[その時だった。]
『誰だ』
[縛られたセレン嬢と共に馬車の中へ乗り込んでいた
暗殺者らしき男が馬車の扉を開けたと同時に
>>1:196馬車の屋根に向けボウガンを2発打ち込んで来た。
思わず反射で避けはしたが、2発目が左頬を掠る。]
─── !
[掠った衝撃と、頬にじわり滲んだ気配。
慌ててマントの端で止血を試みたものの、
抑え込む左手と布地が瞬時に濡れ始める。
ズキズキと響く痛みを堪えながら、
さらにマントで頬を抑えてバレぬように血止を試みて。
ボウガンを打った男が、じ、とこちらを見つめていた。]