【人】 上原 隆司[母親に電話を入れた1週間後。連休に重なる週末を使って、隆司は新幹線で実家に帰ることにした。 もちろん、蛍を連れて。>>9 実家では今は両親だけが暮らしている。父親は未だに現役で働いているし、母親も当たり前のように自力で家事をしている、活力のある夫婦である。 2人とも蛍を大いに歓迎して、その日は母親が作った夕食が待っていた。 そこにはすっかり食べ慣れた味からコショウだけ抜いたような卵焼きもあった] おお、これだこれ。 蛍のやつのほうが美味いけど。 [長年食べていた味を懐かしみながら、隆司は母お手製の料理を数年ぶりに食べたのだった。 もし蛍が料理の工夫について問えば、きっといろいろなことを教えてくれるだろう]** (12) 2021/03/09(Tue) 20:59:27 |