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人狼物語 三日月国

224 【R18G】海辺のフチラータ2【身内】


【人】 黒眼鏡

>>40
路面と海面が反射する太陽の光を背負って、
一瞬影となったその男が店内に足を踏み入れる。

「黒眼鏡の兄貴、よかった、ちゃあんと釈放されてるじゃねぇか!」


ガイオと呼ばれるそのマフィアは、観光案内所の役付き者だ──表向きは。
実際にはノッテ・ファミリーの一員として、観光客を相手にスリや詐欺、置き引き、恐喝などを働く、外貨・・獲得部門を取り仕切っている。

「おう、ガイオ。
 お前も出てこれたのか」
「部下たちもな、兄貴も早いじゃねえか。
 あんなネタが出たんだ、もう少し絞られるかと思ってたぜ。運がいいな」


気安く笑いながら、意外と丁寧に掃除されている床を踏みカウンターに肘をつく。
アレッサンドロもまたコーヒーミルから手を話し、かちゃかちゃとコップを用意しながら立ち上がった。

「ソウ、裏切者のアレッサンドロです。
 いいのか、こんなとこに来て。俺の処分はうやむやになってるだけだぞ」
「とぼけんなよ、『プラン』だろ?
 何言ってんのかと思ったら、こういうことだったとは。
 最初はびっくりしたが、すぐに失効したし、今なら取り返すのはなんとかなる。
 …そんでもってこの機会に恩を返したら、高ぇ利息を取れるんじゃないかと思ってね」

ははは。アレッサンドロがにやりと笑って、ガイオの肩をぱんと叩く。

「抜け目のねえやつだな。ま、わざわざ呼ぶ手間が省けたよ」
「あんたにしごかれたからな。今度またうちに来てくれよ、フィーコも寂しがってる」

「ああ、あの犬」
(41) 2023/09/27(Wed) 20:32:59