【人】 言ト霊 羅生>>57 ─ 『香り』 ─ [ この病棟の白さには一抹の懐かしさを抱く。 足音を立てないように歩くのは、恐らくその頃からの付与された『癖』 憂鬱さが今のものと同じであるかは判らない。 初めは憧憬すら覚えていたのに 今や唯ひとり、僕を咎める『直青』。 「絶対に自分を救けない」と断じた相手に一瞬でも甘えた事実>>50を引っ提げながらのこの往路は業務と割り切っても足取りは重い。速度なんて変わらないけれど。 重なる像が歪にずれていくのは己の因果なのだとは、桜花に触れて理解した。世界に与えた事実は決して消えない。いつの間にか創世員たる資格を喪失しかけていたのが自分ならば、もう、逃げ回るのは合理では無いと理解してる。 ] (……”Bonjour, Monsieur.”) * (158) 2023/11/24(Fri) 20:29:33 |