【人】 楯山 一利「どっちが上……か。 なんか、難しいっすね。 どっちも……大事です。 贅沢かもしんないですけど。 俺の想いが通じて、今以上に 男女として付き合えたら理想ですし ブレイクダンスの良さも、 俺がマジに頑張ってることも 分かって欲しい気持ちもありますし。」 アイツが俺を男として意識してくれるには、 友紀さんの言う通り、結局は自分の気持ちを しっかり伝えないとダメ…なんだろうけど。 「今更……好きだなんて言って マジに受け取って貰えますかね。 アイツにとっちゃ、俺は弟なワケですし。」 まるで行き場を失って 袋小路にハマっているような気分だ。 どうしたって、抜け出せない関係性。 そう思い込んでいるだけかもしれないが そうじゃないと言い切れる保証だってない。 俺は情けなくも、頭を抱え込んだ。* (148) 2022/10/16(Sun) 23:01:25 |