人狼物語 三日月国

7 【R18】鈴蘭の村:外伝6〜カフェリコリス〜【RP半再演ペア】


【人】 裁判官 リーベルト

[都会のド真ん中。
利便性とセキュリティ面を考慮したタワーマンションの角部屋。
書斎の本棚には六法全書やら判例集やらその他様々な資料が隙間なく詰め込まれているけれど、その他の部屋には生活に必要な最低限の家具と電化製品しかない。
よく言えばすっきりとした、悪く言えば殺風景な室内。

これまでは一人暮らしでも別段何も感じなかった3LDKが、今はやたらと淋しく感じられる理由はわかっている。
人恋しさ、というものを知ってしまった。

この孤独感は、
床を縦横無尽に駆け回るロボット掃除機では癒せない。

それも彼が家に越してくるまで。
後数週間の辛抱だ。
まして、今日からは念願の旅行なのだから。

冷蔵庫に常備した缶コーヒーを一気飲みして、手荷物の最終確認を行う。
年明けに購入したグリーンのスーツケースに、衣類と観光ガイドと思い付く限りの行楽グッズ、それから仕事用のノートパソコン。お土産を入れるスペースもしっかり確保してある。
あとは――金さえあればなんとかなるだろ。]


  どこか遠くへ行ってみたいですね。
  一緒に。


[そんな会話をしてから随分と時が経ってしまった。

息つく間もなく目まぐるしく日々は過ぎ、雪が溶け桜が咲き、季節の移ろいを感じる余裕すらほとんどなく夏が来た。
ジリジリと照りつける太陽が背を焦がす。]
(80) 2019/04/08(Mon) 6:23:55