人狼物語 三日月国

99 【身内】不平等倫理のグレイコード【R18G】


【人】 救済者 ユー

>>16 >>19 第四階層

「とは言っても、僕には既に後が無いとわかっていたから
それくらいの事しかできなかった、というのが正確な所だ
結局の所、『僕』という死に行く者からの救いは
これからを生きて行く者からの救いには敵わなかったようだけど」

幾つもの『これから』を託した宣教用の事を思い返す。
いつだって何処か憂いを帯びた紫水晶の瞳は、
それでも今は、少しだけ穏やかなものだった。

「それでも、今はそれでいいと思っている。
本来死による救いとは、最期の最後に自ら選び取るべきものだ
彼等にとって、『ユーサネイジア』というものが
不要であるならば、それが何よりの事なのだから」

いつしか高くを見上げていた視線を、そっと下ろして。
『ユーサネイジア』は、相対する者と再び向き合った。

「…全ての始まりは、同僚である医療用グレイが
生の苦痛に耐え兼ね、僕に安楽死を請うた事だった。
そうして僕は、愛する者がこれ以上傷付けられる前に殺す事
そして、人間がこれ以上僕を失望させる前に殺す事
それらに救いを見出す事になったと、たったそれだけの事だ」
(22) 2021/10/11(Mon) 21:57:36