【人】 経理課 望月 ロビン>>22 牧野瀬 「やあ、牧野瀬くんは今から向かうところかな。 それとも目的地は違うところ? ちょうどね、温水エリアから上がってきたところなんだ」 行きがけ、探索中の相手を廊下の向こうに見つけて声をかける。 温泉のほうからやってきたのだろう。コーカソイドの資質の混じる肌は湯気をまとって、 身の内の血潮をピンク色に浮き上がらせている。 水気の混じった髪は今まで結っていたのかちょっとクセがついていた。 「このぶんだとみんなとはすれ違いになりそうだ。 ちょうど今ならまだ空いてる頃で、社長もいないんじゃないかな」 ちら、と自分が来た方向の施設に視線を向ける。 今の今まで人はあまりいなくて、ちょうど穴場の時間帯。 もうちょっとすれば賑わいも出始めるかもしれない。 相手が何から逃げてきたかは知ってか知らずか、どうだろう、と着け添えて。 (26) 2022/09/22(Thu) 8:55:27 |