【人】 法の下に イレネオ>>130 ペネロペ 似合って見えると言われれば小さく笑みを零すだろうか。 その仕事を誇っている。その生き方を自ら選んだから。 誇示することこそないけれど、確かな矜持のある笑みだった。 「ありがとう。」 社交辞令とも思わず素直に受け取るのは、貴方と築いたと思っている関係によるものでもあるんだろう。 親しいとは言えない。近い関係だとは言えない。ただの店員と客の、それの模範のような距離。時たま顔を合わせ、少し話をして、また、と別れる。それだけの。 「そうだな。」 「それと、元気を出したい時とか。」 そちらは概ねあっている、と返答。 墓と墓の間の狭い通路を抜けながら、男は時々墓石に目をやった。 目をやって、すぐに逸らす。それだけ。 #共同墓地 (133) 2023/09/13(Wed) 23:53:09 |