>>53 メイジ
「……うん。次も、負けないから」
次があればいい。甘い塊を転がしながらそう思えば、するりと言葉は紡がれた。
遠く水の流れる音を聞きながら腹を擦る。
「そう、なんだ。……そうだろう、ね。普段も、余裕がある訳じゃ、ないんだから」
どこを見たのだろう。何を考えたのだろう。
フジノには、わからない。
「……うん。協力、できたらいいな。
私も、なにか……役に、立たないと」
できる事は少なかったとしても、荷物にはなりたくはなかった。
おいしい?という問いに、貴方を見てこくりと頷く。
口の端は、微かに持ち上がっていた。