【人】 三年生 神田 京平── 前日: 忘れ去られた稲荷様 ──[一服、と言って向かった先は はなひら神社の神殿からさらに奥に行った先にある 山道へと続く小さな森。神社の外れに位置していて 小さな子供の探検場所等にはなっているが 人通りはほぼないといっていい 雑草が生い茂り、虫の鳴き声が響き 日中であれば木漏れ日の広がる自然が体感できる場所だ その人気のない場所を慣れた様子で歩いていく 木に覆われて隠されるようにオンボロになった小さな神殿 その中もやはりボロボロで一部屋根が崩れている 中に入ればギシギシと軋む音がする] ただいま [出迎えてくれたのは2体の小さなお稲荷様 祀られていたのか御神体であったのか 建物と同じくボロボロだった2体の狐の像 供えるように水の入ったコップを目の前に置いて 腰を下ろして残りのペットボトルの水で喉を潤す。] (96) 2021/07/23(Fri) 16:16:13 |