人狼物語 三日月国

184 【R-18G】ヴンダーカンマーの狂馨


【人】 住職 チグサ


 ──回想:病院にてノーヴァと──

[その時もやはり、診断は「年ですね」でした。>>0:93
 そういえば、母も晩年は腰の痛みを訴えておりました。
 なにもこのようなところまで母に似なくても良いものを、血の因果とは面白いですね。]

 そうですか。
 こうも何もかも年のせいとなると、いちいち診ていただくのが申し訳なくなりますねぇ。

[私の言葉をたしなめるかのように、助手のお方が優しいお言葉をかけてくださいました。
 こちらの若いお嬢さんは、以前は環境が変わることに悩まれていたご様子ですが、近頃は表情がすっかり明るくなられました。]

 ありがとうございます。
 ……仏教には、抜苦与楽という言葉があります。
 この世に生きるすべてのものの苦しみを取り除き、安楽を与える。つまり慈悲心を表した言葉です。
 正しく抜苦与楽された方に、弱音で返してはいけませんね。

[私は自らの口の行いを恥じました。
 第一、心より申し訳ないと思うのならば病院になどかからなければ良いのです。
 痛みに耐えかねて、身体を惜しんだのは、私自身なのですから。

 倒れたあの日はともかく。]
(21) 2022/11/07(Mon) 21:12:07