【人】 1年生 朝霞 純>>213>>214 [退院する前から、工藤さんは私の病室にしばしば訪れてくれていた。 私はもっと距離を置いて、たまに二人でいるような関係に落ち着くと思っていたのだけど、彼女が訪問してきてくれるのは、そして健康診断を行うのは、私と時間を過ごしたいと、私の体調を気にしてくれているのだと理解しているつもりだったから別に嫌ではなかった。 好意のある人と一緒にいたくなったり、その人の無事が気になるのは、今の私には何となく理解できるような気がした。 そういう行動を、実際していたからだ。 私の好意と工藤さんの好意の内容は違うだろうけど、その好意の内容がなんであれ、好意を抱いている相手のことはやっぱり気になるものなんだと思う。 私は彼女に好かれることが、ちょっと嬉しかった。 人と交わることが苦痛に感じやすい彼女が、私の手を取ろうとしてくれることが嬉しかった。] (234) 2022/09/18(Sun) 23:01:36 |