人狼物語 三日月国

86 【R15RP】君と僕の、夏祭り


【人】 二年生 田邊 夕鶴

 
[ところで、そもそも私が、
どうして書道をやろうと思ったかというと。

高校に入って、バレーを続ける気はなくて。
じゃあ何か部活をやるなら、何がいいかなと考えた時、
祖父の趣味の事を思い出して。

そう、書道は元々祖父の趣味だったのである。
私は、小さい頃から祖父の字が好きだった。
自慢ではないが、田邊 夕鶴という、
画数の差が物凄い私の名前を、
世界で一番綺麗に書けるのは、祖父だと思っている。

その祖父曰く。書に写るのは人の心であると。

現代の文字は、スマホの画面をフリックすれば、
どんな画数の字だってあっと言う間に完成する。
それを思うと、自分で書く文字の方が、
効率という点では圧倒的に劣るのだろうけれど。

でも、線の一本一本。
その勢いや、はね、はらいの伸び。
その全て、時間をかけて綴るからこそ、
書き手の想いが自然、そこに滲み出るのだと。

その祖父の考えが、私は好きで。
それから、ただの文字が特別なものに見えて。
だから私は、高校では書道部を選んだ。]
 
(159) 2021/07/29(Thu) 2:27:20