【人】 花屋の主 メルーシュそこへ>>37 失礼、メルーシュ嬢。 花束を一つ、頂けますか? と、時折贈り物の花束を求めに来てくれる男性からこう声をかけられたとき、ぎこちないながらも親しみを込めた笑顔で迎えたメルーシュの姿は、もしかしたら「嬢」と呼ばれたことへの、はにかみに見えたかもしれない。 ヨシュア様、承知しました。 今日はどちらへ行かれるのですか? 彼が花を贈る相手はよくわかっていたので、けっして世間話ではなく、これから屋敷に戻るまでの時間によって、花束の仕立てをかえるためのものであった。 だが人によっては不躾な質問であることを、メルーシュは気づいていないようだった。 果たして彼はどのように思ったのだろうか。]* (59) 2020/09/21(Mon) 16:10:10 |