人狼物語 三日月国

29 【2IDソロル+ペア混合】交換日記【完全RP村】


【人】 軍医 ルーク

  ―― 
前線基地・外壁
 ――

[ 基地の周りをぐるりと取り囲み、
 高く高く張り巡らされた壁面の上に、
 一つの人影がある。

 針金のようなその人影は、
 爆風の一つも食らおうものなら吹き飛ばされそうに
 ひょろりと頼りなく、細い。
 ――けれど、何が起きたとしても目はそらさない、
 退くことはしないと、二つの脚でそこに立っている。
 爆風に吹き飛ばされないようにと、
 ぺんぎんをしっかり両腕で抱えて。

 サイレンが叫んでいる。
 この基地が始まって以来発せられることがなかった、
 最大の警戒レベルを告げて。
 
 高く遠く、『太陽』に照らされた天の岩肌に、
 穿たれた大穴がある。
 世界の蓋に闇が口を開け、
 数多の死が吐き出されようとしている。
 けれど、届かない場所へと手を伸べることは、
 もうしなかった。

 ――彼は、あの大穴の向こうの世界から来た。
 この地に降りてきたとき、
 彼は何を思い、何を見たのか。
 これまでに読んだ、日記の記述は、
 一語一句たりとも忘れられるものではない。]
(204) 2020/05/25(Mon) 22:24:53