【人】 闇の精霊 アルカード[今、我が読んでいるのはこの世界の成り立ち。 『神話』とか『おとぎ話』と呼ぶほうがより正確か。 あの娘が前の世で「乙女ゲーム」と呼んでいた物語にも、 ]同じ『神話』という名の設定が存在することを我は知らない はじめに、虚無が在った。 星がひとつ、虚無の海に落ちて世界が生まれた。 神々のうち、ひとりの娘が言の葉を紡いだ。 「光あれ」と。 その一声で、万象は光に照らされて そして世界は産声を上げた。 そうして、ただただ闇ばかりであった世界は 光に照らされ、世界には数多の精霊と命が生まれた。 闇に満ちた虚無の海より、 言の葉から万物を生み出した娘は 光の女神として、今も世界を見守っている――…。 (85) 2022/05/24(Tue) 0:25:30 |