人狼物語 三日月国

129 【身内】狂花監獄BarreNwort2【R18G】


【人】 憐憫聖贖 ナフ

>>34 >>38 現実アルレシャ

白銀が閃く度に
血の匂い
が濃くなる。
幾度目か、ぐらりと視界が揺れ、蜃気楼アルレシャはまたすり抜ける。

血溜まりに膝をつく。

硬いものがぶち当たる音。


視界が暗む。これは知っている、死へ沈む気配。
流れ出す血液の残量。


まだ動ける。

死の瞬間まで


テンガンの姿。その所業が齎すモノを、隙を知っている。取り乱し、荒れ狂う獣の姿。

ミラージュが破れる時、世捨て人ワタシはお前に手を伸ばそう。


――シャリン、とナイフの形を崩して、鎖へと。


楽園から引き堕とす蛇のように、鎖が伸びる。
さんざ痛めつけた腕に絡み、引き寄せたならその手首を捕らえ、叶うならばこの身で抱き込むように。
独りで死なせない為に。


「――捕まえた。」

蜃気楼ミラージュを。

そのまま、
血溜まりに
崩れ落ちる。この身は、瞬間でも捉える鎖となれただろうか。お前に死を与える者のための。

隠者ハーミットがそれを知ることはない。
(40) 2022/03/07(Mon) 2:45:29