人狼物語 三日月国

45 【R18】雲を泳ぐラッコ


【人】 Cucciolo アジダル



 [ 暗色の目元や体格をじろりと確認したが、その人物は
  事前に把握していた面々の内に存在しなかったはずだ。
  けれど自分たちが踏み入ったのは、人里離れた森の奥。
  ハイキングの一般人が偶然立ち入るような場所でない。

  一見して堅気で無さそうな体躯の男が
  銃口を向けられて平然としている様が
  場馴れかそれ以外の理由なのか、
  力量を推し量る事も出来ない程度に
  未熟な頃の青年には読み切れず。 ]


   Sigma? ……何だそれ、コードネームか。
   浮浪児でももっとマシな言い訳するぜ。
   僕は「どうしてここを知っている」って聞いたんだが?


 [ 聞きなれない響きの名を舌先で転がした。
  偽名にしては疑わしすぎる音と、毅然としながら剣呑な瞳、
  降伏の両腕が紐づかない。

  無暗に牙を剥く幼さは見抜かれやすかった。
  奴もまた青年の青さを察したのかも知れないと
  勝手に奥歯を噛み締める。 ]

 
(62) 2020/10/02(Fri) 6:46:19