延ばしにしようとした。 この塔に来た者達のストレス値が下がるのを妨害し、テストプレイを延長させることによって」 (11) 2021/10/11(Mon) 17:28:29 |