【人】 法の下に イレネオ>>66 ダヴィード 駆けて行って、駆けて戻ってきて。 まさか店先でUターンしてきたわけもないから、わざわざ走って、止まって、走ったのだろう。その過程を想像するとやはり微笑ましい。 まさか店先で足踏みを? と、それもまた想像しては笑いを噛み殺した。 「両方好きだよ。」 問われた言葉には、そんな答えを返して両手を差し出す。 笑んだ口元のまま、珍しく貴方より低い視線で続けた。 「と言えば、困るのはお前じゃないのか。」 おそらくは、分け合うつもりで来たろうに。 二つとも寄越せと言えばどんな顔をするのか、少し興味がある。興味があるだけで真意ではないと、そこまで見抜かれている可能性も、あるにはあるけれど。 #商店街 (80) 2023/09/12(Tue) 23:08:02 |