人狼物語 三日月国

86 【R15RP】君と僕の、夏祭り


【人】 二年生 鳳 凛

─凛の家族、生活─


[幼いころの凛は今でいう、ネグレクトよりの“放置子”だった。
食事も衣服も、愛情も、父と母、それぞれが気が向いたときにだけ、与えられる。

凛の両親は心に余裕がなく、いつも自分のことで頭がいっぱいだった。
この生活から抜け出したいのに抜け出せない。
どうしたらいいのか、その道は本当はすぐそこにあるのに見えなくて、見れなくて、見ようとしなかった。
絶望を繰り返すうちに思考の凝り固まった内へ内へと沈んでいく。
彼らは周りに『助けて、』と言えなかった。

そんな彼らを真っすぐに見つめる凛の瞳は、時に彼らを励まし、時に彼らを傷つけてもいた。
凛の視線に耐えられなくて、彼らは彼女から目を逸らした。

彼らの様子に、凛は自らなるべく家に居ないよう、外出するようになった。
町の公園や図書館、このはなひら神社も、そう。
裏にある山にも足を伸ばしていただろうか。]
(246) 2021/07/22(Thu) 15:21:47