人狼物語 三日月国

87 【身内】時数えの田舎村【R18G】


【人】 少年 編笠

そのアオの言葉を、無言で聞いている。
そのアカネの言葉を、無言で聞いていた。

「おい、せっかくの祭りなんだ。
 祭りが終わった後のこと考えるの、早いんじゃないか。
 ……なあ、卯波」

ギシと。
何かが歪む音がする。

「アオ、お前が呼べば俺はいつでも帰ってくるよ。
 アカネ、まだまだずっと、ここにいられるはずだろ。
 卯波だって、ずっと見たいモノ見せてやるよ」

「だから。
 もう。頼むから。
 ――どこにも行くなよ……」


大きな花火が上がって、小さく囁いた言葉は掻き消される。
(45) reji2323 2021/08/15(Sun) 22:00:15