【人】 夕凪>>72 花守 「花さんはお淑やか嫌いでしたか? 私はどの姿も似合うと思いますが、なにをしたって花さんは花さんで格好いいのに嫌な言い方をする人もいたんですね」 ぷん、と妙な効果音が付きそうなほど頬を膨らませて代わりに怒っておきました。 「私も、…寂しいです。 みんなが、自分が子供じゃなくなってしまったのを感じるんです」 あなたを置いていった気持ちが、少しだけわかります。 同じことを思って、呟きましたから。 逆の気持ちも同じぐらい強いのでしょう。 「でも花さんは、ちっちゃくても、ずっと。 夕凪たちのお姉さんです。夜凪も、そう言います。 今日も、その笑い声を聞けるここに帰ってきた喜びが倍増だって」 自分を、少しあなたに重ねて。 「寂しい気分だらけに、させませんから。 バイクありがとうございました!」 短い運転、あなたの背中の体温。 くっついていたのに暑くなかった。 ぽかぽかするのに気分は爽やか、まるで陽だまりのように胸に宿ったこの温かさを伝えるのに、笑顔以外は野暮だと思うの。 バイクから降りて伸びをして準備に取り掛かるためにいってきますとできる限りの笑顔を向けました。 (101) 2021/08/11(Wed) 21:48:02 |