や……皆は……、
[屈託なく"他の皆"について口にする武藤
>>24に、どう返せば良いものか口籠もる。
だって、ここは夢の世界。
現実ではあり得ない。
だから"皆"は、ここに居ない。
現実の私たちは、大学4年への進級を目前にした春休み中で、些細な遊びの約束こそすれ、キャンプに行こうなんて話はしていない。
────それとも、こっちが現実なんだろうか。
楽しかった半年間の方が、全部、夢?
足元に、大きな黒い穴が空いたような気がして、膝がかくりと折れそうになった。
よろめいたりなんか、しなかったけれど。]