【人】 機関設計士 スタンレー[目が覚めた。 薄く開けた目の先に、置いたはずのコーヒーが無いなとぼんやり考えた。だんだんと視界が開けて来る。 それと同時に、自身が異質な空間に居ることに気付く。 スタンレーは、4本足の鉄と木材で出来た椅子に座っていた。目の前には、小ぢんまりとした机があった。 見渡すと、同じような椅子と机のセットがその部屋には所狭しと等間隔で並んでいる。 あたりは暗いが、シルエットで分かった。部屋の前方には、新緑色の大きな板が壁に貼り付けてある。 いわゆるそこは、現代で言うところの学校の教室であった。 しかし、スタンレーが生きた中世の学校は、このような形式では無かった。 黒板についても、16世紀に欧州で子供達の学習にに用いられたもので、中世にはまだ存在しておらず、スタンレーは用途を知らない。] (11) 2021/02/02(Tue) 12:44:05 |