[自由になった彼の傍らで縄を纏めておく。
話題が自身のこととなれば耳が痛く、目を伏せる。]
それは……、そうなんだけれど……。
逃げ出しても、どこに行っていいのか、
分からないの……。
きっと、結局ここに帰ってきてしまうわ。
[彼が身体を伸ばす傍らで苦笑を浮かべる。
ジャヤートが動き出したのを見て、荷運びの者が一瞬警戒を浮かべたが、逃げる様子がないと分かれば作業に戻っていった。
さっきまで逃げ出したいと言っていたのに、今度は悪友の為に待つという。
>>133そういう気遣いが出来るところを、好ましく思う。]